「WORLD TAG LEAGUE」(以下WTL)が開幕し、既に3大会が終わりました。
前年ながら今年も東京ドーム大会での対戦カードが決まった選手の、タッグリーグ出場はありません。
昨年より出場チーム増え、合計16チームとなった今回のWTLですが、出場チーム発表は新日本プロレス公式Twitterアカウントでのツイートのみ。
前日記者会見も行われず、手抜きだと揶揄されるコメントも目にしました。
魅力をあまり感じられないファンもいることでしょう。
しかし、蓋を開ければ昨年以上の盛り上がりを魅せているのではないでしょうか。
戦前の予想はEVIL&SANADA組が圧倒で、3連敗に死角なしというファンも多かったと思いますが、どこが優勝するか全く読めません。
【投票総数18,525票!】
LINEアカウント『WORLD TAG LEAGUE』“優勝予想”の結果発表!
第1位は昨年の優勝チーム・EVIL & SANADA組が他を圧倒!
皆様からの応援メッセージも紹介!
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) November 15, 2019
優勝争いが読めないのは新しいチーム、安定の継続タッグチーム、番狂わせを起こしそうなダークホースチームが多いのが要因でしょう。
さらに、優勝争いだけがWTLの魅力ではありません。
「喜怒哀楽」ならぬ「絆怒愛楽」に溢れたタッグリーグです。
『絆』
長年タッグを組んでいるチームも多く、多くの絆を感じる今回のWTL。
出場チーム中、最もコンビ歴が長いテンコジ。
新日本を愛し続ける外国人レスラーのフィンジュース。
兄弟愛とタッグ王座としてのプライドで、念願の初優勝を目指すG.o.D。
脛骨の怪我から長期離脱していた本間朋晃が、遂にWTL出場に戻ってきたG.B.Hなど、絆を挙げればキリがないでしょう。
中でも深い絆を感じたのが、鈴木軍の4人です。
場内大熱狂! 刺激満載の“鈴木軍対決”を制したのは、ザック&タイチ!
試合後のタイチは
「今日はよ、同門対決だとか一個も思ってねぇよ。この4人の中で俺らが生き残ったんだ。俺らが代表だろ?」☆11.17後楽園大会をスマホサイトで独占詳報中!
⇒https://t.co/JZcSBaIJBm#njwtl #njpw pic.twitter.com/4LzATv4IlC— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) November 18, 2019
鈴木軍は利害が一致して集まったヒール軍団なだけではなく、常に各々がトップを目指す個の集つまりなのかも知れません。
結果、鈴木軍のメンバーそれぞれの強い意志を感じる試合だったのではないでしょうか。
『怒』
WTLに初出場を果たした、バレットクラブのKENTA。
これまでの傍若無人な闘い方に、借りを返そうと思う選手も多いはずです。
日曜の後楽園大会では、後藤洋央紀がタイトルマッチに介入された恨みをぶつけました。
しかも、新たな『怒』が始まる可能性も十分あるでしょう。
WTLに参加し対戦する15チーム、最大30人に怒りを買うこともあると思います。
ここで生まれた『怒』が、来年以降の抗争勃発に繋がると期待するしかありません。
『愛』
ここでいう「愛」とは、パートナーを見守る愛です。
ヤングライオン杯を優勝しWTLに抜擢されたカール・フレドリックスは、長い公式戦を通して後藤から多くのモノを学ぶことでしょう。
いつかはジェイ・ホワイトの様にヒールレスラーとなって、ブーイングを浴びる日が来るかもしれません。
その時は後藤が立ちはだかり、愛を持って制裁してくれるでしょう。
パートナーの成長を見守るという意味では、石井智宏&YOSHI-HASHI組も一緒かもしれません。
かつてオカダカズチカや後藤とタッグを組んできたYOSHI-HASHIですが、石井はパートナーに感謝の言葉を述べ成長を期待しています。
第一戦の藤沢大会では『今日はYOSHI-HASHIに助けられたよ。サンキュー』とストレートに感謝し、第二戦の後楽園大会では『YOSHI-HASHIが…頼もしいよ』と褒め称えました。
石井が褒めて育てようと思っているかどうかは分かりませんが、この期待にYOSHI-HASHIも答えてくれるでしょう。
『楽』
勝ち負けが全てな殺伐な試合ばかりではないのが、WTLの魅力でしょう。
代表的なコンビで言えば矢野通とコルト・カバナですが、公式戦に笑いと何かをしてくれるのではないかという期待感に満ち溢れます。
まるで、普段のシリーズの「喜怒哀楽」を感じることができるリーグ戦と言えるのではないでしょうか。
そして、シリーズ終盤には優勝争いも行われ東京ドーム大会への切符を手にするチームが決定します。
1リーグ戦で16チームも参加することにより、どのチームが優勝するか全く読めないところも今回のタッグリーグの魅力でしょう。
タッグチームの『絆』を感じ、『怒』から遺恨が生まれ、レスラーの『愛』を感じることができる大会となりました。
ただ優勝を決めるだけのリーグ戦ではないのが、WTLの魅力でありプロレスの魅力なのかもしれません。
つまり、出場チームの数だけドラマがあるということだと思います。
【お知らせ】
昨日の後楽園ホール大会を現地で観戦してきました。
今回初めて最前列の席で見ることができたので、写真もいつもとは違う雰囲気になっているかもしれません。
一部の写真をTwitterにアップしましたが、まだアップしていない選手の写真も後日アップ予定です。
気になる方は、こちらからご覧ください。