優勝を期待されたSANADAは、なぜ勝つことができなかったのか

SANADA【撮影:koba】
真夏の祭典『 G1 CLIMAX 』




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勝決定戦に進出した飯伏幸太とSANADAは新日本プロレスの生え抜きではなく、他団体でデビューしているというバックボーンがあります。

そんな生え抜きではない選手同士の優勝決定戦は、G1クライマックス史上初だったそうです。

それでも圧倒的に優勝を期待されていたのは、まだシングルの栄冠を勝ち得ていないSANADAです。

SANADA【撮影:koba】

 

G1クライマックス開幕戦前の新日本プロレス公式サイトによる優勝予想は、圧倒的投票数でSANADAの1位。

優勝決定戦直前に行われた優勝予想も、飯伏幸太への投票率は28%、SANADAの投票率は72%と圧倒的に優勝を期待されていました。

それほどまでファンはSANADAの初戴冠を渇望していたのでしょう。

 

過酷なリーグ戦を9試合闘った直後の優勝決定戦とあって、飯伏もSANADAも満身創痍の状態だったと思います。

特に飯伏の左太腿のテーピングは痛々しく、動きもぎくしゃくする場面が多々見られました。

それでも優勝を果たしたのは飯伏です。

しかも史上3人目となる2年連続での優勝。

 

どちらが勝っても不思議ではない試合でしたが、飯伏がSANADAに優っていた部分はなのなのか?

なぜ、SANADAは勝てなかったのか?

 

個人的にSANADAの勝利を確信する場面がありました。

飯伏のカミゴェをポップアップ式のTKOで切り返したSANADAは、うつ伏せの飯伏にラウンディング・ボディプレスを狙います。

続け様に仰向けの飯伏に2度目のラウンディング・ボディプレスを放つ瞬間、SANADAの初戴冠を期待してしまいました。

しかし、飯伏の剣山により塞がれたSANADAはカミゴェ2連発により敗北してしまいます。

 

SANADAのラウンディング・ボディプレス2連発はここぞというタイミングで使いますが、優勝決定戦の飯伏に見舞ったタイミングは最高のタイミングでした。

師である武藤敬司がG1を制覇した際も、ラウンディング・ボディプレス2連発で優勝しています。

闘魂三銃士の蝶野正洋の目の前で決まっていたら、最高の勝利だったことでしょう。

左脚が限界と思われた飯伏が、まさかその足を犠牲にしてまで剣山を突き立てるとは予想できませんでした。

 

リーグ最終戦のタイチ戦で蹴激戦となった影響で、優勝決定戦前日は起き上がることが出来ず。

 

優勝決定戦でも最低2回は脚が動かず倒れる場面がありました。

対戦したSANADAにとっても飯伏の足は限界に感じていたことでしょう。

最高のタイミングで剣山は出せないと思っていたのかもしれません。

 

結果的に負けてしまったSANADAですが、飯伏の覚悟が動かない左脚を動かしたのでしょう。

優勝トロフィーを抱きながら涙を流す姿は、限界を超えた死闘だったことを物語っています。

 

以前、飯伏は自分のベストバウトを聞かれたとき、敗戦した試合を挙げていました

全力を出し切っても勝てなかった試合だからベストバウトだ、というのが飯伏の言い分です。

恐らく、昨日の優勝決定戦は全力を出し切って優勝できたことでしょう

いや、全力以上の何かが飯伏を後押ししていたかもしれません。

 

 

【お知らせ】

本日(10/19)の一夜明け会見は15時00分から配信されます。

次のシリーズの参加選手、各タイトルマッチの対戦カード等が発表になるのでしょう。

無料配信とのことなので、是非ご覧くださいませ。

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