今夏のG1CLIMAX18枠に漏れたタイチが“戦力外”ではないと思う理由

タイチ【撮影:Koba】
真夏の祭典『 G1 CLIMAX 』




Pocket

.16北海きたえーる大会で今夏のG1クライマックス出場確定の18選手が発表となりました。

初出場はJust 5 Guysの上村優也、プロレスリング・ノアのジェイク・リー、AEWとDDTダブル所属のKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)の3人です。

残りの2枠は「出場者決定トーナメント」を勝ち抜いた勝者になります。

 

面子だけ見ればG1常連選手ばかりであり、今年の真夏の祭典での活躍を楽しみにしていたファンも多かったことでしょう。

正直に言って18枠の選考に漏れたことが意外過ぎるメンバーばかりです。

 

この結果を受け自らを“戦力外”と称したのは、5年連続でG1に出場していたタイチです。

 

この発言を聞いてタイチが戦力外と思ったファンは少ないでしょう。

むしろIWGP挑戦を意識する発言を口にし、今年のタイチに期待していたファンも多いはずです。

 

ではなぜ、タイチ含めG1常連選手がG1へのストレート選出18枠から漏れてしまったのか?

昨年の成績を再確認した結果、新日本プロレスが結果重視に舵を切ったことが分かりました

今回18枠から漏れ「出場者決定トーナメント」に回った選手は、昨年のG1の成績が勝点6以下の選手ばかりです

下記は昨年のG1のリーグ戦の成績です。

【勝点4】

チェーズ・オーエンズYOSHI-HASHI石井智宏、マイキー・ニコルス、HENARE矢野通

【勝点5】

ゲイブ・キッド、シェイン・ヘイスト

【勝点6】

海野翔太成田蓮、清宮海斗、タンガ・ロア、エル・ファンタズモタイチグレート・オーカーンKENTA棚橋弘至後藤洋央紀、アレックス・コグリン

 

赤字が今回18枠から漏れて「出場者決定トーナメント」に回った選手です。

昨年の成績が「勝点7」以上だった選手は「出場者決定トーナメント」に選出されていません。

一方で水色は「勝点6」以下ながらG1本戦18枠に選出された選手です。

この赤字の選手と水色の選手との大きな違いは、直近のシングル戦線の成績、シングルのタイトルマッチ挑戦の有無です

 

HENAREはNEVER無差別級王座に挑戦(現王者)、ゲイブ・キッドはGHCヘビー級王座に挑戦、海野と成田はIWGP世界ヘビーに挑戦、オーカーンはKOPWに挑戦(現王者)、そして後藤は今年のNEW JAPAN CUP(以下NJC)で準優勝という成績を残しています。

直近のシングル参戦の成績や、シングルタイトルへの挑戦がなかった選手で18枠に選ばれたのはファンタズモだけです。

恐らく、一番当落線上にいた選手と言えるでしょう。

もしかしたら、本戦にも「出場者決定トーナメント」にもエントリーされなかったヒクレオ枠なのかもしれません。

 

直近の成績重視で選ばれたと言っても過言ではないG1本戦枠ですが、来年も同様の選出方法ならば今年のG1は決勝トーナメント争い以外も熾烈を極めることになります。

今年18枠に入れていたとしても、今夏のリーグ戦の成績が悪ければ本戦枠から漏れる可能性があるということです。

来年も20選手エントリーでゲスト枠(初出場枠)と「出場者決定トーナメント」があるのなら、本戦確定枠は15枠前後となります

 

決勝トーナメントに進出する6選手は、来年も自動スライドでエントリーされるかもしれません。

一方でリーグ戦下位の選手はNJCで決勝まで残るか、シングルのタイトル戦線に絡む必要があります。

ただ、G1出場選手発表直前でシングルのタイトル戦線に絡むには、実力以外に運も必要となります。

 

ここまでの仮説が間違いではなければ、タイチの本戦落選の理由は「戦力外通告」ではないはずです。

昨年のG1の成績と直近のシングル王座戦線に絡めているかどうかになります。

逆に言えばタイチほどの選手が18枠から外れた「出場者決定トーナメント」は、非常に注目度が高く魅力的となるでしょう。

今年のG1クライマックスは「出場者決定トーナメント」から始まり、公式戦のラスト1試合まで消化試合のない熾烈なサバイバルマッチとなりそうです。