今年2度目となる内藤哲也とのIWGP世界ヘビー級選手権試合で2連続で敗北を喫したJust 5 Guysの SANADA。
戦前、内藤から負けたらNEW JAPAN CUP(以下NJC)不参加を命じられていましたが、26日発表されたトーナメント出場選手に無事エントリーされました。
【今年は強豪“28選手”がエントリー!『NEW JAPAN CUP 2024』トーナメント組み合わせが決定!】
優勝者は、4月6日(土)両国国技館でIWGP世界ヘビー級王者・内藤哲也に挑戦!
詳細はhttps://t.co/X63FDrfQYO#njcup #njpw pic.twitter.com/2VxLyUqfTK
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) February 26, 2024
そもそも、内藤はSANADAとの防衛戦に勝利後、戦前の「敗者NJCエントリー禁止」ルールを取り下げ、トーナメントを優勝してまた闘おうと鼓舞しています。
内藤『SANADAは東京ドーム、そして今日の北海道立総合体育センター、2カ月連続で俺にタイトルマッチで負けてるわけで、悔しいだろ?凄く悔しいだろ? “敗者「NEW JAPAN CUP」エントリー禁止マッチ”、俺の要求は通らなかったから、だからSANADAは予定通り、「NEW JAPAN CUP」にエントリーするんでしょ?ならそこで優勝して、また俺の目の前に立ってくれよ。俺とタイトルマッチしようぜ。まあ、結果はまた俺の勝ちになってしまうけどね』 引用:新日本プロレス |
SANADAへのコメントの後、続け様にオカダカズチカへの惜別のメッセージを送りましたが、このコメントに違和感を感じたのは私だけでしょうか?
内藤『あと、今日でこのリングを去るオカダ。凱旋帰国後のオカダの活躍がなければ、俺が挫折することはなかったでしょう。でも、その挫折があったからこそ、たくさん悔しい思いをして、そして悩んでメキシコに行って、ロス・インゴベルナブレスに出会ったわけで、そういう意味で俺はオカダに感謝してるよ。 でも、このリングを離れるんだろ?じゃあさっさといなくなれよ。でも、オカダ!またどこかで会おうぜ、カブロン!』 引用:新日本プロレス |
決してオカダへのコメント内容に違和感があった訳ではありません。
ではその違和感の正体とは何なのか?
これを説明する前に一つ触れておきたいことがあります。
内藤哲也はなぜオカダへの大事なメッセージを忘れたのか?
SANADAとの防衛戦後に、オカダをリングに招き入れた内藤。
内藤らしい惜別ムーブを繰り出し、バックステージでは『またどこかで会おうぜ』とコメントを残しましたが、この時言い忘れたことがあったとスポーツ紙で言及しています。
【新日本】オカダ・カズチカ 内藤哲也〝言い忘れ〟にニヤリ「内藤さんも、そう言うからには…」|東スポWEB https://t.co/IxbVBHsRpr
— 岡本佑介@東京スポーツ新聞社 (@okamotospo) February 25, 2024
最後の邂逅は制御不能流の粋な計らいだった…ハズなのだが、何と内藤は一番伝えたいことを言い忘れてしまったという。 そこで記者を緊急招集し「2020年1月5日の試合後の俺のマイク、覚えてるだろ? 『東京ドームのメインイベントでまた勝負しようぜ』って言葉、忘れるなよ、とオカダに伝えておいてくださいよ」と伝言。 引用:東スポWEB |
『東京ドームのメインイベントでまた勝負しようぜ』という大事なメッセージを忘れたことを明かした内藤。
しかし、逆に考えればあの日、バックステージで出したコメントは同等以上に大事なメッセージだったとも受け取れます。
内藤がバックステージで語ったコメントを要約するとご覧の通りになります。
◾︎SANADAには何度も挑戦してきて欲しいし、何度も敗北という悔しさを味わって欲しい
◾︎今の内藤を形成するのはオカダの活躍と、そのオカダに敗れ続けた悔しさがあったから
2012年に凱旋帰国しIWGPを初戴冠した当時、オカダは内藤に対しかなり厳しい態度や発言を残していました。
IWGPヘビー級選手権でも、内藤はオカダに2度負けて、3度目の挑戦でようやく同タイトルを初戴冠しています。
今となれば、このオカダの内藤に対する厳しさがあったから、内藤は新日本のトップに立てたと言えるでしょう。
もしかしたら、今の内藤とSANADAの関係性は、昔のオカダと内藤の関係性と同じだよというメッセージだったのかもしれません。
バックステージでのオカダの活躍による自分の挫折を振り返ったコメントまでが、SANADAへのメッセージだったのではないでしょうか。
つまり、オカダへのコメントの違和感とは、オカダへのメッセージもSANADAへのメッセージだったのではという違和感です。
SANADAが名実共に新日本の頂点に立つために、内藤は足りないものを感じているのかもしれません。
内藤本人が経験したから知っている、SANADAに必要な経験。
かつては同じロスインゴの仲間だったからこそ、SANADAへ期待しているのかもしれません。
例え内藤がリングシューズを脱ぐ日が来たとしても、SANADAなら新日本プロレスを更なる高みに導いてくれると…