昨日、新日本プロレスの永田裕志選手のツイートしたスポーツ報知の記事は、非常に興味深い内容でした。
テレ朝が「ワールドプロレスリング」ゴールデン進出に踏み切る日は?…G1クライマックス全米生中継の裏側(スポーツ報知) https://t.co/Hy8G1eqz5T
— 永田裕志 (@nagata769) July 10, 2019
“ゴールデン進出に踏み切る日は?”
私がプロレスを見始めた頃は、まだ1時間枠の放送だった「ワールドプロレスリング」。
1993年に放送枠が30分短縮され、その内容の違いに落胆した事を覚えています。
30分という時間では入場曲のカットは当たり前。
試合自体も大幅に編集され、限られた時間に3〜4試合詰められた日には、もはや原形を留めてませんでした。
ファンにとってはこれだけ盛り上がっている新日本が、なぜもっと早い時間に1時間枠で放送されないんだろうという疑問があると思います。
いくら会場が満員に膨れ上がっても、どれだけ世界のファンから新日本が評価されても、現在の「ワールドプロレスリング」の視聴率が上がらない限り放送枠・放送時間の変更はないのでしょう。
スポーツ報知の中村記者の記事によると、現在「ワールドプロレスリング」の平均視聴率は1%台と低迷しているということです。
この数字が上がらないことには、「ワールドプロレスリング」の放送枠・放送時間の変更はないと思います。
テレビ局にとってレギュラー番組の再編の基準は、“その数字”しかないのかもしれません。
海外進出を進める新日本において、国内市場は頭打ちだと思う方も多いでしょう。
これはあくまで、国内の戦略だけでは今の新日本を継続することが難しいというだけで、決して国内に伸び代がないわけではないと思っています。
ただ、すぐ結果を出しやすいという意味では国内より海外ということでしょう。
実際、外国人ファンの定着に向け、新日本は様々な施策を進めています。
特に動画配信による歴史や背景の説明、Twitterで選手がつぶやく日本語の翻訳等は、今最も注力している1つでしょう。
選手の労力を使わず、外国人のファンの方々に有意義な情報を提供しています。
Looking for social media gossip coming out of #g129 in Dallas? 🕵️
Confused by messy auto-translation and all the misunderstandings that brings?😕
Check out the Social Round-up for updates on Ibushi, Tanahashi, Taichi and more!https://t.co/DBSBx9J4qA pic.twitter.com/kXN9XpGQdI
— NJPW Global (@njpwglobal) July 9, 2019
※新日本の外国人ファン向けTwitterアカウント「NJPW Global」では、不定期に選手の呟きを英語に翻訳しています
地方興行を増やし国内市場にも力を入れるべきではというファンの声は、よく聞く言葉です。
先程も述べましたが、個人的には国内市場もまだまだ開拓の余地があると思っています。
しかし、国内市場の伸び代を開拓できるかどうかは「ワールドプロレスリング」の放送枠・放送時間の見直しが絶対条件です。
深夜の「ワールドプロレスリング」の視聴率が伸びない理由として、新日本のライブ&オンデマンドサービスの充実が挙げられます。
近年、サブスクリプション型の月額制サービスが浸透してきた日本。
※サブスクリプションとは、モノの利用権を借りて利用した期間に応じて料金を支払う方式
新日本の主要な試合を網羅できるNJPW WORLDに加入すれば、後日放送で試合内容も圧縮される地上波放送は、見る理由がないでしょう。
「ワールドプロレスリング」の需要は、NJPW WORLDに加入できないファン層に最も多いと思っています。
月額制のサービスに加入できないファン層とは、20歳未満の学生や子供達。
自分で加入することができない年代の割合が多いんだと思います。
このファン層は地上波を放送するテレビ局側が最も欲しい年齢層なのではないでしょうか?
テレビ離れが多い現代、子供の頃からテレビを見る習慣を植え付けなければ、テレビ離れは加速するばかりです。
子供や学生に需要があり、YouTubeなどの無料動画サービスでは見る事のできないコンテンツを提供できれば、テレビの需要は増えると思います。
このコンテンツに最も合致するものと言えば、新日本プロレスなんです。
子供の集客に力を入れる新日本は、どの世代でも楽しめるコンテンツに進化しました。
学生や子供の層に合致する時間帯で充実した内容を提供できれば、「ワールドプロレスリング」の需要は著しく増加するのではないでしょうか。
まずは、G1クライマックスの武道館3連戦、1・4東京ドーム大会を特番を組みテストするべきでしょう。
あとは、この可能性にテレビ局側が気付くかどうか。
子供のテレビ離れに、効果的な対策を打ちたいテレビ局。
まだプロレスを見たことない子供達に、無料で楽しめるツールがあることを広めたい新日本。
ブームを作るのは、いつだって女性や子供です。
この潜在ニーズに気付けるかどうか…
来年のレッスルキングダムは、20年に1度可能となるダブルドーム大会。
決断は迫られます。