大会出場前から公言していた、チャンピオンとして優勝しケニー・オメガを指名する宣言。
有言実行で「KING OF DDT 2020」を制した遠藤哲哉は、改めてアメリカにいるケニーを次のKO-D級王座選手権の相手に指名しました。
『俺が挑戦相手に指名したいのはケニー・オメガただ一人』
「KING OF DDT」で優勝した遠藤哲哉が改めてケニー・オメガとの防衛戦を熱望(TOKYO HEADLINE)https://t.co/Ng0JWb5Rfj#ddtpro #KOD2020
— DDT ProWrestling (@ddtpro) August 24, 2020
昨年11月のDDT両国国技館大会に参加したケニー・オメガ。
大会翌日の一夜明け会見で、ケニーが遠藤哲哉と竹下幸之介を酷評しました。
『昔からのファン、新しいファンの前で試合できてうれしかった。懐かしい面々の試合を見るのは楽しかった。新しい若者たちがどう変わっていたかに関心があったけど、竹下や遠藤には「興味深いね」くらいしか言うことはない。身体的な変化は感じたけど、ハートは感じられなかった。DDTファンの心すらつかんでいないのが昨日明らかになった。竹下は大きくなってる。遠藤もボディービルダーに見紛えるような体型になっている。でもリング上は何も変わっていない』
更に辛辣な発言が続きます。
『今やったとして、彼らが絶対に勝てないとは言わない。でも今、竹下や遠藤とやっても、DDTファンに見せたくないものを見せてしまう。私はDDTが大好きだから、そういうことはしたくない』
この辛辣な発言とは裏腹に、多くのケニーファンは期待したんだと思います。
遠藤か竹下と闘う為に、また日本へ戻ってくると。
そして、辛辣な言葉はDDTを象徴する2人に対する期待の現れ。
ケニーらしい愛の鞭だったんだと思います。
今年6月のさいたまスーパーアリーナで開催予定だった「Wrestle Peter Pan 2020」に、ケニーの出場も決まっていましたが、感染拡大防止のため有観客での開催を断念。
ケニーも来日することはありませんでした。
無観客で行われた「Wrestle Peter Pan 2020」で絶対王者になりつつあった田中将斗を破り、2度目となるKO-D無差別級王者に返り咲いた遠藤。
もし、この大会にケニーがいたらと思ったのは、私だけではないでしょう。
遠藤が次の挑戦者にケニーの名を挙げていたかもしれませんし、ケニーが遠藤の前に現れていたかもしれません。
結局、淡い期待はすべて妄想の中に消えてしまいました。
コロナ禍が終息するまでは仕方ないと思いつつも、次はいつ来日できるか想像もできず我慢の時間は続くことになります。
遠藤の口から再びケニーの名を聞いた時、あまり期待せずに待とうと思いました。
王者として「KING OF DDT 2020」に出場し、優勝した暁にはケニー・オメガを次期KO-D無差別級挑戦者に指名すると。
【速報バックステージ!】KO-D無差別級王者・遠藤哲哉、KING OF DDT 2020優勝でケニー・オメガを次期挑戦者に指名すると明言!
「Next Challenger @KennyOmegamanX !」#ddtpro #KOD2020 #AEW pic.twitter.com/LDh7RhSch4— DDT ProWrestling (@ddtpro) July 23, 2020
いくら王者と言えども、一発勝負のトーナメントを優勝するのは簡単なことではなく、案の定一回戦で敗退することに。
それでも敗者復活バトルロイヤルを制すと、並みいる強豪を倒し見事を果たしました。
冒頭の通り、改めてケニーを指名した遠藤。
「KING OF DDT 2020」ファイナル翌日に行われた一夜明け会見では、ケニーからビデオメッセージが届き今回の挑戦者指名と遠藤に対する想いを口にしました。
『お前を俺の膝の上で二つ折りにして、その青いケツにお仕置きしてやる。お尻ペンペンの時間だ。何度も何度も、尻が赤くなり、やがてアザで青く、いや黒くなるまで何度でもな。お前が痛がっても俺はやめない。そしたらお前はこう言うんだろうな。「なんでだよケニー、そこまでひどいこと言ってないよね?」と泣き言を入れて、助けを求めるように「タケシタ! HARASHIMA! 社長! 松井さーん! なんで? どうして?」ってな。
なんでか教えてやる。お前は自分の力を過信して、敵わない相手に噛みついたからだ。「世界最高」に悪態をついて、無傷で帰してもらえると、そう思ってるのか? お前は倒され、血まみれになり、そしてすべてを失う。そして俺は倒れたお前の身体の上で、KO-D王座を手に勝ち誇る。会場の観客は総立ちで拍手しながら、泣いて俺に感謝をするだろう。「DDTを救ってくれて、いや、『また』救ってくれてありがとう」ってな』
昨年の両国国技館大会に引き続き、遠藤に対し上から目線でコメントを残したケニー。
しかし、そのメッセージにケニーらしいユーモアと遠藤への優しさを感じたのは私だけでしょうか。
そこにはサングラスで表情を隠し正装姿で冷徹な言葉を並べるケニーはいなく、途中日本語も加えながらどこか嬉しそうに話す姿は、遠藤からの指名を喜んでいるようにも感じました。
散々叱咤した遠藤がKO-D無差別級王座を奪還し、王者のまま「KING OF DDT 2020」を優勝。
期待通りの活躍に、ケニーも張り切ってビデオメッセージを録画したのでしょう。
信頼する遠藤が、それ以上の結果の残したのですから。
『そうだ、俺はDDTを遠藤から救う。信じて会社を任せたお前からな』
残念ながらコロナ禍の状況が落ち着くまで、日本に行けないと語ったケニー。
遠藤は代わりとなる挑戦者を9・7後楽園ホール大会で発表すると公言しています。
9・7後楽園ホール大会で誰の名が呼ばれるか分かりませんが、私は三度ケニーの名が出ることを期待しています。
次のKO-D無差別級選手権は2ヶ月以上先の11月。
9月には在留資格を持つ外国人の再入国が緩和される予定です。
11月にはビジネスでの渡航制限は緩和されているかもしれません。
限りなく可能性は0に近くても、誰もケニーが来日する可能性を信じなくても、私はケニーが日本へやって来ると信じたいです。
4分を超えるロングメッセージを、遠藤とDDTファンと日本のファンに送ったケニー。
日本のファンの前で遠藤と闘う姿を見せたいという想いが、充分過ぎるほど伝わるメッセージでした。
結局、ケニーが伝えたかったメッセージとはなんだったのか?
遠藤への “ 日本へ行くから覚悟しろよ ” のメッセージに聞こえたのは、私だけでしょうか。