「SUMMER STRUGGLE 2020」後楽園ホール4連戦の2日目。
会場を溢れんばかり多幸感で埋め尽くしたのは、棚橋弘至と飯伏幸太の絆でした。
IWGPタッグのリマッチを目指すゴールデン☆エースですが、このままではタイトルマッチ挑戦には程遠い状態です。
ここまで不甲斐ない闘いが続く棚橋に対し、敢えて距離を取る好調の飯伏。
決して棚橋のコンディションが悪いとは思いませんが、毎試合古傷の膝を狙われては思うような動きができなくても仕方ないでしょう。
昨日のNEVER無差別級6人タッグトーナメント1回戦でも、先発を買って出た棚橋。
いつも通りの脚を中心に攻められるローンバトルが続きましたが、それでも飯伏は安易にカットに入りませんでした。
棚橋も頑なに耐え続け、自力でタッチできるチャンスを伺います。
しかし、結局タイチとザック・セイバーJr.に捕まる棚橋。
とどめを刺すように命令される飯伏に、会場の視線が集まりました。
一瞬、棚橋の両腕を取りカミゴェポーズをするも、直後にタイチとザックを蹴散らした飯伏。
飯伏に助けられた棚橋の『飯伏っ!』という叫びに、胸が締め付けられたのは私だけはないでしょう。
実は放送では映らなかった場外で、心打たれる出来事がありました。
棚橋を助けリングした飯伏は、ザックとの攻防の後、マスター・ワトとスイッチすると北側の場外に転がり落ちています。
北側の場外には、鈴木軍の猛攻に耐えた棚橋がまだ倒れていました。
一瞬の出来事でしたが、倒れた棚橋の拳を握った飯伏。
飯伏なりの感謝を伝える表現だったのかもしれません。
コンマ何秒、優しくそっと握った神の手。
ゴールデン☆エースの絆が復活すれば、恐れるモノはもうないでしょう。
最大のピンチを飯伏に救われた棚橋は、タイチを丸め込んで3カウントを奪取。
これでNEVER無差別級6人タッグトーナメント進出、タイチとザックの持つタッグのベルト挑戦へ一歩前進です。
試合後、勝者のゴールデン☆エースを場外に追いやったザック。
そして、タイチは飯伏へ最後のチャンスを与えました。
『最後のチャンスやるよ。こいつ(棚橋)を捨てるかよ、こっちに来るか、ハッキリしろよ。こんなヤツもういらねぇだろ!? 見てみろ。これで勝ったって言えんのか!? よく見てみろよ! こんなヤツ、IWGP獲れるのか、お前!? え!? どうなんだよ、お前!? タッグ(ベルト)獲れるのか、こんなヤツと!? そんなヤツよりよ、こっちのほうがおもしれぇんじゃねぇか!? 捨てろ。そんなヤツ見限れ。あ!? どうすんだよ!? 最後のチャンスだよ。最後のチャンスくれてやるよ、お前によ。選べよ、早く』
引用:新日本プロレス
この勧誘に迷いなく『もう決まっているから』と答えた飯伏。
傷付いたエースに肩を貸しバックステージに戻る姿に、後楽園ホールは多幸感に包まれました。
これでゴールデン☆エースの絆が復活したと安心できるでしょう。
結局、飯伏幸太の意思はブレることがなかったんだと思います。
何事も全てが決まっているわけではない
自力で変化させることができるから全ての起こり得る出来事がおもしろい
ただ、基本的に自分は決めたことは変わらない。
おやすみ
— 飯伏 幸太 (@ibushi_kota) August 1, 2020
飯伏が讃える神に戻るため、相手の攻撃を耐え抜いた棚橋。
棚橋なら自力で抜け出すと信じ、安易に助けに入らなかった飯伏。
結果、思ったようにはいかなかったのかも知れませんが、神が与えた試練を2人とも乗り越えたんだと思います。
昨夜のバックステージは胸熱でした。
今の自分は飯伏の期待に応えられないけど、上を目指し続けると語った棚橋。
感極まりながら飯伏に伝えた言葉は…
『次はな、お前が神になれよ!』
20年間、どん底の時代も栄光の時代もずっと新日本を守ってきた男のバトンタッチ。
貪欲に新日本の中心に君臨してきた男の『神』継承に、太陽は2ついらないということなのでしょう。
ここまでこれば飯伏に必要なものは1つなのかもしれません。
誰にも負けない心の強さ、常に輝く主役感、悪にも屈しない負けない心は、もう身に着けているでしょう。
飯伏に今必要なものは、ファンの前での主役宣言。
多くのファンが期待しているでしょう。
今まで以上の活躍と、飯伏なら何かしてくれる・言ってくれるだろうというワクワク感を。
【お知らせ】
8・6、8・7後楽園ホール大会は現地で観戦してきました。
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