大阪大会のセミファイナルで成し遂げられた“神越え”。
厳しい足攻めを耐えた飯伏幸太が、棚橋弘至から2度目の勝利。
試合を通して棚橋から“気持ちを貰った”と語った飯伏ですが、リーグ突破へ向け価値ある勝ち点2を獲得しました。
試合後、うつ伏せのまま立てない棚橋の手を取り感謝する飯伏。
その飯伏にエースから何かメッセージを送られていました。
試合後、棚橋からのメッセージ…!?
“神越え”達成の飯伏は、棚橋との関係を「“これから始まり”だから」
3敗目で窮地の棚橋は「まだ終わんねえから。俺はしつこいから」
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マイクで拾えるか拾えないかの小さな声で、NJPW WORLD(ライブ&オンデマンド配信)で視聴していたファンも聴き取れなかったことでしょう。
試合後、バックステージでなんとか口を開きましたが、棚橋の口から何を伝えた聞くことはできませんでした。
『どんな、どんな1年を過ごしてきたか、それが今日わかるって言ったけど、飯伏、飯伏よ、苦しんだんだろうな。
期待されて、期待以上にこたえられなくて……。まあ、その苦しみが、飯伏から伝わってくる。
俺の1年は、俺の1年は、考えてみれば、ベルトを獲ったけど、ケガして欠場して、またケガして手術して。人に誇れるような1年じゃなかったかもしれない。
ただ、まだ終わんねぇから。俺はしつこいから……』
大阪2連戦となった翌日、棚橋は飯伏とタッグを組んでバッドラック・ファレとの前哨戦に挑んでいます。
想いを伝えた飯伏と、どんな気持ちでリングに上がったのか…
結局、この前哨戦でも飯伏戦で何を話したかは謎のまま。
『よしッ! 次は、大物狩り、大物狩りといきますか。正面から、正々堂々といくから。
もう、リングアウト勝ちを拾ってきたけど、しっかり、しっかり勝ってやろうと思います。これを英語にして、ファレに言っといて』
飯伏からもその答えを聞くことは出来ず、いつか本人から語られる日を待つしかないのか?
しかし、あの激闘の余韻が残る内に知りたい欲求に駆られます。
もしかしたら、音量を上げれば聴きとることができるかもしれません。
淡い期待を抱き、何度かチャレンジ。
大歓声と解説者の声で微かにしか聴こえませんでしたが、何とかこのフレーズだけ聴き取ることができました。
恐らく棚橋はこう言っていたのでしょう。
『もうとっくに超えてるから』
私が聞いた言葉が間違いでなければ、とうの昔に棚橋は飯伏を認めていたということでしょう。
エースを越える存在として、新日本を託せる存在として。
いつか飯伏が自分を倒した時のために、敢えて言わなかったんだと思います。
飯伏が越えたと思えるその日まで、“飴”を与えさせることはなかったのでしょう。
考えてみればG1直前の棚橋のポットキャストでも、棚橋ならではの表現でEVILに辛辣なエールを送っていました。
シングルプレイヤーとしてはEVILというキャラが足枷になっているせいで、もう一個上(チャンピオン)に推せないんじゃないかと…
直接このポットキャストを聞いたのか、はたまた第三者から聞いたのかは分かりませんが、EVILは確実に棚橋の発言を意識していました。
結局、7・30高松大会で返り討ちにしましたが、EVILにとって今G1ベストバウトになったのではないでしょうか。
試合後の“飴”も忘れることはありませんでした。
『そして、EVILにひとこと言っとこうかな。
ちょっと、上から言われるのは、本人、気に食わないかもしれないけど。
すげぇレスラーになったなあ……』
引用:新日本プロレス
棚橋の言葉に感化されたEVILは、まだまだG1優勝を諦めていません。
『ああ、クソッ……。俺はまだ、「G1」、(優勝決定戦進出の)可能性、残ってんだろ?生き残ってんだろ?
だったらよ、次、浜松(8.7)、オカダ、テメエに死んでも勝ってやる。よく覚えとけ!』
引用:新日本プロレス
棚橋が注いだ油は、黒煙と共に物凄い勢いで燃え上がっています。
EVILが浜松でオカダカズチカを倒すようなことがあれば、棚橋の辛辣なエールが起爆剤になったと言えなくもないでしょう。
棚橋の言葉ひとつで、試合の行方さえも変える力があるのでしょう。
やはり棚橋弘至という存在感と影響力は、誰も代わりはいない神の領域なのかもしれません。