棚橋弘至が新日本プロレスの新社長に就任し、様々なメディアで選手の露出が増えるようになりました。
例えば地方の番組にエル・デスペラードが1人で出演なんて、一昔前では考えられなかったことでしょう。
テレビ苦手人間が1人で駆り出されるというね・・・
生放送かこれ
助けてonちゃん https://t.co/6LrZgZjNQ7
— El Desperado (@ElDesperado5) February 21, 2024
一方で棚橋も新日本の社長として、ビジネスメディアに出演する機会が増えています。
直近で木谷オーナーと一緒にビジネス映像メディアである「PIVOT」というYouTubeチャンネルに出演していました。
新日本プロレス棚橋新社長のインタビューを公開。
レスラーと経営者の二刀流、これからのプロレスビジネスの展望を深掘りした。
✔️ファンは経営者目線がある
✔️選手をいつまで続けるか
✔️プロレス経営の難しさ@tanahashi1_100 pic.twitter.com/uTv9YkvABU— 【公式】PIVOT@毎日新着コンテンツを配信 (@PIVOT_inc_) February 16, 2024
ビジネスメディアと言ってもビジネスの話題だけに特化したものではなく、様々なプロレス関連の質問があり棚橋と木谷オーナーがそれぞれ回答するという興味深い内容でした。
中でも気になったのが、現在のNJPW WORLDの会員数についてと、海外戦略と国内戦略についての考え方です。
今後のビジネス戦略について質問されると、木谷オーナーは現在のNJPW WORLDの会員数について言及。
さらにグローバル戦略以外にローカル戦略の重要性についても説明しました。
ーー『今後のビジネスモデル、どういう風に進化させていくかというところで、勿論興行収入・大会収入が大事だと思いますけど。そこにデジタル配信とかグッズ配信とか、そこの比重なんかも含めてどんな感じでビジネス戦略考えていらっしゃいますか?』 棚橋『やっぱり興行収入は年間の試合数も決まってますし、ビッグマッチは東京ドームというところで、地方大会の1000人が2000になって増えてくって伸び代も勿論あるんですけども。そのパーセンテージをだんだん減らしていきたいかなって。チケット収入以外の部分をいかに伸ばせるかっていうのが、新日本プロレスがもうひと段階大きくなるためのポイントかなって思います』 ーー『その際の一番鍵を握るところは?』 棚橋『やっぱり映像配信』 木谷『まあ、アメリカで映像売ろうとずっと10年ぐらい頑張ってるんですよ。AXSTVってとこで売ってはいるんですけど、そんなにまだ大した金額になってないです。むしろWORLDの会員数はアメリカだけでも3万人以上いたりするんで』 ーー『増えてるんですね?』 木谷『これはね、実はコロナの時にちょっと減っちゃいまして。大会が減って逆に日本の方が会場に行けないから増えて。会員数としては変わらないんですけども。 だから、ここはやっぱりなんでアメリカで興行を一生懸命やってるかって分からないファンもいると思うんですけども。アメリカで興行することによってWORLDの会員を維持したり増やしたりする目的があるですね』 棚橋『あと海外の大物選手が来るとガッと増えますね。クリス・ジェリコ効果とかありますね』 木谷『自分達の国をマーケットとして見てくれてるかどうかって、やっぱりそこで興行やるかどうかだと思うんですね。 日本国内でもそうだと思うんですよ。東京でしかイベントやってなかったら「やっぱ俺たちなんか相手にしてないんだ」って遠くの人は思うじゃないですか。そういう意味でも新日本プロレスのグローバル戦略って話しありますけど、どっちかって言ったら“グローカル”。グローバルに行きながらも、日本のローカルも大切にするっていう』 引用:PIVOT公式チャンネル |
映像配信の売上の比率を伸ばしたいと語った棚橋に対して、木谷オーナーはアメリカでの会員数だけで3万人以上いることを明かしました。
新日本が公式に発表したNJPW WORLDの会員数は、2022年1月頃の時点で約11万と明かされています。
また昨年1月に海外メディアがメルセデス・モネ参戦の効果で、4万人増えたと報じていました。
仮に海外メディアの情報が正確だったとしても、モネは怪我による欠場を余儀なくされ、しばらく参戦できていない状況を考えると、4万という会員数がそのまま継続しているとは思えません。
一方で昨年の東京ドーム大会では全世界ライブ配信での視聴数が9万2千人(ユニークユーザー数)で過去最高だったことも公表されています。
木谷オーナーの「会員数は変わらない」という発言もあるので、現在のNJPW WORLD会員数は11万前後なのでしょう。
ここ数年、会員数が殆ど変わっていないことを考えると、コロナ禍のようなパンデミックの影響も受けにくい映像配信コンテンツの売上比率増は、新日本にとってもブジロードにとっても最重要課題なんだと思います。
一方で日本の巡業システムも一周回って最先端と語っているので、国内戦略も更に力を入れていくことになるのでしょう。
2024年はアジア戦略を強めると発表されているので、アジア圏のファン拡大に期待です。