たった1票差の無念。もし潮崎豪がプロレス大賞を受賞していたなら…

潮崎豪【撮影:koba】
プロレスリング・ノア




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12月15日早朝に情報解禁となった東京スポーツ制定「プロレス大賞」。

当ブログでも速報した通り、MVPとベストバウト賞を受賞したのは新日本プロレスの内藤哲也でした。

 

この発表に肩を落としたのは多くのNOAHファンでしょう。

私自身、今年1年新日本プロレスとプロレスリング・ノアを追いかけてきた身としては予想外の結果でした。

NOAHの潮崎豪がMVPもしくはベストバウト賞を獲得するかと思ったのですが…

 

それでも内藤のW受賞に異論がある訳ではありません。

新日本プロレス史上、初めてとなる二冠を達成しその闘いは東京ドーム3万人のファンを熱狂させました。

2日間累計で7万人集めたダブドーム大会を成功させた立役者でもあります。

あのダブルドームの成功がなければ、新日本がパンデミックの危機を乗り越えられていたかどうかは分かりません。

 

しかし、1年間通してNOAHファン並びにプロレスファンの注目を集めたのも潮崎豪だったと思います。

1・4後楽園ホール大会で清宮海斗からGHCヘビーのベルトを奪還後は獅子奮迅の活躍。

今年1月にサイバーエージェントグループ入りしたことにより、主要な大会をABEMAで無料配信も開始。

特に印象に残った試合は、「プロレス大賞」にもノミネートされた藤田和之との無観客GHCヘビー級選手権でした。

30分以上に渡り動かず睨み合い続けたタイトルマッチは、無観客で生まれた前代未聞の産物だったと思います。

コロナ禍でプロレスができない・見れない状況において、あの問題作が生まれた奇跡こそMVPと言えるでしょう。

 

実は今回の「プロレス大賞」ベストバウト賞の初回投票は、「内藤哲也の二冠戦」と「潮崎 vs 藤田のGHC戦」が6票づつのイーブンでした

決戦投票でも9対8の1票差だったということです。

つまり、どちらかの試合に賞を与えるため決戦投票をしたのであり、潮崎の試合もベストバウト賞に選ばれていたと言えるでしょう

1人の選定者が意思を変えていたら、潮崎の試合がベストバウト賞を受賞していました。

 

結果的に1票差でベストバウト賞を逃しましたが、今年1年間の潮崎豪のGHC戦を合わせれば、総合的にベストバウト賞受賞に値する活躍でした。

いっそのこと「内藤哲也 vs オカダカズチカ 」と「潮崎豪 vs 藤田和之」の両試合ともベルトバウト賞をあげても良かったんじゃないかと思っています。

 

もし、潮崎豪がプロレス大賞MVPを受賞していたら…

 

今年のMVP受賞が内藤哲也ではなく潮崎豪だったのなら、新日本プロレスの連続受賞は9年で止まることになります。

他団体の選手がMVPを受賞したことと同時に、新日本の連続受賞を逃したということで例年以上に話題になるでしょう。

そして、その流れを止めた潮崎とNOAHに注目が集まっていたんだと思います。

 

もし、潮崎がMVPを受賞していたら来年11年振りに開催される日本武道館大会の動員も違ってきていたでしょう

プロレス大賞がプロレスファンの観戦目的に影響するならば、プロレス大賞で動員を大幅アップさせる力もあるんだと思います

過去には年間7回も興行を開催したこともあるという日本武道館は、“方舟の聖地” と言われていたそうです。

もしプロレス大賞の “後押し” があったなら、元NOAHファンと新規NOAHファンが方舟の聖地に足を運ぶ為の架け橋になっていたことでしょう

業界を先導した結果に賞を与えてきたプロレス大賞ですが、未来への後押しの為に賞を与えるという方向転換も“アリ”なんじゃないかと思うこのごろです。

日本武道館【撮影:koba】

 

とは言え、これ以上の“たられば”を続けるのは不毛でしょう。

プロレス大賞に選ばれることは名誉なことですが、プロレス大賞に選ばれる為だけに選手達は闘っている訳ではありません。

もっと激しい試合、もっと危ない試合が必要な訳ではなく、NOAH全体で多くのファンに「美学のある闘い」を届ける必要があるんだと思います

 

