セミファイナルで王座決定戦3WAYマッチを制し、IWGPジュニアヘビー級王者となったエル・デスペラード。
メインイベントで内藤哲也との死闘を制し、インターコンチネンタルのベルトを守った飯伏幸太。
まさか7年の時を経て、この2人が再びシングルマッチを行うことになるとは…
まだ本決定ではありませんが、3・4旗揚げ記念日大会のメインは飯伏幸太とエル・デスペラードのスペシャルシングルマッチが行われるでしょう。
高橋ヒロムの負傷欠場がなければ、後楽園ホール大会でジュニアタッグ選手権に出場することも、大阪城ホール大会2連戦に出場することもなかったデスペラード。
そんなデスペラードがジュニアのシングルのベルトを初めて巻き現二冠王者の飯伏の前に現れるとは、運命の悪戯とは面白いものです。
エル・デスペラードの始まりの歴史
私が知っている限り、デスペラードの初登場は2014年の1・4東京ドーム。
この日、IWGPジュニアヘビー級王座に挑戦し新王者に輝いた飯伏の元に現れたのは、黒いスーツ姿に白いマスクの謎のマスクマンでした。
黒いギターケースから漆黒の花束を取り出すと、新王者となった飯伏に渡す足早に立ち去ります。
この時、実況席から発表になった名前が【エル・デスペラード】です。
翌日のNEW YEAR DASHでデビュー戦を果たすと、この日も無言で立ち去ります。
ちなみにデスペラードのデビュー戦で3カウントを奪われたのが、当時本隊に所属していたマスクマンのBUSHIでした。
ファンタスティカシリーズにも参戦し、翌シリーズ「THE NEW BEGINNING in OSAKA」での飯伏とタイトルマッチが決定。
これが飯伏とデスペラードの最初で最後のIWGPジュニアヘビー級選手権となりました。
NJPW WORLDにもアーカイブも残っているので、気になる方は是非見てください。
【IWGPジュニアヘビー級選手権試合 飯伏幸太 VS エル・デスペラード】
飯伏幸太は元パートナー
タイトルマッチ後、2人はリング上で言葉を交わすと、ガッチリ握手を交わし勝者の飯伏を称えます。
そして、バックステージに現れたニック・ジャクソンからの挑戦表明を受けると、飯伏はデスペラードと組んでヤングバックスが待つジュニアタッグ選手権に挑戦表明をしました。
つまり、飯伏にとってデスペラードはタッグを組んでジュニアタッグのベルトに挑戦した元パートナーということです。
『今日は、リングでデスペラードと少し話したんですけど、「ぜひ、組もう!」と。自分は、タッグのほうもいつでもいいんで、ハイ。ま、こっちが挑戦するほうですけど。タッグもべつに、やる資格あると思うんで。いつでもやらせてもらいます』
引用:新日本プロレス
4月6日の両国国技館で行われたタイトルマッチのアーカイブはこちらになります。
【IWGPジュニアタッグ選手権試合 エル・デスペラード&飯伏幸太 VS ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン】
飯伏とのタッグはこの1試合のみで解散。
そしてこの試合の3ヶ月後にデスペラードは鈴木軍の一員になります。
その年の10月に再びジュニアのタイトルに挑戦するも敗北(相手は田口隆祐)。
翌年1月に鈴木軍総出でプロレスリング・ノアのリングに乱入すると、そのままノアに継続参戦することになります。
紆余曲折あった2人
2014年は2人にとって激動の1年でした。
飯伏は東京ドーム大会でジュニアの至宝を奪取し、旗揚げ記念日大会では登場ヘビー級王者だったオカダカズチカにジュニア王者として挑んでいます。
順風満帆だったシーズンでしたが7月のIWGPジュニア選手権でKUSHIDAに敗れると、この試合で脳震盪を起こし予定していたG1クライマックス出場も断念することになります。
2人にとって濃密だった2014年。
7年振りに対決することになった両者は、武道館のリングで懐かしい記憶を呼び戻していたのでしょう。
動く予定のなかった2人の時計が、再び動き始めました。
デスペラードが掴んだチャンス
シリーズの予定を消化していたデスペラードが、ヒロムの欠場によりジュニアタッグ王者に挑戦表明。
あれから僅か1週間の間にジュニア二冠王者となって、ヘビー級二冠王者の飯伏幸太と、旗揚げ記念日が行われる日本武道館で試合をすることになりました。
紆余曲折あった2人が、まさか旗揚げ記念日大会のメインで再び闘うことになろうとは…
年に1回生まれるヘビー級王者とのスペシャルシングル。
多くのジュニア戦士がデスペラードの挑戦に嫉妬していることでしょう。
そして、二冠王者の飯伏と闘ったデスペラードに、どんな野望が生まれるのか?
益々、新日本プロレスから目が離せません。