先日、Newsweek日本版に新日本のハロルド・ジョージ・メイ社長へのインタビューが掲載されていました。
yahoo!ニュースにも取り上げられていたので、ご覧になった方も多いでしょう。
この記事では新日本の海外戦略について、単刀直入に質問を投げかけています。
『日本から世界へ。改めてお聞きします、新日本プロレスはなぜ海外市場へ挑戦するのでしょうか』
引用:Newsweek日本版
今回のインタビューでは、海外進出することによる新日本の恩恵について語っています。
海外戦略に疑問を持つファンにとって、最も知りたい内容でしょう。
メイ社長が語った海外戦略がもたらすメリットを、いくつか抜粋してみました。
▪︎海外のプロレスの良いところを学び、逆輸入することができる
▪︎世界に向けてプレゼンスがある新日本に、外国人レスラーが注目し集まる
▪︎本物の新日本プロレスを伝えられる(ありのままのプロレス文化)
※プレゼンス=経済的影響力のある存在
ファンにとっての一番のメリットは、海外の有能な選手が国内興行に参戦してくれたり、新日本でレスラーデビューを目指す未来のプロレスラーが現れる可能性が増えることでしょう。
海外のプロレス団体に各選手がスポット参戦するのも、重要な役割を担っていると思います。
逆にこういう話をすると、新日本が外国人選手ばかりになると思う方もいるでしょう。
勿論、昔に比べれば外国人レスラーの参戦は多くなっています。
では、実際はどのくらいなのか?
昨日更新された『プロレス統計』さんのブログで、レッスルキングダムの各数値をデータ化するという膨大な作業の記事をアップしていました。
特に注目すたのが、2007年以降の1・4東京ドーム大会における日本レスラーと、外国人レスラーの割合。
2014以降は日本人、外国人の割合にあまり差がありません。
唯一、その差が大きく逆転している2016年。
その要因はジュニアタッグ選手権が全外国人選手で構成された、4WAYだったことに尽きるでしょう。
つまり、もう5年も前から外国人レスラーの割合は変わっていないということ
※あくまで1・4東京ドーム大会をベースに考えると
今後海外興行を増やすということは、増える外国人レスラーを海外で起用するということではないでしょうか。
勿論、日本人レスラーの海外興行参戦なくしては、新日本を語ることはできないと思います。
LA道場で外国人のヤングライオンを育てるのも、基本は海外興行で闘う選手を補う為でしょう。
かといって、海外での選手育成にばかり力を入れているわけではありません。
日本でも毎年練習生を募っています。
その証拠に最近復帰できた金光輝明選手が、良い例でしょう。
約2年間も試合はおろか、公の場にも姿を現すことができませんでした。※SNSでは登場
つまり…
その間、無償でフォローし続けたということ
金光輝明「新日本のリングに上がるってことは、治っただけでは……もう簡単に、『リングに上がる』っていう単語だけ見たら簡単に上がれると思います。ただ新日本のリングでやるっていう、その敷居の高い中でやるっていうことのために、2年を費やしてしまいました」https://t.co/qB69D9alxq#njwk13 pic.twitter.com/7OdEBZtnVE
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) December 16, 2018
人気のあるレスラーなら仮に2年間欠場しても、希望を捨てずサポートしてくれることでしょう。
しかし、金光選手はデビュー間もないヤングライオンです。
まだ会社に貢献していないレスラーを、見捨てることなくサポートすることなど簡単にできることではありません。
それだけ、覚悟を持って日本人選手の育成に力を入れているということでしょう。
海外戦略も大事なことだと訴えるとき、今でも独り歩きする“あの言葉”に、切なさを感じています。
棚橋弘至が敢えてケニー・オメガに言った言葉…
『ここは新日本だから』
これは歴史的な試合であることを助長する言葉でもあり、その試合を唯一無二の物にするためのスパイスでもあります。
あくまでプロレスラーがプロレスを盛り上げる為に使った言葉です。
私もひとつ思っていることがありますが、あまり聞こえないように小声でいいます。
日本人レスラーと外国人レスラーが共存する状態。
『それも新日本だから』
日本人だろうが外国人だろうが、生え抜きだろうがスポット参戦だろうが…
新日本のリングで闘ってくれるレスラーは、皆新日本のレスラーだと思うのです。