内藤哲也はなぜ新日本プロレス再始動のタイミングで新技を披露したのか

NEW JAPAN CUP




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10日振りの再始動となった無観客試合のメインイベントは、現在二冠を保持しNEW JAPAN CUP(以下NJC)に出場しない内藤哲也率いるロスインゴと、NJC優勝候補筆頭のオカダカズチカ率いるCHAOSと6人タッグマッチ。

新日本プロレスから発表されたNJC優勝予想アンケートでは、奇しくもこの試合に出場した2人がアンケート上位を占めるという結果になりました。

1位オカダカ・ズチカ2823票
2位高橋ヒロム2681票
3位SANADA2329票
4位飯伏幸太1050票
5位棚橋弘至915票
6位EVIL848票

 

10位までの投票結果まで出ているので、詳細は下記新日本プロレス公式サイトをご覧ください。

 

この結果を内藤が事前に聞いていたかどうかは分かりませんが、7・12大阪城ホール大会で闘うかもしれない相手として意識していたかもしれません。

そんな内藤がメインイベント終盤で繰り出した、見たことのない大技。

 

後方から飛び付いてのDDTのような技に、多くのファンが驚いたことでしょう。

恐らく、次にこの技を繰り出すのはNJC優勝者との二冠戦なんだと思います。

 

それにしても1つ疑問が残ります。

なぜ、内藤哲也は二冠戦まで新技を温存しなかったのか?

 

優先順位が二冠防衛することなら、初披露が二冠戦の方が対戦相手に与えるダメージも大きいことでしょう。

二冠王者である内藤は、無条件で7・12大阪城ホール大会でのダブルタイトルマッチに出場できます。

もし、二冠戦で新技を初披露していたなら、運良く大阪城ホールのチケットが当たったファンも危なく歓声を上げてしまうことでしょう。

 

敢えてこのタイミングで新技を披露したのは、いくつか理由があるんだと思います。

真っ先に思い浮かぶのは、二冠戦の相手として闘いたい高橋ヒロムへの挑発です

ヒロムもNJC前に対ヘビー級の新技を用意していると豪語していました。

 

あるいは自分のことをライバルと言ってくれない、オカダに対しての挑発かもしれません。

二冠戦で闘いたい理想の相手はロスインゴのメンバーかもしれませんが、NJC優勝最有力選手と言われればオカダの名前が挙げていたでしょう

実現すれば1・5東京ドーム以来となる対戦ですが、二冠王者として無冠のオカダに余裕を見せたかった可能性もあると思います。

 

恐らく、色んな思案がありあのタイミングで新技を見せたのでしょう。

それでも最も可能性が高そうな理由は、NJCに出場する全選手に対するメッセージなのではないでしょうか

内藤哲也は再開当日である6月15日の直前インタビューで、こんなコメントを残していました。

『この3ヶ月半、一体何をしてたか。何を考え、再開した時どうしようか。常にプロレスの事を考えていたと思うんですけど、どれだけプロレスに費やしたか?

これが再開後、結果でありリング上の姿に絶対現れてくると思うので。一体どの選手がどれだけの変化を見せるのかっていうのが楽しみでありますね

引用:NJPW WORLD

 

110日という自粛期間は、誰もが十分なトレーニングをできていたわけではないでしょう。

それでもこの期間をただの充電期間ではなく進化する為の時間と捉えた内藤は、マイナスな環境に甘えずどれだけプロレスに時間を費やせていたか問いたかったんだと思います

それを伝える手段が内藤にとって新技披露であり、あのタイミングで見せる意味があったのでしょう。

『二冠王者である俺でさえ、お客様を喜ばせる為に新技を用意したんだ』というメッセージが聞こえてきそうです

 

実際、今まで以上の身体にビルドアップした選手、新技の開発に着手した選手、最高のコンディションでNJCに出場できる選手が多いんだと思います。

それでも敢えて、上から目線でメッセージを発信したかったのではないでしょうか。

大阪城ホール大会まで試合が組まれないかもしれない状況での、全選手、全新日本プロレスファンに対しての二冠王者の伝言なんだと思います

 

ピンチをチャンスに変える期間と捉え、実行に移した内藤哲也。

出場32選手の内、半分は一回戦で消えるトーナメントです

何かを残す為には、110日間という間でどれだけ準備をしてきたが問われる試合なんだと思います

 

昨日、NJC1回戦の4試合が終わりました。

あの4試合を見ただけでも、公式戦を闘った8選手全員が、最高の準備をしてきたことが窺えます。

本日の公式戦4試合も期待しかないでしょう。

 

負けたら終わりのトーナメント。

でも、負けて終わらないのがプロレスです。

最高の準備をしてきた、最高な選手達の闘いが、NJCでもNJC後もまだまだ続くんだと思います。