グレート・オーカーンがIWGPヘビーの挑戦者になるために張った伏線

グレート・オーカーン【撮影:koba】
“独り言考察”




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022年は多くのプロレスの話題があった一方で、悲しいニュースもありました。

新日本プロレスの創始者であるアントニオ猪木氏がなくなり、かつて未来を嘱望された北村克哉さんの訃報です。

前者は多くのメディアで取り上げられ、新日本プロレスの年間最大興行である1・4東京ドーム大会で追悼興行として行われます。

後者は数年前に新日本を退団しており、あまり多くを語れる状況ではありませんでした。

しかしグレート・オーカーンはバックステージで1分間だけプロレスラーを辞めると宣言すると、北村克哉さんへの想いを語りました。

元同期への想いを語ったシーンは、2022年のハイライトと言えます。

『いま、 いまから1分だけ、 プロレスラーを辞める・・・。 (※マウスピースを外し)そうだ。
いまはグレート-O-カーンだ。 だから北村克哉なんか知らねぇよ。(※涙ぐみ) でももし、 北村が同期だったとしたら、あいつの“トンパチ” (型破り)のせいで、 どれだけとばっちりを受けたと思う?数え切れねぇよ・・・。 だから、 もしあいつが同期だとしたら、 余は北村のことが大嫌いだった。でも、いちファンとして見たら大ファンだったと思うよ。余は“トンパチ”になれない。 だから、 あいつみてぇに、好き勝手生きてよ!他人に迷惑かけても、 後ろを振り返らないで、 ああいう生き方が魅力に見えたし、 最高にプロレスラーだったと思うよ・・・。 まあ、 そんなあいつは、 プロレスラーであることを辞めた。 そういう道を選んだ。
あいつが選んだ道と、 俺が‼︎選んだ道。 俺が選んだ道のほうが正しいって絶対示してやる・・・!あのバカよ! 最後の最後までよ、人様に迷惑かけやがってよ。 あぁ、ふざけんじゃねぇよ。いままで積み上げたものが全部パーだ!余の選んだ道のほうが正しいって絶対示してやるよ』

引用:新日本プロレス

 

2ヶ月前にグレート・オーカーンが張っていた伏線

 

2022年多くの話題を提供し、新日本プロレスのどのレスラーよりも働いたグレート・オーカーンですが、昨年のバックステージで1つ気になるコメントを残していました。

それは北村克哉さん他界から約半月後の福井大会のバックステージコメントです。

『福井の愚民ども、 連合帝国の支配者の前にひれ伏せ!それにしても、この福井に来るとどうも筋肉バカ野郎のことを思い出すな

引用:新日本プロレス

 

正直、気にするほどのコメントではありません。

筋肉バカ野郎とは北村克哉さんを示す言葉だと思われますが、福井県との関係性は不明です。

福井に来るとなぜオーカーンは北村克哉さんを思い出すのか…

色々調べた結果、北村さんのデビューが福井県だということが分かりました。

そして、デビュー戦後のバックステージで北村さんは興味深い内容を話しています。

北村『俺は遅咲きのレスラーかもしれないけど、 この世界に入った一人として、 目標はオカダさんを倒すことです

引用:新日本プロレス

 

約7年前、プロレスラーとしてデビューした北村さんは『オカダカズチカを倒すこと』を目標に掲げていました。

もしかしたら、オーカーンの福井に来ると筋肉バカ野郎のことを思い出すというのは、北村さんの『オカダカズチカを倒すこと』発言を思い出すということではないでしょうか

11・1福井大会の時点で、オーカーンはNJPW WORLD認定TV王座決定トーナメントから脱落しており、シングル戦線からは一歩後退しています。

そして、他界した北村さんはもうオカダを倒すことはできません。

 

初代TV王座のベルトに拘ったのは、故人への餞別、若手レスラーへのチャンス拡大などオーカーンなりの想いがあったからでしょう。

誰かのためのベルト戴冠を目指したオーカーンが、目標を他のベルトに変えても不思議ではありません。

筋肉バカ野郎の言葉を思い出し、来る1・4東京ドーム大会への布石を打っていたのではないでしょうか。

東京ドーム大会でオカダカズチカが新チャンピオンになった暁には、挑戦者として名乗り出る伏線を張っていたのかもしれません。

 

東京ドーム大会のメインイベント後にオーカーンは現れるのか?

 

2022の東京ドーム大会のメインイベント後は、内藤哲也が現れオカダカズチカのIWGP世界ヘビーへの挑戦を表明しました。

2021年はジェイ・ホワイトを破った飯伏幸太の元を訪れたSANADAが、挑戦というギフトを受け取って欲しいとIWGP挑戦を表明しています。

2020年に関しては内藤哲也の大合唱を急襲したKENTAで阻止。

2019年もメインイベント後、バックステージでジェイ・ホワイトが棚橋弘至に挑戦表明しており、東京ドーム大会のメインイベント後は誰かしらIWGPへ挑戦を表明しています。

 

2019年以降は東京ドーム大会のメインイベントは、IWGPヘビーの次の挑戦者が何らかの形で現れていたという事実があります。

もしかしたら11・1福井大会のコメントは、遠回しに打倒オカダをアピールしメインイベント後に挑戦表明するための予防線だったのかもしれません。

 

2022年、最も働いたと自負するオーカーン。

次のIWGP世界ヘビーへの挑戦者として、最も相応しいレスラーと言えるでしょう。

 

しかも相手がオカダであれば、闘いたい理由があります。

もし、メインイベント後に現れマイクを握ったら、こんなセリフを口にするかもしれません。

この世界に入った一人として、 目標はオカダさんを倒すことです