余論は世論を変えるのか?オーカーンの広報活動の実態を検証

グレート・オーカーン【撮影:koba】
“独り言考察”




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刊プロレスに初インタビューが掲載されたユナイテッド・エンパイアのグレート・オーカーン(以下 余様)。

4・26広島大会で内藤哲也とのスペシャルシングルマッチが決まっており、今最も注目されるレスラーの1人でしょう。

その余様が余論を語るということで、今週号の週刊プロレスを早速読んでみました。

 

“ニューノーマル”な考え方

 

本誌を読む限り、余様が今までとは全く異なる思考を持ったレスラー像ということが分かります。

元々プロレスが好きなわけではなく、好きな選手もいなかったという余様。

技への拘りも独特で、危険な技・派手に見える技を繰り出すのを拒み、着実にダメージを与える技を好んで使っているということ。

これだけ聞くと地味に聞こえるかもしれませんが、プロレスとは関係ないところからヒントを得て新技を編み出す臨機応変さは新しいレスラー像を構築しているとも言えるでしょう。

 

そして、ファンに媚びないと公言する姿勢にも関わらず、新しい手法でプロレスファンを増やす発想はインテリジェンスを感じます。

正直、筆者はプロレス界とアパレル業界(仕事柄)のことしか知識がありません。

とは言っても両方対した知識ではありませんが、ましてやアニメやVtuberのことなど全く無知です。

Vtuberとは

主に「2Dまたは3Dのアバターを使って活動しているYouTuber」のこと。 キャラクターの姿で、YouTube上で動画を投稿したりライブ配信をしたりしている人たちを指して、「バーチャルYouTuber(VTuber)」と呼んでいます。

 

正直、【大空スバル式 羊殺し】の元になった大空スバルさんのことも全く知りませんでした。

恐らく、Vtuber界隈では有名な方なのでしょう。(かなり有名な方でした)

そこで、Vtuberが非プロレスファンに与える影響について調べてみることにしました。

 

Vtuberの影響力

 

下記は余様のツイートをリツイートしたVtuberの方々です。

※(えーちゃん)さんはVtuberではないようです

 

そして、それぞれのTwitterフォロワー数と新日本プロレス公式アカウントのフォロー数を比べてみました。

大空スバル576,695
友人A(えーちゃん)417,376
角巻わため549,278
舞元啓介273,740
新日本プロレス423,155

※4月22日 23時00分現在

 

それぞれのVtuberの方が新日本プロレス公式アカウントと同等以上のフォロワー数を誇ります。

例えば新日本の直接的なツイートは既存ファンにしか届きませんが、Vtuberの方々がツイートすることによりプロレスを知らない方々にリーチすることができます。

単純計算で上記4人の方がリツイートするだけでも、約180万のアカウントにプロレス情報を伝えることができるということです。

しかも、広告費は全くかけずに

 

オーカーンの広報活動は新日本を救う希望

 

ユナイテッド・エンパイアの“広報”であることを公言した余様ですが、その広報活動は選手の枠に収まらない程の影響力を持ちます。

しかも、プロレスファンとVtuberファンは相性が良さそうです。

 

リングの上だけではなくSNSの発言もグレート・オーカーンそのままである余様と、VtuberのSNS発言はエンターテイメントの一面があり、それぞれのコンテンツにリンクしています。

Vtuberの動画を見るファンがすぐかな試合会場に足を運ぶとは思いませんが、新日本のNJPW WORLD(公式動画配信サービス)に加入する可能性はあるでしょう。

NJPW WORLDで配信される試合には実況が入り、【大空スバル式 羊殺し】を叫びその由来となったVtuberについても語ってくれます。

自分の好きなコンテンツが全く違う世界でも存在しているという事実は、ファンにとって喜びと変わるでしょう。

 

来週月曜の広島大会で対戦する内藤哲也は、会場での余様のグッズ着用者の少なさを口にしました。

しかし、余様の広報活動の影響が出るのはNJPW WORLD会員数でしょう。

昨年末、会員数11万に到達したというNJPW WORLDですが、興行で売上を期待できない分、サブスクリプションのビジネスモデルで挽回する必要があります。

余様の広報活動は新日本の動画配信サービス加入者増に繋がる可能性があり、新しいビジネスモデルを加速させる稀有な存在です。

今後も余様の広報活動が卍解すれば、新日本プロレスを救うことになるでしょう。

 

ゴールデンウィークは新日本の試合中継とVtuberの動画配信で楽しむ

 

閉鎖社会とも言えるプロレス界において、新規客層にリーチすることは非常に難しいことです。

なかなかその壁を越えることができないのが現実でした。

それを余様の広報活動は簡単に飛び越え、新規客層に確実に“プロレス”を伝えています。

 

本日、残念ながらゴールデンウィーク期間中の緊急事態宣言が決定される見通しです。

恐らく、後楽園ホール大会は無観客となり世間もSTAY HOMEで連休を過ごすしかない状況でしょう。

しかし、その間新日本プロレスはGWもビッグマッチを配信し自宅でもプロレスを楽しむことができます。

そして、各Vtuberの方々の配信もあるでしょう。

折角の機会なので、不要な外出を控えるべきこの期間にどちらも視聴してみようと思います。

それぞれのファンがそれぞれの魅力を理解すれば、ゴールデンウィークも楽しく過ごすことができるでしょう。

 

※余様の初インタビューが掲載されている週刊プロレスはこちら