週刊プロレスはなぜ敗者の鷹木信悟を表紙に起用したのか?

鷹木信悟【撮影:koba】
“独り言考察”




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月7日に発売された週刊プロレスの表紙に疑問や違和感を感じた方は多かったでしょう。

IWGP世界ヘビー級王座を初防衛したウィル・オスプレイが主役の表紙ではなく、そのオスプレイに「MADE IN JAPAN」を仕掛ける鷹木信悟を表紙に起用したのですから。

 

なぜ、勝者のオスプレイを起用しなかったのか?

 

ビッグマッチで行われた新日本プロレスのタイトルマッチの試合を表紙に起用したことは、雑誌の売り上げを考えれば自然なことでしょう。

しかし、なぜ勝者のオスプレイが表紙の主役ではなく、敗者の鷹木が主役だったのか?

当然、勝者のオスプレイはSNSで怒りを露わにし、同じユナイテッド・エンパイアのグレート・オーカーンも詫びの特集を組まなければ許さないと憤慨しています。

 

NEW JAPAN CUP(以下NJC)を優勝した時も、両国国技館で飯伏幸太からIWGP世界ヘビー級のベルトを奪取した時も、オスプレイを表紙に起用したからなのか?

短期間で連続の表紙起用に変化を与えたかったのか?

これは本誌を見るしか答えはないのでしょう。

 

表紙の下には『TRY AGAIN』のキャッチコピー。

試合に敗れてもリベンジを意識したキャッチコピーは、明らかに鷹木の奮闘に焦点を当てていました。

では、試合レビューはどうなっていたのか?

巻頭の2ページを使ったIWGP世界ヘビー級選手権は、明らかに鷹木目線で書かれています

改めて週刊プロレス5/19号は、鷹木を主役に起用したのだと気づくことができました。

週刊プロレス 2021年 5/19号 No.2121【電子書籍】[ 週刊プロレス編集部 ]

 

プロレス専門誌が期待する鷹木信悟という漢

 

ロスインゴの新メンバーとして、鳴り物入りで新日本プロレスの一員となった鷹木信悟。

負け知らずで参加した「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」の決勝戦で、鷹木に初めて “土” を付けたのはオスプレイでした。

NJC決勝でも負けた因縁の相手であり、目の上のたんこぶ。

新日本での実績は完全にオスプレイが勝っていますが、週刊プロレスが鷹木に期待するのはオスプレイとのライバル関係でしょう

 

数年前まで団体最高峰のカードと言えば、「オカダカズチカ vs ケニー・オメガ」でした。

同一カードで2年連続となるプロレス大賞・ベストバウト賞を受賞。

しかし、ケニーは主戦場をアメリカのAEWに移し、団体最高峰のカードは消滅してしまいました。

新日本にはトップレスラーが数多く在籍していますが、「オカダカズチカ vs ケニー・オメガ」というブランドを超えることは容易ではありません。

 

恐らく、週刊プロレスは「ウィル・オスプレイ vs 鷹木信悟」というブランドに期待しているのでしょう。

2人が魅せる異次元の攻防は、オカダとケニーに勝るとも劣らないものがあります。

強いて劣っている部分を挙げるとすれば、ブランド知名度ぐらいでしょう。

 

これまで新日本で4度実現したシングルマッチ。

いずれもベストバウトと言える試合であり、試合を重ねるほどハイレベルで危険な攻防への進化しています。

 

世界が認める「オスプレイ vs 鷹木」ブランドの確立のため

 

新日本ではまだ実績は足りないものの、鷹木信悟の実力は誰もが認めるところでしょう。

近い将来、NJCを制し、G1クライマックスを制し、IWGP世界ヘビー級王者に輝ける実力を持っています。

オスプレイもまた団体最高峰のベルトを手にして日が浅く、誰もが納得する結果を残す必要があるでしょう。

 

鷹木はオスプレイを最も輝かせる存在であり、その逆も然り。

今の2人なら「オカダ vs ケニー」ブランドを越える可能性を秘めています。

「オスプレイ vs 鷹木」のブランド力を高まるためにも、最新号の表紙に鷹木を起用したとすれば納得です。

 

キャリア17年にしてまだまだ底が見えない鷹木信悟というレスラー。

オスプレイとのライバルストーリー、そして新日本でどんな結果を残せるのか。

昇り龍の如く新日本のトップに君臨する日も、そう遠くはないでしょう。