10年前にタマ・トンガが口にした田口隆祐へのリスペクト

田口隆祐、タマ・トンガ【撮影:koba】
雑感




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・18後楽園ホール大会の救出劇により、緊急合体を果たした新日本隊とG.o.D。

早速、本日のNEW JAPAN CUP長岡大会でタッグが組まれました。

邪道が本隊バスに乗るという想像もしなかったシチュエーションに、多くのファンが穏やかな気持ちになったことでしょう。

 

邪道が本隊バスに乗ることになったのも、田口隆祐が手を差し出し、その手をタマ・トンガが握り返したからでしょう

利害が一致した偶然の産物にも見えますが、田口が手を差し伸べた背景を考えると、決して安易な決断ではなかったと思っています。

そして他でもない田口隆祐だから、タマ・トンガは差し伸べた手を握り返したのではないでしょうか。

 

田口隆祐とタマ・トンガの関係

 

正直、ジェイに裏切られバレットクラブを追放された時、G.o.Dの2人はどのユニットに属するのか全く想像できませんでした。

特にタマ・トンガはバレットクラブの創立メンバーであり、ユニットの象徴的な人物です。

新日本プロレスでのキャリアの殆どをバレットクラブで過ごしてきましたが、初来日の際は新日本隊にいました。

 

2010年に初来日したタマ・トンガ。

欠場したタイガーマスクのリザーバーとしてジュニアタッグのトーナメントに出場したタマ・トンガですが、来日後初のシングルマッチの相手は田口隆祐でした。

ベスト・オブ・ザ・スーパージュニアに出場し、初戦の相手だった田口に対し、タマはバックステージでこんなコメントを残しています。

『田口は本当に偉大な対戦相手だった。彼とリングで闘えたことを非常に嬉しく思う』

引用:新日本プロレス

 

本隊の一員として新日キャリアをスタートしたタマ・トンガを、先輩の田口は可愛がっていたのでしょう。

試合後は食事に誘うなど、自分を慕ってくれる異国の後輩との絆を深めていました。

 

当時、プリンス・デヴィットとアポロ55というコンビを結成していた田口。

IWGPジュニアタッグ王座を戴冠すること4回、最多連続防衛記録7回は今でも破られていない記録です。

田口のキャリアの中でも最強で最愛のパートナーだったプリンス・デヴィットですが、2013年に田口を裏切りバレットクラブを結成。

その時、同ユニットに引き抜いたのがバッドラック・ファレ、カール・アンダーソン、そしてタマ・トンガでした。

 

最愛のパートナーと可愛い後輩を同時に失った田口。

一方でタマ・トンガのバレットクラブでの活躍は気に留めていたことでしょう。

 

タグチは凄いレスラー。いつも見て勉強してるんだ。タグチが1番だ!本当だぜ!』って言ってくれた後輩が、仲間に裏切られ、居場所を失っていました。

これまで裏切ることはあっても、裏切られる側に回ったタマ・トンガは、明らかに動揺していたことでしょう。

誰も信用できないと状況に、心が動き、リングに足を運び、手を差し伸べた田口。

田口がタマを助け、タマが田口を仲間と受け入れたのは自然なことであり、かつての友情が復活した瞬間でもありました。

 

まだバレットクラブではないG.o.Dに違和感はありますが、田口なら空白の10年間をあっという間に埋めてくれるはずです。

そして田口が10年前に失った心を満たしてくれるのも、タマしかいないでしょう。

GOOD GUYになったタマ・トンガの新しいスタートを応援せずにはいられません。