あれだけキレた獣神サンダーライガーを見たのは、いつ以来でしょうか。
神戸大会で鈴木みのるにマスクを剥がれたライガーは、試合後マイクを取り観客の前でこう宣言しました。
『オイ、鈴木!! お前は越えちゃいけねぇラインを越えたぞ、コラ! 俺は、ここ最後、鹿児島、このあとはもうなにもねぇんだよ。
ファンの前で、だからこそ敢えて約束するぞ!
この代償…鈴木の首、獲ります!』
引用:新日本プロレス
バックステージでも怒りが収まらないライガーは、9・22神戸大会で鈴木みのるとのシングルマッチを要求。
マスクを剥がされたライガー
「こういうことしなきゃ、お前は俺を本気にさせられないのか? どんだけ力不足のクソレスラーなんだ」鈴木「30年着けてきたこのインチキな包装紙、俺がいま外してやったんだ」
9.16鹿児島大会をスマホサイトで詳報アップ!https://t.co/efteCV85vn#njpw #njdest pic.twitter.com/rcGrsejtBp
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) September 17, 2019
怒れる獣神に、多くのファンが鬼神ライガーの登場を期待しているのではないでしょうか。
遡ること23年前。
1996年10月20日のグレート・ムタ戦。
シルバーのコスチュームで闘ったライガーは、試合途中ムタにマスクを破られます。
そのマスクの中から現れたのが、白ベースに赤と黒のペイントを施した“鬼神ライガー”降臨の瞬間でした。
ちなみに鬼神ライガーは、2012年の6・16大阪大会で行われたIWGPジュニアタッグ選手権にも姿を現しています。
直前の後楽園ホール大会で挑戦者のタイチにマスクを破られたライガーは、タイトルマッチにシルバーのコスチュームとマスクで登場。
この試合でもライガーのマスクに手を懸けたタイチ。
怒れるライガーのマスクの中から現れたのは、白くペイントをした鬼神ライガーでした。
実はこの試合、NJPW WORLD(ライブ&オンデマンド配信)で視聴可能です。
鬼神ライガーをどうしても見てみたいと言う方は、こちらからご覧になれます。
ただし、今の新日本より刺激が強いのであまりお勧めはできません。
※特に小さなお子さんの視聴は控えてください
今シリーズ、ライガーと鈴木みのるの試合は神戸大会を残すのみです。
怒りが頂点に達したライガーが、いつも通り試合に臨むとは思えません。
ただし、それが鬼神ライガーで登場するかどうかは疑問が残ります。
多くのファンが鬼神ライガーを期待しているかもしれませんが、鈴木みのる本人は違うライガーと闘いたいのではないでしょうか。
鈴木みのるとライガーのシングルマッチと言えば、2002年の総合ルールでの一戦でしょう。
当時の経緯はここでは触れませんが、この時のライガーのコスチュームは上半身裸で、ツノの無い最低限の装飾マスクを被って試合をしました。
私の認識ではこの姿のライガーを「バトルライガー」だと思っています。
場内騒然! ライガーがなんと上半身裸の“バトルライガー”仕様で登場 !
12.18後楽園大会を新日本プロレスのスマホサイト(https://t.co/7xh3nqaLQZ )で独占詳
報中!#njwk10 pic.twitter.com/Icv7PmJzKF— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) December 18, 2015
恐らく、鈴木みのるにとっての“プロレスラー”獣神サンダーライガーは、2002年のバトルライガーなのでしょう。
鈴木みのるは、自身が知っている最も強いライガーと闘いたいんだと思います。
私は、鈴木みのるがライガーの引退を惜しんでるとは思えません。
あくまで主観ですが、どうしても花を持たせたいとは考えられないのです。
プロレスがしたくても闘えないレスラーがいるのに、自分の意志でリングを降りるライガーに「引退おめでとう」など鈴木みのるは言うでしょうか。
引退するまでに偉大なレスラーと闘いたいと思う選手が大半だと思いますが、鈴木みのるの感情は真反対なんだと思います。
恐らく、4・22後楽園大会のバックステージで語った言葉がリアルな気持ちでしょう。
いや、ライガーに対する全ての言葉が鈴木みのるの本音なのかもしれません。
『みんな、この後楽園に来た客はあったか~い気持ちで「最後のライガーを、あったかく送り出してやろう」。
ハハッ、優しいなぁ、後楽園に来てる……バカどもは!
ライガーはなぁ、“脱落者”だ! そう、生存競争激しい、このプロレスの世界で生き残れなかった……いやいや、生きる力を失った、だからやめてく、だから消えてく!
ニヤニヤ笑って、楽しそうにやめようとしてんじゃねぇよ。俺がトドメ刺してやる。
フフッ、オマエ言ったな、ケンカなんだろう? オイ、ケンカって意味分かってるか? オイ、いつまでそんなカッコしてんだ? いつまでお高くとまってんだ、獣神サンダー・ライガー! 口では何とでも言う、「おう、いつでもやってやる!」「いつでもやってやる!」「いつでもやってやる……会社が決めるから」。
オイ、何年やってんだプロレス。オイ、そこのチビ。オマエで、世の中を動かせ。俺はそうやって生きてきた』
引用:新日本プロレス
仮に2人のスペシャルシングルマッチが組まれたとしても、決して感動的な試合にはならないと思っています。
鈴木みのるがライガーにトドメを刺す為に闘う。
それ以上でも、それ以下でもない気がしています。