「勝たなきゃいけないレスラー」小島聡が掴んだ7年振りの大チャンス

小島聡【撮影:koba】
雑感




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・4東京ドーム大会でKENTAとのIWGP USヘビー級王座挑戦権利証争奪戦に臨む予定だったジュース・ロビンソンですが、左目眼窩底骨折のため欠場を余儀なくされました。

唯一の前哨戦となる予定だった、年内最後の後楽園ホール大会も参加できず。

 

代わりに出場となった小島聡ですが、試合前から心に決めたことがあったのでしょう。

パートナーのトーア・ヘナーレがリングでピンチな時も、場外でKENTAと激しい打撃の応戦を繰り広げていました。

試合終了後、1人リングに上がった小島。

多くのファンが見守る中、口にした言葉はUS王座権利証への挑戦表明でした。

小島聡【撮影:koba】

 

その場で快諾することはありませんでしたが、この挑戦表明をKENTAも渋々承諾。

翌24日に晴れたKENTAと小島聡のUSヘビー級王座挑戦権利証争奪戦が決定しました。

 

小島聡が東京ドーム大会でシングルマッチに臨むのは、2014年のNWA世界ヘビー級選手権試合以来です。

実に7年振りの抜擢になります

近年シングルのベルト戦線に絡めていないものの、コンディションも良くその実力は折り紙つきです。

ただし、出場機会とチャンスにはあまり恵まれていません。

 

そんな小島聡ですが、今回の挑戦表明に対し負傷欠場したジュースの為に闘うと説明しました。

 

今回の小島の挑戦表明にファンも様々な意見があるでしょう。

もしかしたら若手選手にチャンスを与えるべきだとか、今年結果を残している選手が闘うべきだとか、十人十色の意見があると思います。

チャンスなんて平等にはなく、喉から手が出るほどKENTA戦を臨むレスラーがいたかも知れません。

誰もがチャンスに飢えていると思いますが、新日本プロレスで最もチャンスに飢えているレスラーは小島聡だと思っています。

 

今年の6月コロナ禍の中、無観客試合で行われたNEW JAPAN CUP1回戦。

EVILとのメインイベントを激闘の末敗れた小島は、試合後こんなコメントを残していました。

『負けたらダメなんだ……(※上体を起こしながら)負けたらダメなんだ。リーグ戦だから負けちゃいけないとか、そうじゃなくてさぁ、俺のキャリアだったらもう、負けていくと、どんどんどんどん、忘れ去られていくだけなんだ。俺みたいな、キャリアの長いベテランレスラーは、負ければ負けるだけ、どんどんどんどん、実戦から遠のいていく。それが、今までそういう過去のベテランと言われるレスラーたちが歩んでる道だったと思うよ。(※立ち上がって)だから、だから絶対に、勝たなきゃいけなかった。どんどんどんどん、負けていくことで、需要がなくなっていく。いい試合して「次も頑張ってくれ」っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。な。若手みたいに伸びしろがあって、明日何かすげぇことやるかもしれないって、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった』

引用:新日本プロレス

 

このコメントを聞いた時、酷く切ない気持ちになったことを今でも覚えています。

『勝たなきゃいけない』理由は各レスラーそれぞれあるでしょう。

プロレスラーを続ける為にも、試合が組まれる為にも、負けられなかった“ベテランレスラー”の悲痛な叫びです。

 

いくらコンディションが良くても、まだまだ第一線で活躍できたとしても、選手層が熱い新日本プロレスにおいて、現状あまりチャンスに恵まれていません。

しかし、出場できる試合があれば常に100%全力で闘う小島聡というレスラーを、ファンは応援しています。

本人が思っている以上に、ファンは小島聡の活躍を欲しているんです。

 

だから、1つだけお願いがあります。

仲間の負傷でチャンスを得たとしても、仲間の為に闘うのではなく、自分の為に闘って欲しいと。

東京ドーム大会でKENTAと闘うのはジュースの代替えレスラーではなく、誰もが知る小島聡というプロレスラーです。

KENTAに勝利すれば、USヘビー級への挑戦権利を得るのも小島聡です。

NJC同様、今回の試合も「勝たなきゃいけない」試合なんだと思います

自分の為にも、小島聡を応援するファンの為にも闘って欲しいという願いです。

 

2021年はデビュー30周年を迎える小島聡。

他人からベテランレスラーと言われようが、まだまだ第一線で闘えるレスラーです。

今回のチャンスを生かす為にも、東京ドーム大会のシングルマッチは重要な闘いになるでしょう。

これをキッカケに来年は最前線で闘う為にも、最高の試合になることを期待しています。

唯一無二の剛腕で、もう一度大チャンスを掴んでください。