秋山準のレンタル移籍で揺れる全日本プロレス福田社長の手腕に付いて考える

全日本プロレス




DDT TV SHOW!」冒頭の会見で正式に発表になった秋山準のレンタル移籍。

全日本プロレスのファンにとってこの移籍は何を意味するのか?

 

正直、子供の頃から新日本プロレスばかり見ていた筆者は、全日本プロレスの歴史も知らなければ“王道”の系譜も知りません。

今回の一件はドラスティックに捉え、客観的な目線で見ていました。

そして、Twitterのタイムラインに流れたこの言葉について考えてみたいと思います。

「明日から全日本プロレスはただの名称になる」

 

秋山準というレスラーがいてこその全日本プロレスと思うファンも、一定数いるでしょう。

逆に、諏訪魔を始めとする全日本プロレスの看板も守る選手がいる限り、全日本は変わらないというファンもいます。

いずれのファンも全日本プロレスへの愛が深く、全日本になくてはならないレスラーのレンタル移籍にショックを隠せないでいるのでしょう。

 

今回のコロナ禍の影響で、ずっと心配していることがありました。

それは、興行収入が主であるプロレス界で倒産してしまう団体が出てしまうのではないかということ

選手がいなければプロレス団体は成り立ちませんが、会社がなくなれば守るべき団体名もなくなります。

どちらを天秤にかけても答えは出ませんが、コロナ禍の非常事態で一番存続を不安視していたのは全日本プロレスでした

経営者という立場から全日本プロレスの福田社長は、この未曾有よピンチをどう乗り切ろうとしていたのか。

 

社長という立場を退任となり、昨年末には若手の育成もTJIRIに譲る形となった秋山。

全日本としても秋山というブランドをうまく活かせなくなったんだと思います。

そんな中起きたパンデミック。

3・23後楽園ホール大会を最後に有観客大会を行えなくなった全日本は、収入源の殆どを失ったんだと思います。

 

興行収入が見込めない以上、次に頼るのは「全日本プロレスTV」の収入となるでしょう。

2018年から始まったライブ&オンデマンドサービスの「全日本プロレスTV」ですが、その会員数やどのくらい収益化しているかは不明です(会員IDも4桁目以降は伏せています)。

コロナ禍の影響下で初めて無観客試合の配信を行ったのが4月6日で、次の配信が4月30日。

常に月末に無観客試合を設定していることから、「全日本プロレスTV」の解約阻止に尽力を注いでいたんだと思います。

 

6月30日に配信になる無観客初の三冠戦は22:00からの配信です。

試合数も多いことから、配信終了が翌日に繰り越すことは確実でしょう

多くの「全日本プロレスTV」会員を、有観客興行開始まで持続させるための戦略なんだと思います

 

DDT側から来たレンタル移籍の話しに、全日本の経営者としては断る理由がなかったことでしょう。

レンタル移籍ということは、在籍期間中のサラリーはDDTが払うんだと思います

通常興行を行えない苦しい財政状況の中で、決して安くはないだろう秋山準のサラリーが浮くことは、会社を存続させる為の経費削減に繋がるはずでしょう。

他団体ではTVマッチをスタジオや会場で行い演出にもコストを割いていましたが、全日本では道場マッチでの無観客試合を続けていました。

どんな環境でも全日本のプロレスを提供していましたが、経営陣としては歯痒い想いもあったことでしょう。

一時的に全日本の財産を手放したとしても、会社を存続させるための施策を優先したのではないでしょうか

 

一部報道では、来年以降完全移籍の可能性も匂わせていましたが、「DDT TV SHOW!」での会見ではレンタル移籍の話ししか出ませんでした。

今回のDDT移籍を客観的に見れば秋山準というレスラーの価値を再び輝かせる機会であり、全日本に残されたレスラー達は今まで以上に危機感を持ち“王道”を語れるレスラーを目指すべきなんだと思います

 

私には秋山準が全日本からいなくなることで、王道が存在しなくなってしまうのかどうかは分かりません。

しかし、会見で秋山が語った通り王道は一選手に依存するものではないのでしょう。

伝えるものって、あとは自分でいろいろ考えていくものだと思うので

僕はいつも言っているんですけど、王道は馬場さんのもので、僕のものでもないんですよ

それは全日本の選手達も「俺たちが王道だ」と言える人は誰もいないと思うんですよ。俺がそうじゃないんだから。

だから自分たちの道をしっかり作っていってもらいたい』

 

そう考えると、全日本プロレスという団体が存続する道こそが王道なのかもしれません。