G1クライマックスとは本当に過酷なリーグ戦だと改めて思いました。
34日間で最大10試合闘うということは、3、4日に1回のペースで激闘を繰り広げる必要があり、当然故障箇所も増えていくでしょう。
満身創痍で迎える優勝決定戦。
もしかしたら、普通に決着が付くことさえ奇跡なのかもしれません。
『G1』優勝決定戦は、飯伏が負傷でレフェリーストップに。
オカダが7年ぶり“3度目の優勝”を達成!
試合後、 IWGPヘビー4代目ベルトを会社に要求!!
【10.21日本武道館結果】
★試合の詳細は新日本プロレス・スマホサイトで速報中!https://t.co/am6XNTvJPW#njpw #G131 pic.twitter.com/QL8z4dIiiZ
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) October 21, 2021
G1開幕前には誤嚥性肺炎で約1ヶ月欠場し、リーグ最終戦で場外のテーブルへダイブした飯伏は、肉体的に限界が近かったと思います。
低空飛行のフェニックススプラッシュで負傷し優勝決定戦を不本意な形で終わらせてしまったことに、全ての人を裏切ってしまったと罪悪感を感じているかもしれません。
悲しみと悔しさで気持ちの整理が付かない状況でしょうが、今は焦らず心身共に回復するまで休んで欲しいというのがファンの願いです。
笑顔無き王者の複雑な心情
限界に近かった飯伏同様、コロナに感染し万全とは言えない状態でG1に臨んだオカダカズチカも、満身創痍の状態だったと思います。
7年振りのG1優勝まであと僅かというところで、他力で転がり込んだ勝利という現実。
レフリーストップで試合が止まった瞬間、オカダは何を思ったのか?
嬉しいはずのG1制覇のはずが、引き攣った表情の脳裏にはどんな思考が巡っていたのか…
この日、ファンが歓喜に沸いたサプライズがありました。
2017年以降、欠場している柴田勝頼が5分間のグラップリングルールというシチュエーションながら、リング上で試合を行っています。
当然、オカダもこの柴田の勇姿を喜んでいたことでしょう。
柴田が欠場になったキッカケがオカダとのタイトルマッチだったのだから、嬉しさは人一倍だったと思います。
本来なら優勝後に柴田の話題にも触れたかったことでしょう。
しかし、触れることはできなかった。
リングの上でうずくまって動けない飯伏を見た時、オカダはこう思ったのではないだろうか。
『なぜ、俺の試合は対戦相手を怪我させてしまうのか?』
飯伏戦然り、柴田戦然り、オカダに非は全くありません。
むしろ誰も悪くない。
ただ、偶然にオカダとの激闘で怪我人が出てしまっただけ。
それでも、オカダの心情は穏やかではなかったでしょう。
『また、俺の試合で対戦相手が怪我をしてしまった』と、4年前の柴田戦が脳裏に浮かんでいたかもしれません。
それでも、マイクを握るまでの短い間に自分がやるべきことを整理したんだと思います。
34日間、一緒に闘ったファンに対し、G1を優勝したことを堂々と宣言する必要性。
優勝決定戦を見ている全てのファンに、激闘のG1は素晴らしいリーグ戦だったと伝える責務。
東京ドーム大会に繋がる期待感を植え付ける為に、必死に言葉を紡ぎ伝えきった責任感。
一番複雑な気持ちを抱えていたオカダのマイクパフォーマンスは完璧だったと言えるでしょう。
バックステージで見せた切ない表情
バックステージでの優勝インタビューでも、何度か言葉に詰まったオカダ。
今の心境を聞かれたオカダは、インタビュー当初、気持ちの整理ができず本音を言えなかったのかもしれません。
『まぁ、そうですね。うーん……
胸を張ってG1チャンピオンだと本当は言いたいんですけど、ちょっとね、うん…メチャメチャ本当は……
今まで1ヶ月しっかり闘ってきたし……』
引用:NJPW WORLD
『メチャメチャ本当は…』の後、オカダは何と言いたかったのか。
インタビュー後半はIWGP世界王者の鷹木信悟を挑発し続けたオカダでしたが、結局本心を聞くことはできませんでした。
1ヶ月以上に及ぶ長き激闘を制したオカダですが、本当の闘いはここからがスタートです。
新日本プロレスにコロナ禍前の熱気を取り戻すこと。
オカダが背負う責務は険しい一本道です。
絶対王者のレインメーカーを取り戻すべく、再びイバラの道を進むオカダが目に浮かびます。
誰よりも心に傷を負っているだろうレインメーカーに、癒しの雨が降る日は来るのか…
G1クライマックス優勝できました!
1ヶ月熱い声援ありがとうございました!
最後はアクシデントありましたが、G1覇者としてまだまだ新日本プロレス盛り上げていきます! pic.twitter.com/EG0d7n5Jg8— オカダ・カズチカ (@rainmakerXokada) October 21, 2021