1・4東京ドーム大会でKENTAとのIWGP USヘビー級王座挑戦権利証争奪戦に臨む予定だったジュース・ロビンソンですが、左目眼窩底骨折のため欠場を余儀なくされました。
唯一の前哨戦となる予定だった、年内最後の後楽園ホール大会も参加できず。
代わりに出場となった小島聡ですが、試合前から心に決めたことがあったのでしょう。
パートナーのトーア・ヘナーレがリングでピンチな時も、場外でKENTAと激しい打撃の応戦を繰り広げていました。
試合終了後、1人リングに上がった小島。
多くのファンが見守る中、口にした言葉はUS王座権利証への挑戦表明でした。
その場で快諾することはありませんでしたが、この挑戦表明をKENTAも渋々承諾。
翌24日に晴れたKENTAと小島聡のUSヘビー級王座挑戦権利証争奪戦が決定しました。
【1月4日(月)東京ドーム大会の一部カード変更】
ジュースの欠場を受け、USヘビー級王座権利証争奪戦は、KENTAvs小島聡に決定!!https://t.co/aF5dqBgvPl#njwk15 #njpw pic.twitter.com/gGyBsDUcQh
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) December 24, 2020
小島聡が東京ドーム大会でシングルマッチに臨むのは、2014年のNWA世界ヘビー級選手権試合以来です。
実に7年振りの抜擢になります。
近年シングルのベルト戦線に絡めていないものの、コンディションも良くその実力は折り紙つきです。
ただし、出場機会とチャンスにはあまり恵まれていません。
そんな小島聡ですが、今回の挑戦表明に対し負傷欠場したジュースの為に闘うと説明しました。
私がKENTA選手に挑戦表明して、違和感を覚えた人、たくさんいると思います。
それは凄く分かってます。
これは私の為の挑戦表明ではありません。
私はあくまで、ジュースが帰ってくるまでの代わりです。
だから、ジュースの為に闘いたいし、ジュースの為に勝ちたいと思って発言しました。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) December 24, 2020
今回の小島の挑戦表明にファンも様々な意見があるでしょう。
もしかしたら若手選手にチャンスを与えるべきだとか、今年結果を残している選手が闘うべきだとか、十人十色の意見があると思います。
チャンスなんて平等にはなく、喉から手が出るほどKENTA戦を臨むレスラーがいたかも知れません。
誰もがチャンスに飢えていると思いますが、新日本プロレスで最もチャンスに飢えているレスラーは小島聡だと思っています。
今年の6月コロナ禍の中、無観客試合で行われたNEW JAPAN CUP1回戦。
EVILとのメインイベントを激闘の末敗れた小島は、試合後こんなコメントを残していました。
『負けたらダメなんだ……(※上体を起こしながら)負けたらダメなんだ。リーグ戦だから負けちゃいけないとか、そうじゃなくてさぁ、俺のキャリアだったらもう、負けていくと、どんどんどんどん、忘れ去られていくだけなんだ。俺みたいな、キャリアの長いベテランレスラーは、負ければ負けるだけ、どんどんどんどん、実戦から遠のいていく。それが、今までそういう過去のベテランと言われるレスラーたちが歩んでる道だったと思うよ。(※立ち上がって)だから、だから絶対に、勝たなきゃいけなかった。どんどんどんどん、負けていくことで、需要がなくなっていく。いい試合して「次も頑張ってくれ」っていう、そういうレスラーじゃもうないんだ。な。若手みたいに伸びしろがあって、明日何かすげぇことやるかもしれないって、そういう風に思ってもらえるような選手じゃないんだ、もう。だから、絶対に今日は勝たなきゃいけなかった』
引用:新日本プロレス
このコメントを聞いた時、酷く切ない気持ちになったことを今でも覚えています。
『勝たなきゃいけない』理由は各レスラーそれぞれあるでしょう。
プロレスラーを続ける為にも、試合が組まれる為にも、負けられなかった“ベテランレスラー”の悲痛な叫びです。
いくらコンディションが良くても、まだまだ第一線で活躍できたとしても、選手層が熱い新日本プロレスにおいて、現状あまりチャンスに恵まれていません。
しかし、出場できる試合があれば常に100%全力で闘う小島聡というレスラーを、ファンは応援しています。
本人が思っている以上に、ファンは小島聡の活躍を欲しているんです。
だから、1つだけお願いがあります。
仲間の負傷でチャンスを得たとしても、仲間の為に闘うのではなく、自分の為に闘って欲しいと。
東京ドーム大会でKENTAと闘うのはジュースの代替えレスラーではなく、誰もが知る小島聡というプロレスラーです。
KENTAに勝利すれば、USヘビー級への挑戦権利を得るのも小島聡です。
NJC同様、今回の試合も「勝たなきゃいけない」試合なんだと思います。
自分の為にも、小島聡を応援するファンの為にも闘って欲しいという願いです。
2021年はデビュー30周年を迎える小島聡。
他人からベテランレスラーと言われようが、まだまだ第一線で闘えるレスラーです。
今回のチャンスを生かす為にも、東京ドーム大会のシングルマッチは重要な闘いになるでしょう。
これをキッカケに来年は最前線で闘う為にも、最高の試合になることを期待しています。
唯一無二の剛腕で、もう一度大チャンスを掴んでください。