3・30後楽園ホーム大会で行われた、IWGP世界ヘビー級選手権前の最後の前哨戦。
挑戦者ウィル・オスプレイの目の前で直接3カウントを奪った王者飯伏幸太は、試合後のリングでこんな謎掛けをしました。
『僕はオスプレイを観たとき自分に似てるなと。それはでも、簡単な言葉ではなかった、本当に。実際。彼のこともリスペクトしてる。でも、でも、彼に足りないものは、まだたくさんありますから。その部分で、僕は見せたいと思いますよ。その部分を持っているヤツが、そこにいますけど』
引用:新日本プロレス
『その部分を持っているヤツ』と言いながら視線を送ったのは、この日ゲスト解説に来ていた鷹木信悟でした。
勿論、飯伏にあってオスプレイに足りないものはあるでしょう。
逆も然り。
しかし、オスプレイ にはなく飯伏と鷹木が持ってきるもので見せると宣言したチャンピオン。
一体、飯伏が言う足りない “もの” とはなんなのか?
飯伏と鷹木にあってオスプレイにないもの
飯伏の謎掛けに放送席の鷹木も困惑しました。
飯伏の謎の問いかけ🎤
俺が持っていて
オスプレイに足りないモノ…
…
…
ん〜、和の精神しか思い浮かばない😂#njSG pic.twitter.com/gUOXJ3vhHD
— 鷹木 信悟(SHINGO TAKAGI) (@Takagi__Shingo) March 30, 2021
解説時、咄嗟に大和魂と答えた鷹木でしたが、鷹木だけではなく飯伏も持っているものというのがオスプレイに足りないものです。
もしかしたら鷹木と飯伏が持ち合わせて、オスプレイが足りないものとは、団体最高峰のベルトを守り抜いた覚悟と経験かもしれません。
誤解のないように補足すると、オスプレイもRPWのブリティッシュヘビー級チャンピオンです。
ザック・セイバーJr.との死闘を制し遂に手にしたRPW最高峰のベルト。
必ずベルトを奪うという強い意志がないと、ブリティッシュヘビー級のベルトは奪えなかったことでしょう。
しかし、奪うことと守ることはまた違うプレッシャーや覚悟が必要なんだと思います。
今年の1・4東京ドーム大会で内藤哲也を破り初めて手にしたIWGPヘビーのベルトと二冠王者という称号。
2日連続となる二冠戦ではジェイ・ホワイトから2つのベルトを守り、翌月のビッグマッチでは王者待望論が沸騰中のSANADAを撃破。
3月の旗揚げ記念日大会では、7年の時を超え再び闘うこととなったエル・デスペラードと二冠戦を行いました。
負けたら最後のタイトルマッチマッチを勝ち抜くことは、肉体的にも精神的にも疲弊する命の削り合いだと思います。
ドラゴンゲートでトップレスラーだった鷹木も同様でしょう。
団体最高峰のベルトを最多タイの4度戴冠、防衛数も累計7回を誇ります。
大切な “もの” を守るために命を削ってきた鷹木と飯伏が持っているものとは、「ベルト=団体」を守ってきた覚悟かもしれません。
チャンピオンが背負っている覚悟
オスプレイに足りないその部分で見せたいと語った飯伏。
新日本プロレスを守る王者の覚悟が垣間見える闘いになるだろうIWGP世界ヘビー級選手権。
言葉以上に簡単に譲ることができない使命が飯伏にはあるのでしょう。
IWGPヘビーとIWGPインターコンチネンタル統一という、全ての批判を受け止めた飯伏。
統一ベルトの事で凄い大爆発中?
その程度の事で歴史は変られない進化する時は何事も荒れる
ただ1つ思うこと。会社は僕に何がやらせたい?去年のケツ拭き係?別に全然どうぞ。
何か言いたいなら直接いうか、嫌なら思いっきり意誹謗中傷でもしてストレス発散して!僕にね僕に!良い話になればいいね
— 飯伏 幸太 (@ibushi_kota) March 6, 2021
守り続けた王者にしか分からない強さを、飯伏は身に付けたんだと思います。
だから、オスプレイに足りないものが見えるのでしょう。
強さや勢いを認めた上で技術で対抗すると言った飯伏。
守り続けたから得た、勝ちきる技術を身に付けたんだと思います。
恐らく、オスプレイを倒したその先には鷹木信悟との防衛戦を見据えているのでしょう。
相手が例えどんな選手であろうと、IWGP世界ヘビー級選手権の最初の防衛戦に絶対負けるわけにはいきません。
サクラ舞う季節に新設されたベルトを巻き、次の挑戦者を使命することができるのか。
それとも意に反して誰かに襲われるのか…
思い通りにならないプロレスという中毒性に、飯伏はまたほくそ笑むのでしょう。