新日本プロレスの飯伏幸太に“今”伝えたいこと

飯伏幸太【撮影:koba】
雑感




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から大歓声が消えて2年以上が経ちました。

今まで当たり前だったモノがなくなり、後押しなく闘えなくなったことにストレスを感じているのは、リングの上で闘い続ける選手達でしょう。

全力を出し切るには声援というのは必要不可欠な要素であり、傍若無人な行為にもブーイングがなければ観客の反応が分かりません。

 

一方でコロナ禍で大打撃を受けたのは、多くのレスラーを抱えるプロレス団体です。

世界的なパンデミックが始まってから2年以上経つというのに、会場がフルハウスになることは滅多にありません。

興行の動員の売上はデジタルコンテンツ強化で多少補えたかもしれませんが、新日本プロレスのように多くのレスラーを抱える団体にとっては、厳しい2年間だったと思います。

未だにいつ終息するか予想は立たず、苦しい闘いは続くことでしょう。

 

今まで体験したことのない未曾有増の危機の中、プロレスラーもプロレス団体も苦しい時間を耐え抜いていますが、最も我慢を強いられているのは私達ファンかもしれません。

立ち上がろうとする選手を声援で応援することができず、素晴らしい闘いにも歓喜することもできず、拍手しかできない状態で観戦するしかありませんでした。

ダーティーファイトにブーイングすることすらできない状態では、ストレスは溜まる一方でしょう。

リングで闘う選手達に大声援を送りたいが為の現地観戦なのに、ただ黙って観ていることしかできない歯痒い時間を過ごしてきました。

勿論、歓声を上げられなくてもプロレス観戦は楽しいものですが、やはり大歓声の中で一緒に選手を応援したいというのが本音です。

いつになったら大声援やブーイングができる日が来るのか分かりませんが、どんな状況でも闘う選手を応援することができるのが私達プロレスファンなのかもしれません。

 

人生で最も大歓声を味わった瞬間

 

大声援と言えば、今まで様々な会場で生の歓声を体験してきました。

“聖地”後楽園ホールは勿論のこと、地方の体育館、両国国技館、明治神宮球場、日本武道館、東京ドームなど、人に誇れるほど多くは有ませんが、やっぱり会場での大声援を味わえることはプロレス観戦の醍醐味です。

配信で聞く声援と、現地で聞く声援の音量は全く別物であり、あの一体感は現地観戦でしか味わえないでしょう。

 

過去を振り返って、最も大歓声を聞いた瞬間は『いつ・どこで』で聞かれたら、私は2019年2月11日のエディオンアリーナ大阪と答えます。

スウィッチブレード・ショックと言われたジェイ・ホワイトのIWGPヘビー級初戴冠の大会と言えば分かりやすいと思いますが、過去最高の大歓声を体感できたのは、このIWGPヘビー級選手権ではありません。

その年の東京ドーム大会でウィル・オスプレイと対戦し、脳震盪を起こし欠場となった飯伏幸太が、第4試合の後にサプライズ登場した瞬間です。

 

2019年の初頭は多くのレスラーが新日本を離れたタイミングでした。

特にケニー・オメガの離脱は多くのファンが悲しみ、SNSでは飯伏も新日本を離れるのではないかと噂があったことを覚えています。

多くのファンが不安を抱える中、サプライズで登場した飯伏は、エディオンアリーナに集まった5570人の前で、待望の言葉を発しました。

『今日はみんなに話したいことがあってここに来ました。首のこと頭のこといろいろとご心配をおかけしました。すいません。でも、こうやってまたみんなの前で話すことができて本当に嬉しいです。

僕は………新日本プロレスに残ります!

そして来月、「NEW JAPAN CUP」で復帰します。
僕はどこにも行きません。ここで、新日本プロレスで全力を尽くしていきたいと思います。これからも応援よろしくお願いします!』

引用:新日本プロレス

 

サプライズで登場した瞬間も大歓声でしたが、『新日本プロレスに残ります!』と言った後の安堵の声と歓喜の叫びといったら…

私が体感した中でも一番の大歓声であり、多くのファンが飯伏の選択に感謝した瞬間でもありました。

やっぱり飯伏幸太というレスラーは多くのファンに愛され、新日本プロレスに絶対必要な選手なんだと思います。

 

過去も現在も飯伏幸太というレスラーにとって怪我は付きものでしたが、それだけ常に全力で闘っている証拠とも言えます。

昨年のG1クライマックスの優勝決定戦で負傷し欠場して以来、未だリングに復帰を果たせてません。

SNSでは元気な様子も伺えるので、恐らく復帰も遠くないのでしょう。

自由奔放な言動に振り回される時もありますが、今は復帰を信じて待ちたいと思います。

 

まだ大歓声の中の復帰は叶いませんが、必ず飯伏幸太というレスラーは会場に姿を現し、約束してくれるでしょう。

逃げない、負けない、諦めない、そして裏切らないと。