今夏のG1クライマックスで最も意見や苦情が多かったのは、両国国技館の升席問題かもしれません。
これまでも両国で大会が行われる時は、SNSで升席に関するファンの意見は度々目にしてきましたが、改めて大張社長が言及したのは初めてではないでしょうか。
両国を満員に出来なかった反省を、とのご助言を多数頂いています。そして、升席は二人までにすべき!というご意見も多数。もっと選手を大事にすべき、とも。
升席2名での満員は7500人。
先人が未経験の道、更によく考えて進みます。
— 大張高己/Takami Ohbari (@TAKAMIOHBARI) August 15, 2023
コロナ禍の影響で升席を2人掛けにせざる得なかった新日本の両国国技館興業。
2人掛けの快適さから、4人掛けの窮屈さに戻るのは至難の業とも言えるでしょう。
さらに両国国技館はプロレス興業で使用する際は、座布団が撤去されます。
あの硬い床にクッション無しの状態で約3時間観戦することは拷問に近く、ひたすら肉体的苦痛に耐えることになります。
タイチのYouTubeチャンネル生配信にサプライズ出演した大張社長は、今回の升席問題に言及。
大張社長はこれまで20回くらい升席で観戦した会見があるとのことですが、配信中に解決策に辿り着くまでは至りませんでした。
大張『私もずっと枡席4人で観てきたんで。ただ、あの頃とこの頃は違って、我々が経験した3年間、ソーシャルディスタンスって声が聞こえたけど。ちょっと前までこれでも近かったですよね。マスクなしなんて考えられなかった名残りは多分いっぱいある。 (中略) 今回初めてボックス席を販売して、早々に売れ切れたんですけど、その考え方って近くて。その升に。ワンボックスいくらで何人掛けできます。で、人数分チケット発券する。あのやり方はヒントかなぁと思います』 引用:聖帝タイチのゲーム実況チャンネル |
座布団がないのはクッション持参で解決できるとして、升という限られた空間に大の大人4人が座り続けるのは現実的かどうか。
昔はクレームがなかったからで片付けられる問題でさないでしょう。
大張社長が問題提起した一方で、新日本プロレスのエース棚橋弘至もこの升席問題に持論を述べました。
先日の公開された「棚橋弘至のPodcastOff!」で、棚橋弘至は分かりやすい例えを出し、今の時代にそぐわない理由を語り、一方で興業会社としては多くのファンに来て欲しいとレスラーとしての希望を述べています。
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棚橋『最初にこれ触れとこうかな。両国の“ござしき”問題』 真下『いわゆる升席というか』 棚橋『升席、升席!升席問題。椅子ではなくて胡座とかしていただくんですけども、これは2人掛けか4人掛けかっていうところなんですけども』 真下『今回は準決勝の初日はひと升席2掛け。2日目は全て4人掛け』 棚橋『やっぱり日本の国技である相撲を観戦することで、来場するお客さんも年配の方が多いんですかね。そう言った意味では胡座とか正座に慣れてる方とかね』 真下『いわゆる昭和のスタイルというか、それを引き継いでる感じですよね』 棚橋『今はもうトイレにもわかるように、和式があんまりないと。洋式になれてる日本の生活様式が。完全に分かりやすい例えでしょ。正座とか胡座とか、あんまり日常にない状態で急に2時間、3時間というのはキツいと思うんですよね』 真下『身体の大きさも変わってきているし』 棚橋『僕くらいの大きさの方が前に座られたらあまり見えないとなると、そこはファンの方の譲り合い。席は決まってるとうのはあるかとは思いますけど、女性2人組だったら前にどうぞと。僕と僕の弟、181センチと189センチは後ろに行くと。ていう心遣いはあってもいいのかなぁ』 (中略) 棚橋『僕たちも興業会社なので、一人でも多くの方に来ていただきたいけども、ファンの方にはより良い状況で観戦していただきたいというバランスですよね』 真下『そこはおそらく議題に挙がってると思いますので、ちょっと今後ね、見ていただきたいと』 引用:棚橋弘至のPodcastOff! |
時代背景を例にファンに寄り添う発言をしながら、興業会社である以上、一人でも多くのファンに見て欲しいと願った棚橋弘至。
トイレの例えにもあるよう、生活様式が変わり殆ど地べたに座ることがなくなった現代人において、狭い升席という空間に4人で座り続けるのは時代に合わないかもしれません。
一方で升席を2人掛けにするということは、1万人入る両国が7500人までしか動員できなくなることになり、満席なら約2500人のチケット収入がなくなることを意味します。
これは新日本にとって死活問題と言えるでしょう。
升席に4人で座ることは時代に合きません。
かといっててプロレスの聖地でもある両国国技館での興業は継続する必要があると思います。
一方で2500人分のチケット収入を補填する必要もありますが、両国大会だけで解決するのは無理があります。
いっそのこと都内に3000〜5000人収容できるプロレス専用会場を作るしかないと思いますが、誰が資金を出せるか、継続して施設を利用できるかが問題でしょう。
個人的には後楽園ホール、両国国技館、日本武道館に継ぐプロレスの聖地が生まれることを期待しています。
なお、次の新日本の両国国技館大会はひと升席2人掛けでの開催です。
大事なことを言い忘れました。10.9(月・祝)の両国は『升席2人掛け』です。https://t.co/W4zsKmSIIv https://t.co/LI91hgohy8 pic.twitter.com/3L6KHgKOJX
— 大張高己/Takami Ohbari (@TAKAMIOHBARI) August 17, 2023