プロレスを追っている3年間は非常に濃密な時間であると同時に、たった3年前のことでも遥かに昔に感じることがあるでしょう。
流れが早いプロレスにおける3年前なら、尚更だと思います。
『YOSHI-HASHI、3年前を忘れてねぇよな?』
引用:新日本プロレス
これは、9・5後楽園ホール大会で石井智宏が語った言葉です。
G.o.DとのスペシャルタッグマッチがIWGPタッグ選手権に変わり、自分がやるべき事を悟ったのかもしれません。
石井が忘れられないと言う3年前の出来事を、YOSHI-HASHIも当然のように覚えていました。
『もちろん!大阪府立、俺たち、石井さんと挑戦して、あの時負けてっから、今回は必ず、石井さんとベルト、キッチリ獲ってやる』
引用:新日本プロレス
【9.4後楽園大会・第5試合】
6人タッグマッチ!試合後、怒りの石井とYOSHI-HASHIがG.o.Dをノックアウト!
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— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) September 4, 2019
そもそも、3年前に何があったのか?
3年前の「DESTRUCTIONシリーズ」で、タッグマッチが組まれていたCHAOSとバッレットクラブ。
10・10両国国技館大会でブリスコブラザーズのIWGPタッグのベルトを奪取したG.o.Dに、1人喧嘩を仕掛けたのは石井智宏でした。
結果、11・5大阪大会(大阪府立)でIWGPタッグ選手権が決定。
この時、G.o.Dのベルトに挑戦したのが、石井とYOSHI-HASHIのペアでした。
YOSHI-HASHIにとって初めてのIWGPタッグへの挑戦でしたが、惜しくも敗戦。
その後、石井が矢野通とタッグのベルトを戴冠したことにより、石井のパートナーは矢野に定着しているイメージが強いでしょう。
話しを今に戻します。
そもそも石井とG.o.Dのタッグマッチが組まれたのは、8・31ロンドン大会でのKENTAとのタイトルマッチに介入されたからでしょう。
介入行為に対してここまで熱くなる石井は、少し珍しいようにも感じます。
G.o.Dの過去のタイトルマッチにも言及しました。
『タマロア、アイツら、次が6回目らしいな、防衛戦。5回も防衛してんのか。だけどよぉ、印象に残ってる試合あるか?
ねぇだろ。「あの試合、すごかったな!」って試合あるか? ねぇだろ。「あの2人やっぱすごかったな」って思う試合あったか? ねぇよなぁ。
何でかわかるか?
試合のクォリティが低いんだよ。でも結果は出てる。
だからアイツらは勘違いしてんだよ。その勘違いを、別府で証明してやるよ』
引用:新日本プロレス
石井が今回のこの一戦にかける想いには、並々ならぬ熱を感じます。
ここまで熱くなるのには様々な理由があるのでしょう。
石井にとっての試合はタイトルマッチだろうが第1試合だろうが、闘う姿勢は変わらないはずです。
常に「結果」「内容」「インパクト」を残すという信念。
もしかしたら一番熱くなる理由は…
ロンドン大会でのKENTA戦で不甲斐ない試合をしたと思っているから
BULLET CLUB加入のKENTAが、早くも王座戴冠!
石井を撃破して、NEVER無差別級ベルト奪取!!試合後は「次は飯伏、おまえだよ?」
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恐らくこのNEVER無差別級選手権は、KENTAが新日本のリングに上がってからもっとも批判の多かった試合だったでしょう。
決して石井が不甲斐ない試合をしたとは、誰もが思っていないはずです。
それでも石井というレスラーは、納得することはないでしょう。
試合中にアクシデントがあったと考えられる試合であり、石井が被害者になってしまったと言うファンの声すらありました。
例え石井に非が無かったとしても、「結果」「内容」「インパクト」のすべてを残せなかった事には変わりないと考えているのかもしれません。
前の試合がダメだったのなら、次の試合で結果を出す。
汚名返上と自分への怒りをタイトルマッチにぶつけることでしょう。
私の記憶が定かであれば、YOSHI-HASHIが勝てば初のベルト戴冠となります。
3年前は奪えなかったベルトを、3年越しでリベンジのチャンスを得ることができました。
転んでは立ち上がって歩んだ、YOSHI-HASHIのプロレス人生。
再び巡ってきたチャンスに、今回は石井という頼もしいパートナーがいます。
タッグのスペシャリストであるG.o.Dからベルト奪還となれば、YOSHI-HASHIの「自信」も取り戻せるのかもしれません。
SANADA&EVILともG.o.Dとも違う、2人だからできるタッグチームの魅力を見せてくれることでしょう。
そして、物事を一瞬で変える準備は整っているはずです。