執念でチャンスをモノにしたデビッド・フィンレーの動き出した「秒針」

WORLD TAG LEAGUE




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015年に新日本プロレスに入団した、青い目をした3人のヤングライオン

1人はROHへの無期限海外遠征から凱旋帰国後、2年弱で新日本の3大タイトル(IWGPヘビー、インターコンチ、USヘビー)を獲得したジェイ・ホワイト

 

2人目は2017年にNEVER無差別級、インターコンチネンタル、USヘビーの3つのタイトルに挑戦したジュース・ロビンソン。

翌年にはシングル初戴冠となるUSヘビー級王者になりました。

 

かつてヤングライオンとして苦楽と共にした仲間が新日本の最前線で活躍する中、1人もがき苦しむデビット・フィンレー

今年こそは、巻き返しを計る大事な1年だったと思います

結果的に、例年以上に悔しい想いをした1年になりました。

 

初エントリーされた「NEW JAPAN CUP」は、2月に行われた試合中の肩の脱臼で欠場。

恐らく怪我をする前に収録されていた「Bar MSG」では、ジュースと一緒にマディソン・スクエア・ガーデン大会に出場できるだろう喜びを語っていました

 

結果、ジュースはこの歴史的興行に参加できましたが、フィンレーの名前が刻まれることはなく…

G1クライマックス初エントリーも逃し、「WORLD TAG LEAGUE」(以下WTL)が東京ドーム大会出場への最後の望みとなりました

 

 

内最後のビッグマッチで行われたWTLの最終日となった広島大会。

セミファイナルで石井智宏&YOSHI-HASHI組がタンガ・ロア&タマ・トンガ組に勝利したことで、WTL優勝の行方はメインイベントの勝者というシチュエーションになりました。

 

事前の新日本プロレス公式LINEアカウントの優勝予想投票で、圧倒的な支持を得て1位を獲得したEVIL&SANADA組。

ファン投票トップ5に名前を連ねることのできなかった“フィンジュース”でしたが、三連覇の野望を打ち砕いたのは2人に追いつきたい男の執念だったのかもしれません

 

 

行われた4・24後楽園ホール大会でのIWGP USヘビー級選手権。

当時王者だったジェイに挑んだ一戦は、今でも印象深く脳裏に刻まれています。

かつての“仲間”であったジェイに、全てをぶつけた一戦。

フィンレーの類い稀なる才能を、多くのファンは目撃したことでしょう。

 

惜しくもタイトル奪取とはなりませんでしたが、フィンレーの覚醒を期待できる内容でした。

いつか再びジェイの前に立ち塞がるだろうと、多くのファンが期待した試合だったと思っています。

 

 

019年を殆ど棒に振ったフィンレーでしたが、最後の最後にチャンスを掴みました。

イッテンヨンでG.o.Dの持つIWGPタッグ選手権に臨むことも決定。

 

もしフィンレーが新チャンピオンとなれば、2016年に挑戦したNEVER無差別級6人タッグ以来のベルト戴冠となります。

何よりも東京ドーム大会に“仲間”であるジュース・ロビンソンと一緒に出場できることは、念願だったことでしょう。

 

EVIL&SANADAの三連覇を阻止した“フィンジュース”。

WTL初優勝は新日本プロレスの最前戦で活躍する為の、大事な切符となりました。

 

 

に。

私のWTL優勝予想は“フィンジュース”でした。

いや、予想ではなく願望です。

飛躍の年になるだろう1年を、棒に振るったフィンレーへのギフトになって欲しい。

今回の優勝がキッカケになると信じての切なる願い。

 

仕事の都合で普段行けない試合前のサイン会も、あの日ばかりは伝えたい一言があって有給を使いました。

『(肩)大丈夫ですか?

優勝してください!』

この言葉に笑顔で返してくれたフィンレー。

この時既に、止まっていた秒針が動き出していたことでしょう。

いつかジェイ ・ホワイトの最大のライバルになる日を信じて。