なぜ内藤哲也はルールを破ってまで観客とグータッチしたのか?

内藤哲也【撮影:koba】
雑感




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玉県・所沢市で行われた「Road to POWER STRUGGLE」。

メインイベントでディック東郷からギブアップを奪ったSANADAが、所沢市民体育館で愛の告白をし多くのファンが多幸感に包まれたことでしょう。

 

そんな所沢の会場で驚くべき行動を取ったのは、ロスインゴの内藤哲也です。

新日本プロレスでももっともファンの支持を集める内藤です、この日会場に訪れた子供のグータッチに、同じくグータッチで答えたのです

つまり、ファンの手と内藤の手が接触したということ。

コロナ禍の状況で目を疑う行動でした。

 

これが昨年までであれば微笑ましい光景でしょう。

しかし、感染拡大予防のためファンは選手との接触を一切禁止されています。

当然選手側も、ファンとの接触を禁止されているでしょう。

昨日SNSのタイムラインに流れてきた写真は、明らかに拳と拳が触れていました

 

過去には選手に発熱が出たという理由で、新日本プロレスは試合開始直前で大会を中止するという決断をしています。

有観客興行を開催するも中止するもリスクのある状況で、あの時の新日本の判断は英断とファンから賛辞が送られました。

G1クライマックスを何事もなく完走できたのも、選手、スタッフ、会場を訪れたファンが感染予防対策を徹底し細心の注意を払ったからでしょう。

 

内藤が子供とグータッチをしている写真を見た方は、みんなが我慢している状況でなぜ軽率な行動をしてしまったのかと悲しんだことでしょう。

そんなこと百も承知な内藤哲也が、なぜ会場を訪れたファンとグータッチしたのか?

G1が終わって気が緩んだから?

相手が子供だったから?

 

あの内藤哲也のグータッチは、新日本に対するメッセージだったのではないでしょうか

有観客を再開して以降、新日本は半分以下の観客動員を大会を運営してきました。

1年で一番観客動員が見込めるG1クライマックスシリーズでさえ、全ての会場で半分以下の大会運営をしています。

それでも殆どの会場で半分以下の席数のチケットが完売していません

選手がSNSで観戦を促しても、チケット完売は未達成です。

 

ここで興味深いデータをお見せします。

『プロレス統計』さんが算出したデータですが、G1の各会場のキャパを半分で見た時、実際の観客動員が何%だったかという結果です。

これがコロナ禍の状況でなければ会社の存続を心配してしまう数字でしょう。

 

かつては満員が当たり前だった新日本プロレスの興行ですが、今は半分のキャパシティーを満席にするのも苦労しています

恐らく、感染の可能性を危惧するファンが会場に足を運びたくても運べない状況なのでしょう。

生活の殆どを家で過ごすことが当たり前になってしまっているのかもしれません。

 

では、内藤哲也のグータッチにはどんな意図があったのか?

ここからは私の憶測です。

それは、コロナ禍の状況でも可能なファンサービスがあるのではないかという問題定義なのではないでしょうか。

 

コロナ禍の影響で半分のキャパシティーも埋まらないのであれば、その対策を考えるべきでしょう。

通常興行が行われていた2月の沖縄大会以降、無くなってしまったファンサービスと言えば、選手によるサイン会とファンクラブ限定の撮影会です

毎大会行われていたサイン会を楽しみに、会場に足を運んだファンも多かったことでしょう。

コロナ禍後、一切行っていないサイン会ですが、他団体では既に対策を練って行われています。

選手とファンが直接触れないよう、直接の接触を避けたりビニールシートを張ったり工夫は様々です。

 

G1クライマックスシリーズが終了した現在、選手ファーストからファンファーストに歩み寄るタイミングなのかもしれません

感染のリスクは心配ですが、選手やスタッフの生活を守る為にもできることはあるんだと思います。

 

前社長だったメイ氏の退任が10月23日、内藤哲也がファンとグータッチをしたのが翌日の24日です。

ファンサービスに尽力したメイ氏を意識したかどうかは分かりませんが、選手だってもっと会社の為にできることがあるというメッセージだったのではないでしょうか

サイン会等のファンサービスが再開できれば、フリーランスで参戦する選手も収入を生む手段が生まれはずです。

 

恐らく、所沢大会で内藤哲也が取った行動には会社へのメッセージが含まれていたんだと思います。

会社から禁止されている行動を、意味もなく軽率にするはずはないでしょう

決して褒められる行動ではありませんが、行動してでも伝えたいメッセージがあったんだと信じたいです。

 

日本のプロレス界において最大手の新日本プロレスですが、興行収入が半分でも成り立つような体力のある大企業ではありません。

興行収入が半分以上を占める企業体質である限り、ファンを会場に戻す施策が必要です。

 

今の新日本を維持するためにも、次の一手が必要な時期に来ているんだと思います。

再び選手がメッセージを発信する状況を作らないよう、会社・選手・ファンにとってWIN-WINなアイデアが生まれることを期待しています。

 

【お知らせ】

次の「Road to POWER STRUGGLE」の配信は来週の日曜になりますが、新日本プロレスワールドでは下記日程でテレプロレスリングが配信されます。

ゲストはなんと高橋ヒロムです。

お見逃しなく。

10月26日18:00テレプロレスリング CMLL ゲスト:高橋ヒロム
10月30日18:00テレプロレスリング CMLL ゲスト:高橋ヒロム