恐らく、それぞれのプロレスファンがMYプロレス大賞を選んでいるでしょう。

当ブログでも『プロレスAWARD2020』と題し、独断と偏見で各賞を選んでみました。

 

〜プロレスリング・ノア編〜

 

今年1月、親会社がリデットエンターテインメントからサイバーエージェントに代わり、7月にはNOAHとDDTが経営統合することで「株式会社CyberFight」となったNOAH。

ABEMAで無料配信も行い、多くのプロレスファンがその熱い闘いを目にしたことでしょう。

NOAHが身近な存在になったことが、ファンにとって何よりのプレゼントです。

では早速各賞の受賞選手を発表したいと思います。

 

最優秀選手賞 MVP

潮崎豪【撮影:koba】

 

潮崎豪が文句なしのMVPです。

説明も不要でしょう。

今年のNOAHの中心は潮崎でした。

 

殊勲賞

中嶋勝彦【撮影:koba】

 

2020年は中嶋勝彦のプロレスに魅力されたファンも多かったことでしょう。

2・26後楽園ホール大会で行われた鈴木秀樹戦を見たファンは、この時点で中嶋がベストバウト賞を受賞するのではないかと予想したファンも多かったんだと思います。

そして、盟友だった潮崎を裏切りN-1ヴィクトリーを優勝。

NOAHの裏MVPは、“ダークヒーロー”中嶋勝彦だった思っています。

そして、既に来年の中嶋がどう動くのかも気になって仕方ありません。

 

敢闘賞

征矢学【撮影:koba】

 

百戦錬磨の猛者が多いNOAHヘビー戦線において、征矢学の加入は新しいエッセンスとなりました。

今年タイトルを獲得することはありませんでしたが、杉浦貴とのシングルマッチ、中嶋勝彦とのGHCナショナル選手権はどちらも征矢の魅力が溢れる試合だったと思います。

来年こそはNOAHのベルト初戴冠に期待しています。

 

技能賞

鈴木鼓太郎【撮影:koba】

 

なんだかんだ言って今年のNOAHジュニアの中心は鈴木鼓太郎だったと言えるでしょう。

GHCジュニアヘビー級のベルトも防衛し続けていましたし、何よりプロレスセンスが良く技ひとつひとつが巧みの極みでした。

実力者が多いNOAHジュニアにおいて、今年5回ベルトを防衛した実績は伊達ではありません。

 

功労賞

潮崎豪【撮影:koba】

 

MVPとダブル受賞はとなった潮崎は、誰よりも身体を酷使して闘ったレスラーでしょう。

肩のテーピングは痛々しいばかりですが、休息を取る時間も作って欲しいと祈るばかりです。

 

特別賞

覇王【撮影:koba】

 

今年一番成長したと思う覇王には、特別賞を選定しました。

プロレス人生をリスタートするため、金剛の一員として茨の道を選んだ覇王。

NOAH加入当初はミスも目立ちましたが、鈴木鼓太郎と闘ったGHCジュニアヘビー級選手権では、王者をあと一歩のところまで追い詰める試合内容でした。

恐らく、多くのファンが覇王の成長を実感していることでしょう。

 

ベストバウト賞

 

この賞の選定が一番迷いました。

今年行われたGHCヘビー級選手権はどれもベストバウトです。

その中で1つ選ぶとしたら、11・22横浜武道館大会の中嶋戦も捨て難かったですが、個人的には無観客で行われた藤田和之戦をベストバウト賞に選定しました。

ある意味問題作であり、プロレス史の歴史に残すべき試合だとも思っています。

 

さらに、期間限定でこの試合が無料で見れるとのこと。

まだ未視聴の方は、是非レッスルユニバースにアクセスしてみてください。

 

以上でトペブロ選定『プロレスAWARD2020』の各賞発表になります。

世界的なパンデミックにより不安しかなかった1年でしたが、動きを止めないNOAHに救われた1年でもありました。

来年もNOAH全選手の活躍を楽しみにしております。

そして、11年振りの聖地帰還が大成功に終わることを祈っています。