久しぶりのハッピーエンドに終わった神宮大会のメインイベント。
試合後には花火も上がり、会場を訪れたファン、配信を見ているファンにとってささやかなプレゼントになりました。
[LOS INGOBERNABLES de JAPON]
Para mi hace 21 años.https://t.co/yni7JYJeUp pic.twitter.com/5Lokl2WKd8
— 内藤哲也 naito tetsuya (@s_d_naito) August 30, 2020
21年振りとなった神宮大会は、週刊プロレスから増刊号も発売。
神宮大会の全試合内容を網羅し、さらにはデビュー12年目にして初めてベルトを奪取したYOSHI-HASHIのロングインタビューも掲載されています。
記憶にも記録に残したい一夜が詰まった一冊です。
※画像に楽天booksのリンク貼っています
それにしても、神宮大会の内藤哲也のコメントには驚かされました。
元同じユニットのEVILから二冠のベルトを取り返した内藤が、試合後のリングでこんな言葉を発したのです。
『今回の神宮大会の成功は、テレビの前の皆様、インターネットの前の皆様、そして! この暑いなか、わざわざここ神宮球場に駆けつけて下さった皆様のおかげ。心から! 感謝いたします。グラシアス! アミーゴス(※大拍手)。まだまだ、コロナの影響で我慢の日々が続きますが、その我慢の先に、明るい未来がきっと待っていると思うので、スペレーモス・フントス!一緒に!! 乗り越えていきましょう』
引用:新日本プロレス
完全なる優等生コメント。
『我慢の先に明るい未来が待っている』なんてセリフは誰が言えるのか。
ここまでファンに寄り添う発言は、制御不能のカリスマといえるのでしょうか。
ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン結成初期の内藤と比べ、物足りなさや疑問を感じるファンもいるのだと思います。
恐らく2018年の鈴木みのるとの抗争ぐらいから、制御不能に変化が生じた内藤哲也。
のらりくらりトランキーロ戦法から、奇襲を狙う対戦相手が多くなり、『デ・ハ・ポン』の大合唱すら邪魔されるようになった内藤は、ヒールレスラーにとって格好の標的だったのかもしれません。
鈴木軍はタイチやエル・デスペラードが存在感を増し、常に標的を探しています。
ジェイ・ホワイトが加入以降のバレットクラブは、日に日にメンバーが増え勢力が肥大化しています。
そして、ロスインゴ初期メンバーのEVILの裏切り。
常に最前線でヒールレスラーと闘い続ける内藤は、制御不能を失っているのではなく新日本プロレスの変化に柔軟に順応しているのではないでしょうか。
かつてないほど存在感を増しているヒールユニット。
影が強くなればなるほど、内藤が光を放つことは自然なことかもしれません。
制御不能は失われたのではなく、敢えて制御しているとしたら…
強力な光が現れるまで温存しているのかもしれません。
そして、反旗を翻したEVILの存在も大きいのでしょう。
ロスインゴ創設初期から一緒に闘ってきた戦友に対し、袂を分けてもレスラーとして期待していることでしょう。
EVILという月が暗闇で輝けるように、敢えて太陽となろうとしている内藤哲也。
制御不能を見せない理由は、EVILの存在も大きいのかもしれません。
結局、内藤にとって重要なのは制御不能なカリスマを貫くことではなく、“今しかない内藤哲也”を見せることではないでしょうか。
過去に囚われず、今しかない自分を魅せ続ける。
もしかしたら、いつかまた制御不能な内藤が見れるかもしれませんが、トランキーロで待つしかないのでしょう。
自分を曲げない、型にハマることのない内藤哲也は、やっぱり制御不能なのかもしれません。
【お知らせ】
数週間後に控えたG1クライマックスに向けてアンケートを行っています。
社会的責任の大きい新日本プロレスから感染者が出た場合、G1でさえ中止にする決断をするかもしれません。
しかし、陽性かどうか分からない状態、つまり発熱があった場合に新日本はどういう対応をすべきなのか。
何度も大会を中止にしていては、プロレス界大手の新日本と言えども耐えられるかどうかは分かりません。
良ければ皆さんの意見を聞かせてください。