前回の記事で、G1クライマックス優勝予想を【確率】X【過去傾向】X【ジンクス】から分析し記事にしました。
分析結果から浮かび上がった選手は、今まで確かな結果を残してきた選手で、今回優勝する可能性も十分あります。
過去の対戦成績から分析したデータをいくつか記載しているので、多少なりとも説得力はあるのかもしれません。
しかし、機械的な予想に感情移入できずにもいました。
それなりに時間をかけて考えた優勝予想ですが、あくまで予想であり願望ではありません。(優勝、準優勝に予想した選手に期待していないという意味ではありません)
ファンの想いが形になるのというのも、プロレスにとって重要な要素でしょう。
なお、今週号の週刊プロレスでは特別付録として「新日本G1 CLIMAX 30観戦ガイド」が付いています。
隔週連載の『手のひら返しdeあっせんなよ』では、二冠王者である内藤哲也がG1のジンクスに関して言及しています。
詳しくは週刊プロレス本誌をご覧ください。
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皆さんもご存知の通り、G1クライマックスには幾つかのジンクスがあります。
例えばシングルのベルト保持者は優勝できないとか、前年優勝者は2連覇できないとか。(過去10年の連覇はなし)
今年のG1に当てはまれば内藤哲也、鈴木みのる、飯伏幸太がこのジンクスに当てはまります。
既にスケジュールが発表になっている通り、11月7日には大阪でビッグマッチが控えており、二冠王者の内藤がどちらかのベルトを懸けて防衛戦が行われるでしょう。
神宮大会の後も、二冠戦での防衛戦はもう辞めにしたいと言及しています。
恐らく、11月のビッグマッチではインターコンチネンタル選手権が行われるでしょう。
となれば、ここで勝っても負けてもIWGPヘビー級のベルトを持つ内藤が、来年の東京ドームでメインを務める可能性は高いということです。
前回の記事で記載した通り、IWGPヘビー級王者とは別のブロックから優勝者が生まれやすい傾向にあります。
今後の展開を考えれば、内藤とは逆のグループであるAブロックの選手が優勝する方が面白くなるでしょう。
タイトルにある通り、今年のG1クライマックスは石井智宏に優勝して欲しいと思っています。
これは予想ではなく願望です。
G1を優勝するには幾つかの【条件】が必要だと思っています。
その条件とは目に見えるものもあれば見えない抽象的なものもあります。
では、石井はどんな【条件】を持っているのか?
それは『期待感』です。
私がAブロックでより期待値が高いと思う選手は、ウィル・オスプレイ、鷹木信悟、石井智宏の3人です。
実力者が揃った激戦必須のAブロックですが、独走なき大混戦になりそうな予感がしています。
例年だとオカダカズチカを追随する形になりがちですが、今年の独走は難しいと考えています。
特に元IWGP王者のオカダやジェイ ・ホワイトに土を付けるだろう選手は、上記の3人になるのではないでしょうか。
オスプレイと鷹木は昨年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニアで年間ベストバウト級の試合を繰り広げました。
多くのファンが熱狂した試合です。
その後、G1に出場しヘビー級へと階級を上げたオスプレイ。
コロナ禍による自粛期間で、ヘビー級の身体にビルドアップした期待値は相当高いでしょう。
神宮大会で鈴木みのるに敗れた鷹木ですが、今年のNEVER戦線はどれも迫力のある試合でした。
NEVERのイメージを変え、神宮大会でのタイトルマッチも二冠戦より期待値は高かったでしょう。
ベルトなき今、G1優勝に一番近いのは鷹木信悟かもしれません。
しかし、私は石井の優勝を願っています。
なぜ、そこまで石井を推したいのか?
3年前、当時G1を制した内藤哲也は挑戦権利証防衛戦で石井と闘った後、こんな言葉を残しています。
『彼が力のある選手だということは間違いのない事実だ。でもなのに彼はトップレスラーではない。なぜか?オレと絡んで参考になっただろ。たくさんアドバイス送ったぜ?オマエには言葉が必要なんだよ。力は間違いなくあるんだよ。でも彼に必要なのは言葉だとオレは思うな。オレの意見なんか頑固な彼は聞いてくれないと思うけどさ。このまま2流の上くらいのレスラーで終わりたいのであれば、このまま頑固にやってろよ。彼がトップを目指すのであれば、オレのアドバイスを聞いた方がいい。オマエには言葉が必要だ』
引用:新日本プロレス
あの試合の後、内藤は石井の口を塞ぎ、何度か言葉をかけていました。
ベストバウトをお客様に披露できた感謝の気持ちか、それともトップレスラーである内藤からのアドバイスなのか…
なんと言っていたのか未だに分かりませんが、もし石井がG1を優勝すれば内藤があの試合で言った言葉について言及するかもしれません。
当時から和製名勝負製造機と言われていた石井でしたが、IWGPと名の付くベルトとは縁はありませんでした。
今でも口数の少ない石井ですが、口を開けば想いは溢れ明言も少なくありません。
先日のNEVER無差別級6人タッグ選手権では、対戦相手のSHOに立ちはだかり越えるべき壁となりました。
石井の漢気があったからこそ、あの試合のSHOへの期待感は高まったんだと思います。
あの試合後、SHOの壁となった石井が自分の越えるべき壁について言及しました。
『まあ、悔しい思い、辛い思い、情けない思い、これをたくさんした人間っていうのはよ、それを乗り越えたとき、必ずそれ以前よりも大きい力を発揮すんだ。田中、お前なら大丈夫だ。まあ、偉そうに言ってるけどよ、俺も常に、俺の前に、高い壁が立ちはだかんだよな。乗り越えても、乗り越えても。だからいまから、その壁を乗り越えようとしてんだよ。待っとけよ「G1」』
引用:新日本プロレス
恐らく石井にとって一番の壁は、2016年のG1以来勝てていないオカダでしょう。
そして、グループリーグ突破という壁なんだと思います。
今年のG1の石井の対戦カードを見ると、楽しみしか湧きません。
日程と大会 | 試合順 | 対戦相手 |
9・19大阪大会 | 第4試合 | 鈴木みのる |
9・23北海道大会 | 第5試合 | ウィル・オスプレイ |
9・27神戸大会 | 第4試合 | 飯伏幸太 |
9・30後楽園ホール大会 | 第6試合 | 鷹木信悟 |
10・5高松大会 | 第5試合 | タイチ |
10・7広島大会 | 第2試合 | 高橋裕二郎 |
10・10大阪大会 | 第2試合 | ジェフ・コブ |
10・13浜松大会 | 第6試合 | オカダカズチカ |
10・16両国国技館大会 | 未決定 | ジェイ・ホワイト |
初戦の大阪大会では鈴木みのる闘いと、前半戦の山場となる後楽園ホール大会では今年のNEVER無差別級選手権で敗れた鷹木と闘います。
リーグ最終戦の1つ前のオカダ戦が、一番の山場でしょう。
そして、ジェイの野望を打ち砕くのは石井なんだと思います。
内藤哲也の言うトップレスラーの定義は分かりませんが、言葉を手にした石井は選手もファンも認めるトップレスラーでしょう。
あとは結果を残すのみ。
一度でもいいからメインイベントの後、マイクを握りリングの上で話す石井を見てみたいと思っています。
やっぱりG1クライマックスの最後には、ファンの心に響く言葉が必要なんです。