ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(以下BOSJ)のAブロックは、またしても連日連夜の激闘になりました。
その中でもファンからの熱視線を浴びたのは、開幕戦で惜しくも鷹木信悟に敗れたロッポンギ3KのSHO。
昨日メインイベントに抜擢された試合は、現IWGPジュニアヘビー級王者であるドラゴン・リーとの一戦でした。
リーがSHOとのIWGP王者対決を制す!
石森がスカルとの消耗戦に辛勝!
鷹木は怒涛のパワーでティタンを粉砕!
※5.15『BEST OF THE SUPER Jr.26』弘前大会を新日本プロレスのスマホサイトで独占詳報中!https://t.co/twCZSNNDyh#njpw #njbosj pic.twitter.com/WrrbG5iBKe— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2019年5月15日
結果的に開幕2連敗となってしまいましたが、今年のBOSJにおいて多くのファンが感情移入できる主人公の一人であることは間違いありません。
鷹木戦に続くベストバウトだったと思います。
連敗の悔しさをバネに、次戦は必ず巻き返してくれることでしょう。
この日、個人的に気になったのがセミファイナルで行われた石森太二の試合。
試合開始から、正体不明の違和感を感じていました。
その顔に笑みはなく、攻撃に余裕もない、焦りを逆手に取られピンチに陥る石森…
コーナーでの攻防は足を滑らせ、雪崩式フランケンシュタイナーも前方回転エビ固めで切り返されてしまいます。
いつもとは明らかに様子が違う石森でしたが、マーティー・スカルのツームストンを切り返したところでまたしても態勢を崩してしまいます。
BEST OF THE SUPER Jr.26!第7試合、Aブロック公式戦!@MartyScurll VS @taiji_ishimori!まさに激闘!互い決定打を打てず試合は後半に差し掛かかる!果たして勝つのは⁉︎
登録&視聴▷https://t.co/h4aVMLlcrw #njpw #njbosj #njpwworld pic.twitter.com/1xNzMxOU0h— njpwworld (@njpwworld) May 15, 2019
この瞬間、石森に何が起きているか理解できました。
恐らく…
脱水症状
開幕の激闘の疲れが残っていたのでしょう。
BOSJが開幕して3日間の内、2日がメインかセミでの公式戦です。
鍛錬を重ねたプロレスラーでも、過酷な大会なんだと思います。
実はメインイベントを闘ったドラゴン・リーも、場外戦の時に解説席の水を借りて飲んでいました。
しかし、ここで違う疑問が生まれました。
昨年も同様なスケジュールだったはず
5・18後楽園大会から始まった昨年のBOSJですが、3日間のスケジュールは一緒でした。
昨年の開幕戦はメインイベントでウィル・オスプレイ相手に公式戦を闘い、2日目はタッグマッチ、3日目はBUSHI相手に公式戦を闘っています。
一体何が違かったのか?
それは…
試合時間
昨年の開幕戦は13分47秒、3日目の公式戦は12分02秒。
3日間で闘ったシングルマッチ2戦の総時間は、25分49秒でした。
今年は開幕のドラゴン・リー戦で18分32秒、3日目のマーティー戦は22分21秒でした。
3日間で闘ったシングルマッチ2戦の総時間は、40分53秒。
昨年と比べたら、倍近い試合時間を闘っていました。
途中から顔色が悪く感じたのは、恐らく気のせいではなかったんだと思います。
なぜ、そこまでして闘うのか?
.@MartyScurll ‘Fierce Attack’
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自分自身に勝つため、相手に勝つため、ヘビー級に勝つため、雑音を振り払うため…
闘う理由はいろいろあると思います。
恐らく、例年とは背負う重みが違うのでしょう。
一言でいえば…
ただならぬ覚悟を持って臨んでいる
過渡期と言われる新日本において、今年は勝負の1年なんだと思います。
来年は年明けには東京ドーム2連戦を控えています。
もしかしたら、ジュニアの試合がメインイベントを飾る可能性だってゼロではないでしょう。
今年のスーパージュニアは全戦ライブ配信です。
これは私も含め、多くのファンの切なる願いでした。
ファンは全公式戦が見られるとあって、喜びはあってもリスクはないでしょう。
では、選手や新日本にとってはどうか?
絶対失敗できないスーパージュニアなんだと思います。
最近、AERA dot.で、新日本プロレスが取り上げられていました。
その記事には菅林会長のインタビューがあり、海外のプロレス団体に選手を引き抜かれない為にも選手のギャラを現行の5倍~10倍にする必要があると語っています。
それにはNJPW WORLD(ライブ&オンデマンドサービス)の会員数を、現在の約5倍となる50万人を目標に掲げているということ。
つまり、新日本の魅力を未来に繋げるためにも、スーパージュニアを闘う選手は覚悟を持って毎試合限界に挑戦しているんだと思います。
フラフラになってまでも闘う選手達に、試合を止めてとは言えません。
私達が想像もできない程の鍛錬を、日々行っているでしょうから。
限界は選手本人達にしか分からないということ。
だから、私達も覚悟を持って応援するしかないんだと思います。
選手を信じて、ジュニアの祭典を思う存分楽しむしかないんです。
プロレスファンは、自信を持って発言していい言葉があります。
それは…
『プロレスは一番凄いんだと』