5分以上ただひたすら殴り合い、決して逃げず倒れず、相手の心が折れるまで闘い続けた20分強。
殴られても笑い続けた鈴木みのるが化け物なら、全て受け切った永田裕志も鬼のような気迫を見せ闘い抜きました。
NEW JAPAN CUP(以下NJC)公式戦2日目のベストバウトと、誰もが認める試合だったのではないでしょうか。
鈴木に激勝の永田は、9年ぶりの『NEW JAPAN CUP』制覇を宣言!
「負けられない戦いだったですよ。年に数少ない俺の身体に大きな刺激、シッカリ吸収して勝ち上がった。やったぜベイビー。俺はまだまだ退いてない!」
※コメント全文は
⇒https://t.co/mWedQ7OtZj#NJPWスマホサイト #njcup pic.twitter.com/ONA8Pzq2Dv— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) June 17, 2020
2013年1月4日以来となった鈴木みのるとのシングルマッチでしたが、実は約7年前に勝利したのも永田の方でした。
一方、近年大舞台で試合が組まれていたのは鈴木みのるの方でしょう。
昨年の8月末にはロンドン初となるビッグマッチで、IWGPヘビー級選手権に挑戦しています。
一昨年はIWGPインターコンチネンタルのベルトを奪取し、3度もタイトルマッチを行ないました。
同じ年の鈴木みのるの活躍に、内心穏やかではなかったんだと思います。
昨年得たNJC開幕戦のメインイベントのチャンスも、石井智宏との激闘の末敗れてしまいました。
誰もが賛辞を贈る内容でしたが、試合後石井が放った言葉はぐうの音も出ない正論だったのかもしれません。
『50代でIWGPチャンピオン? ふざけんな! 笑かすな! そのためになんかやったのか、あいつは? なんもやってねえだろう。なんか行動したか? 何もしてねえだろう。なんかアピールしたか?
おい、現状に満足してねえんなら、なんで打って出ねえんだよ。チャンスなんかよ、待ってたって来るわけねえだろう。そんな野郎には負けねえつってんだ。俺はよ、あいつみてえによ、自ら『G1』辞退したり、後輩に道を譲ったりしねえからな。そうなったら終わりだ。気持ちが負けてんだ。口でどうのこうの言ったって、気持ちで負けてんだよ。そんな野郎には負けない。でも永田、てめえ50だろ? 50だよな? まだ遅くねえ。もう一回気持ち入れかえて俺んところに来いよ。もう一回胸貸してやる。永田に言っとけよ。43のグリーンボーイからのメッセージって』
引用:新日本プロレス
この石井のバックステージコメントを、永田が聞いていたかどうかは分かりません。
しかし、この石井のメッセージが届いていたなら、さぞかし悔しい思いをして過ごしてきたんだと思います。
実力主義のプロの世界、チャンスなんて平等にないことなど当然知っているでしょう。
他の選手より試合数が少なかろうが、アピールは続けていたんだと思います。
プライドと葛藤してきた日々で、ようやくチャンスが訪れた鈴木みのる戦。
『気持ちが負けてんだ』と言われたあの日から、実に467日振りに雪辱を果たしたんだと思います。
この勝利は大金星ではありません。
過去2度NJCを制し、IWGPヘビーを含め様々なタイトルを手にしてきたレスラーです。
次の相手は生涯で2度目のシングルマッチとなるオカダカズチカ戦。
2015年のG1クライマックスで闘った時は、リーグ戦首位を独走するオカダに対し、既にリーグ戦突破の道が断たれた永田というシチュエーションでした。
前回は惜敗しましたが、今回は全く状況が違います。
オカダに勝利すれば、9年振りの優勝も見えてくるでしょう。
今宵NJC公式戦初戦は激闘の末、勝利することが出来ました。
沢山の応援ありがとうございました😊。
しかし、勝利の代償は痛かったな(笑)。
次はアイツ。
私の底力を全世界に披露致しましょう。#永田裕志 #njpw #NJC pic.twitter.com/u24n7M05sm— 永田裕志 (@nagata769) June 17, 2020
9年前と言えば、誰もが忘れもしない東日本大震災が起きた年です。
日本中が天災により苦しんでいた時に、NJC優勝を果たし日本中のプロレスファンに勇気と元気を与えてくれました。
2020年の今年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中の人達が苦しんでいます。
この逆境を跳ね返せし世界中のプロレスファンに勇気と元気を与えられるのは、永田裕志というプロレスラーしかいないでしょう。
ミスターIWGPと呼ばれた男の底力、全世界に届けてくれると思います。