コロナ禍により従来の興行+グッズ売上を主軸としたビジネスモデルから、デジタル配信に力を入れてきた新日本プロレス。
その結果、公式YouTubeチャンネル、NJPW WORLD、プレミアムポッドキャストなど、コロナ禍前に比べデジタルコンテンツはかなり充実しました。
ただ具体的な数字は公開されないので、どのコンテンツがどれだけ売上に貢献しているかは不明です。
一方で、NJPW WORLDの会員数は分かりやすい数字と言えるでしょう。
「月額料金x会員数x12ヶ月」で年間の売上額を計算することができます。(どの程度の割合が新日本に還元されるかは不明)
実は、先日情報発信ラジオ番組の「ソウミラ」に出演した棚橋社長が、今現在のWORLD加入者数を明かしていました。
【本日12時~放送!】
ラジオNIKKEI『ソウミラ~相対的未来情報発信番組』に棚橋弘至選手が出演!https://t.co/r1L3XTEa3r#ラジオNIKKEI #ソウミラ #njpw pic.twitter.com/TUXwkb4aW2— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) May 16, 2024
ーー『新しいファンを獲得していく時というのは、最近ですとYouTubeとかデジタル系の施策っていうのも重要になってくると思うんですけど。そのあたりっていうのも改革をやられてたらするんですか?』 棚橋『その2000年代の時にはホントにTwitterが出始めて、Instagramも少しあったのかなぁ。まだブログとかの時代で。やはり直接行ってプロレスラーに会うっていうのが一番の方法だったんですけども。今は所属選手の殆どがSNSのアカウント持って、新日本プロレス公式のアカウントもあるんですけども、そういったSNSの宣伝は有効に使わせてもらってますね』 ーー『あとチャンネルもあって、そこでデジタルコンテンツを配信して』 棚橋『そうですね。YouTubeもそうですし、新日本プロレスの試合がライブ中継で見られる「新日本プロレスワールド」っていうサービスがありまして、その加入者が日本海外合わせて10万人ぐらいいらっしゃいますね』 引用:「ソウミラ~相対的未来情報発信番組」 |
棚橋社長が明かした『10万人ぐらい』というWORLD会員数。
皆さんはこの数字を聞いてどう思いましたでしょうか?
2014年12月から始まった動画配信サービスですが、NJPW WORLDの会員数推移はご覧の通りになっています。
2015年1月 会員2万人 2017年5月 会員5万人 2018年1月 会員10万人 2022年1月 会員11万人 2024年5月 会員10万人 ※上記会員数は公式インタビューや国内メディアでの新日本プロレス関係者の発言が情報源 |
ちなみに2018年1月に会員数が急増したのは、クリス・ジェリコ効果と言われています。
コロナ禍や海外大物レスラー参戦により増減はあったと思いますが、結果だけ言えばここ数年会員数は増えていません。
22年からAEWテレビ中継をWORLDで配信するという切り札とも言える施策を敢行したにも関わらずです。
◢◤◢◤特報 解禁◢◤◢◤
【 #AEWDynamite 】
⚡️#AEWRampage⚡️
🇺🇸AEWのテレビ中継が#新日本プロレスワールド で
日本国内配信決定!追加料金なしで
最新エピソードを毎週配信!
日本語実況バージョンも予定<< 近日配信開始!>>#njpw #AEW #njpwworld pic.twitter.com/P8aKJgJKvN
— NJPW WORLD (@njpwworld) April 8, 2022
先程の話しに戻りますが、WORLD会員数10万人をどう思うかなの私の見解は、デジタルコンテンツによる売上拡大は『頭打ち』です。
AEWとの連携を深めても、AEWのテレビ中継を配信しても、海外も国内もこれ以上大幅に会員数は伸びないのが今の新日本の現在地なんだと思います。
コロナ禍で有観客興行の制限があった中、デジタル配信を強化できたことは財産になりましたが、デジタルコンテンツは経費がかかり利益率が少ないという難点があります。
売上が伸び続けるなら強化し続ける意味がありますが、頭打ちなら方向転換するしかないでしょう。
どこへ方向転換するかと言えば興行主軸のビジネスモデルへの回帰であり、コロナ禍で失った観客動員数を取り戻すという戦略に舵を切ったというのが私の見解です。
AEWとの連携やデジタルコンテンツの強化に尽力した大張前社長。
一方で、日本全国で開催される大会の動員数増にはどんな戦略・どんな人材が必要なのか?
観客を増やしてきた実績・知見・プロモーション力を兼ね備えた人物と言えば、棚橋弘至しかいないでしょう。
これが棚橋社長誕生の背景なのだと推測します。
『再成長出来るかさらに落ち込んで行くか分岐点』
棚橋社長就任時、または契約更新時に所属選手には今の新日本の現状が伝えられていたのではないでしょうか。
海野翔太、辻陽太、上村優也、グレート・オーカーン、内藤哲也、高橋ヒロムの発言どれを取っても、今の新日本への危機感と何かを変えなければという強い想いを感じます。
それもこれも観客動員数を増やすには自分たち次第と思っているからかもしれません。
最後に、木谷オーナーが重要な発言をしていました。
経営への影響は軽微ですの表現に失礼と感じる人がいる。私も失礼だと思い迷いながら呟いた。ただこう書かないと一部マスコミやインフルエンサーが新日やプロレス界は大丈夫かと騒ぎ出す。今の新日本プロレスは再成長出来るかさらに落ち込んで行くか分岐点、不快に思った方申し訳無かったです。 https://t.co/jPpb8VutB7
— 木谷高明 (@kidanit) May 23, 2024
これはレックのスポンサー撤退に対するX(旧Twitter)へのポストです。
木谷オーナーのこのポストの主旨は、新日やプロレス界は大丈夫かと騒ぎ出す『一部マスコミやインフルエンサー』への警告かもしれません。
一方で、『今の新日本プロレスは再成長出来るかさらに落ち込んで行くか分岐点』という発言の方が注視すべきことでしょう。
今の新日本は落ち込んでいる状態であり、これからさらに落ち込むか再成長できるかは、棚橋社長の手腕にかかっています。
ただやるべきことはシンプルです。
各大会の動員を増やすこと。
ある意味、レスラー棚橋弘至の得意分野です。
年間150大会開催されているとすれば、各大会100人増えると年間1万5千人増えることになります。
今がさらに落ち込むか再成長するかの分岐点なら、私たちができる応援の手段は新日本の大会に足を運ぶことです。
新日本プロレス公式Xアカウントのフォロワーは49万アカウント。
「49万アカウント=49万人」ではありませんが、新日ファンの年間観戦数に「1」が足されれば、落ち込んでいると表現された新日本プロレスを再成長させることができるかもしれません。
※誤字脱字は後ほど修正します