鷹木信悟のプロレス大賞MVP受賞が大快挙だった理由

鷹木信悟【撮影:koba】
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京スポーツ新聞社制定「2021年度プロレス大賞」が12月14日早朝に情報解禁となり、下記選手が各賞受賞となりました。

▪︎最優秀選手賞(MVP)

 鷹木信悟

▪︎年間最高試合賞(ベストバウト)

 武藤敬司 vs 潮崎豪

▪︎最優秀タッグチーム賞

 タイチ&ザック・セイバーJr.

▪︎殊勲賞

 ジェイク・リー

▪︎敢闘賞

 竹下幸之介

▪︎技能賞

 グレート・オーカーン

▪︎女子プロレス大賞

 林下詩美

▪︎新人賞

 荒井優希

▪︎功労賞

 故風間ルミさん

 

受賞したに至った経緯はご覧の通りになります。

▪︎最優秀選手賞(MVP)

1次投票は鷹木=14、武藤敬司=5。この時点で過半数を超えた鷹木に決定。コロナ禍、様々なアクシデントがあった新日本をIWGP世界ヘビー級王者として支えて日本プロレス界を牽引し、常にクオリティの高い試合を提供した鷹木が初受賞。

▪︎年間最高試合賞(ベストバウト)

1次投票は武藤vs潮崎=7、鷹木vs棚橋(7・25東京D)=7、林下vs朱里(6・12大田区)=2、ジュリアvs中野たむ(3・3日本武道館)=2、中嶋vs拳王(11・28代々木)と、女子2試合も候補に。7票で並んだ武藤vs潮崎と鷹木vs棚橋で決選投票が行われ、武藤vs潮崎=11、鷹木vs棚橋=8。ノア10年ぶりの日本武道館という大舞台で58歳の武藤が潮崎の猛攻に耐えた上で劇的なフランケンシュタイナーでGHC王座を奪取した一戦に決定。

▪︎最優秀タッグチーム賞

1次投票はタイチ&ザック=11、宮原&青柳=4、金剛(拳王、中嶋、征矢、仁王、覇王、タダスケ、亜烈破)=2、ジュリア&朱里=1、該当者なし=1。2度の王座転落はあったものの、盛り上がりにくい新日本のタッグ戦線を鋭い舌鋒と技巧で熱くさせたタイチ&ザックが1次投票で最優秀タッグに決定。昨年の雪辱を果たした。コロナ禍でも日本で戦い続けるザックの姿勢も高く評価された。

▪︎殊勲賞

1次投票はジェイク=6、武藤=7、中嶋=3、鷹木=1、ザック=1。ジェイクと武藤の決選投票はジェイク=14、武藤=5。イメチェンして春の祭典初制覇、三冠初戴冠、新たな全日本を牽引するジェイクが武藤を振り切る形に。

▪︎敢闘賞

1次投票は竹下=10、ジェイク=5、デスペラード=2、棚橋=1、YAMATO=1となり、キング・オブDDT優勝、KO―D無差別級奪回、D王GP優勝のグランドスラムをやってのけ、AEWでも人気を博した竹下がダントツで初受賞。

▪︎技能賞

1次投票はO-カーン=7、YAMATO=4、ザック=2、KENTA=2、拳王=2、野村卓矢=1、青木真也=1となり、O-カーンとYAMATOの決選投票の結果はO-カーン=11、YAMATO=8。特異なキャラクターの根底には確かなアマチュア・レスリングの実力があり、ザックとグラウンドでも渡り合う幅の広さを持つO-カーンがYAMATOとの接戦に競り勝つ形になった。メディアやSNSを使った発信力も評価された。

▪︎女子プロレス大賞

1次投票で林下詩美=18、橋本千紘=1となり、林下がダントツで女子プロレス大賞に。今年、スターダムは大躍進を遂げたが、それも林下が安定した強さでワールド・オブ・スターダム王者に君臨していたからこそという意見多数。

▪︎新人賞

1次投票は荒井=9、稲村愛輝=5、上谷沙弥=2、大森北斗=1、箕浦康太=1、該当者なし=1。荒井と稲村の決選投票は荒井=11、稲村=8。アイドルであり、プロレスラーの二刀流でファン層を拡大した荒井が受賞。素質と姿勢も高評価。

▪︎功労賞

9月に急逝した風間さんは92年にLLPWを旗揚げして日本プロレス界初の女性社長になり、レスラーとしても北斗晶との髪切りマッチなどで一世を風靡。満場一致で功労賞を贈ることが決まった。

※情報元:小佐野景浩選考委員

 

なお、ベストバウト賞を受賞した武藤敬司と潮崎豪のタイトルマッチは、現在無料公開中です。

まだ未視聴の方は是非ご覧ください。

 

鷹木信悟のMVP受賞が大快挙だった理由

 

プロレス大賞MVPをプロレスリング・ノアの武藤敬司と争い競り勝った鷹木信悟。

この結果、11年連続で新日本プロレスの選手が同賞受賞となりました。

『今年で48回目を迎えた東京スポーツ新聞社制定「2021年度プロレス大賞」選考委員会が13日にオンラインで行われ、最優秀選手賞(MVP)は新日本プロレスのIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(39)が堂々の初受賞を果たした。コロナ禍で閉塞したプロレス界を持ち前の〝元気ハツラツ〟ファイトでぶち破り、高い評価を得た。今後は尊敬する大先輩である故ジャンボ鶴田さん、天龍源一郎(71)、武藤敬司(58)を目標にさらなる飛躍を狙う。なお新型コロナウイルス対策のため、昨年度に続き授賞式は行わない』

引用:東スポWEB

 

過去11年のMVPを振り返れば、内藤哲也、棚橋弘至、オカダカズチカと新日本の顔が並んでおり、今回の受賞で鷹木もこのビッグ3に肩を並べたと言っても過言ではありません。

そしてこれまで新日本の選手は“生え抜き”選手のみが受賞しており、他団体から移籍してきた選手のMVP受賞は初となります

これは生え抜き以外の選手に勇気を与える快挙と言えるでしょう。

 

鷹木の新日本在籍は2018年からになりますが、デビューから14年間をドラゴンゲートで過ごし、同団体でトップレスラーとして活躍してきました。

元ドラゴンゲートのトップレスラーのプロレス大賞MVP受賞は初であり、これも快挙と言えるでしょう

ドラゴンゲートの選手のレベルの高さを証明する結果にもなりました。

 

2つの団体で頂点を極めた鷹木ですが、年始早々試練が待っています。

1・4東京ドーム大会でG1覇者のオカダを迎え撃ち、そのオカダに勝っても翌日にウィル・オスプレイと闘わなくてはいけません。

プロレス大賞MVPを初受賞した鷹木が、2022年も新日本の真ん中を走り続けるには、この試練を乗り越える必要があるでしょう。

来年はMVPに続きベストバウト賞も受賞できる活躍に期待しています。