コロナ禍の影響で中止になってしまったジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」。
ジュニアの冠大会が無くなった2020年に、急遽組まれたIWGPジュニアタッグ王座決定リーグ戦は、多くの選手にとって喉から手が出るほど欲しいチャンスなんだと思います。
たった4チームの選出でも、各チーム主役の座を狙っていることでしょう。
タッグリーグの公式戦が行われる大会は、すべてメインイベントとセミファイナルを飾ります。
負けたら後がなくなるリーグ戦で、初戦で結果を残したのは田口隆祐&マスター・ワト組。
先日の神宮大会では慣れない真夏の野外試合でミスが目立ったワトでしたが、元タッグチャンピオンの金丸義信&エル・デスペラード組を一網打尽。
チームとして機能しただけではなく、縦横無尽に駆け回ったワトが金丸からピンフォールを奪いました。
タッグのスペシャリストである田口監督をパートナーにしたワトが、このリーグ戦の台風の目となりそうです。
白星スタートで、歓喜に沸く田口&ワトwith天山!
しかし、タッグチーム名の行方は不透明…!?
田口「我々は? 我々は?」
ワト「……俺たちは、ワン・オア・エイトだ!」
田口「……ちょっと意味わかんない」
☆コメント全文は
⇒https://t.co/u4ixCsjvgp#njroad #njpw pic.twitter.com/GbIOOKQJwk— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) September 5, 2020
ジュニアのタッグリーグで私が最も期待している選手は、久し振りに高橋ヒロムとタッグを組むBUSHIです。
2017年のスーパージュニアタッグトーナメントで優勝を期待されていた2人ですが、準決勝で敗退。
未だにジュニアのタッグベルトを巻けていない2人が、約束しているというIWGPジュニアタッグのベルト初戴冠を狙います。
ロスインゴのお家騒動と言われた二冠戦で、EVILに次ぐ裏切りを予想されていたのはBUSHIでしょう。
あまり多くを語らないBUSHIに、多くのファンが疑惑の目を向けていました。
意味深なツイートも相次いだことから、当ブログでも裏切りの可能性について考察しています。
内藤哲也、EVIL、BUSHIの3人で始まったロスインゴ。
創設メンバーであるEVILの裏切りには、怒りと悲しみがあったことでしょう。
しかし、ロスインゴを裏切るという行動を起こしたEVILは、二冠奪取という結果を残しました。
もしかしたら『自分が裏切ったら』について妄想しているかもしれません。
ロスインゴのままチャンスを待つのか、一歩踏み出し強引にチャンスを奪うのか…
ヘビーに比べベルトの種類が少ないジュニア勢は、ヘビー級以上にチャンスが巡ってこないんだと思います。
少ないチャンスを必ず手にできるわけではないでしょう。
チャンピオンを急襲し強引に挑戦表明する方が、ファンから支持を得られるかもしれません。
しかしBUSHIは、ロスインゴでチャンスを待つ道を選びました。
絶対的存在感を放つ高橋ヒロムと共存するという道を。
BUSHIは新日ジュニア勢の中でもファンが多いレスラーでしょう。
その証拠にSNSのフォロワー数も、高橋ヒロムに次ぐ10万人クラスです。
もっと積極的に、もっと貪欲にシングルのベルトを狙って欲しいと願うファンも多いかもしれません。
それでも我が道を進むBUSHIのレスラーとしての信念には、『わび・さび』の美意識があるのかもしれません。
※侘寂(わびさび)…貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする意識。閑寂ななかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ(Wikipediaより)
常にベルトを求めて自己主張するのではなく、つつましく待つ姿勢。
一つのチャンスを大切にする姿勢に宿るのは、BUSHIの美学かもしれません。
BUSHIのツイートには基本言葉がなく、モノクロの写真も多用しています。
— BUSHI (@BUSHI_njpw) September 5, 2020
説明が足りなく勘ぐりたくこともあるでしょう。
意味深と感じるツイートには、敢えて十分な説明をせず、想像力を刺激されます。
これも『わびさび』の美意識なのかもしれません。
IWGPジュニア王者と対戦することとなったリーグ初戦は、ヒロムとの新しい新しい合体技で勝利をものにしました。
本日の公式戦に勝利すれば、高確率で優勝決定戦に駒を進めます。
自信があると語った今回のリーグ戦で、ヒロムとのタッグ王者初戴冠は期待が膨らむばかり。
この2人なら長期政権も可能でしょう。
そして、その先にはIWGPジュニアヘビー級挑戦も虎視眈々と狙っているんだと思います。
BUSHIが歩む道に宿る美意識。
これもBUSHIの魅力の1つなんだと気づくことができました。