前哨戦10連敗で臨んだ広島大会でのスペシャルシングルマッチ。
NEW JAPAN CUP(以下NJC)一回戦でレフリーストップで敗北したグレート・オーカーンに、絶対負けられない闘いを挑んだ内藤哲也が崖っぷちだったことは間違いないでしょう。
『心からの挫折を味わわせる』とまで言われた相手に、どんな手を使われるのか恐怖心もあったんだと思います。
結果的に内藤哲也が3カウントを奪い辛くも勝利しましたが、そこにはある疑問も浮かびました。
オーカーンは内藤に勝てなかったのか?勝たなかった?
“ホーム”広島で待望のデ・ハポン締め!
オーカーンと白熱の因縁マッチを制して「逆転の内藤哲也」を宣言!!
4.26広島大会の結果はコチラ!
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オーカーンが勝利至上主義なら…
『貴様は常に挫折する運命だ』『心からの挫折を味合わせる』と脅し続けた前哨戦。
もしかしたら内藤本人以上に恐怖心を感じていたのは、私達ファンかもしれません。
序盤のグランドの攻防は、非常に緊張感のある展開でした。
簡単に足を取らせない内藤でしたが、最初に関節技を決めたのはオーカーンです。
アマ格闘技十冠王の異名は伊達ではありませんでした。
この瞬間、内藤ファンはある光景が浮かんだのではないでしょうか。
それは2018年4月の熊本大会での鈴木みのる戦。
関節地獄で試合中まともに歩けなくなった内藤が紙一重で勝利した試合です。
もしかしたら、オーカーン戦も関節技で蹂躙されるのではないかという恐怖。
試合終盤に膝を狙われたらどうしようと考えると、安心して見ることなどできるはずもなく…
しかし、オーカーンは序盤以降、殆ど内藤の古傷である膝を狙うことはありませんでした。
NJCで膝攻めで勝利していたにも関わらず。
そこにはどんな信念があったのか。
これより言葉は必要なくなる。
さぁ、運命を支配しに参る。
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オーカーンの美学
正直、終盤にオーカーンが関節技に持ち込んでいたら、結果は違うものになっていたかもしれません。
シングル3連敗の崖っぷちの内藤は、ギブアップせずに無理に耐え忍ぶ展開が続いたことでしょう。
しかし、オーカーンは内藤の膝を狙いませんでした。
恐らく、レフリーストップで内藤から勝利することは望んでいなかったのでしょう。
オーカーンの言う “挫折” を味わわせるには、関節技でも勝ち、違う勝ち方でも勝って内藤に完勝することだったのではないでしょうか。
同じ勝ち方での連勝に美学を感じず、自らの強さを誇示ために内藤から3カウントを奪うことに拘った。
レスラーの拘りではなく、オーカーンという漢の美学。
もしかしたら、エリミネーターでのみの勝利を狙っていたのかもしれません。
オーカーンはイバラの道を歩むのか
散々侮辱した相手に敗北したのですから、ファンやメディアからのバッシングもあるでしょう。
早速、お膝元だったスポーツ紙からは見事に手のひらを返されました。
「【新日本】業界随一の勘違い男・オーカーンついに天罰! 内藤哲也に処され広島に散る」
【新日本】業界随一の勘違い男・オーカーンついに天罰! 内藤哲也に処され広島に散る https://t.co/68iFz6PqYO
— 岡本佑介@東京スポーツ新聞社 (@okamotospo) April 26, 2021
もしかしたら、今後も勝ち方に拘る美学がオーカーンの勝利を邪魔するかもしれません。
それでも、オーカーンは自分の美学を貫き勝利の女神と闘い続けることでしょう。
これからもファンに媚びないレスラーがどんな道を歩むのか。
栄光に続く道なのか、それともイバラの道なのか…
どんな道が待ち構えていようと、自分の信条を貫くのでしょう。
『余を起点にプロレスをもっと見せること』
どんな理由であろうと、どんな手法であろうとプロレスを見るファンが増えれば新日本の衰退はありません。
広島大会の試合後、対戦相手の内藤もレスラーとしての実力も広報としての力も絶賛しました。
オーカーンの信念と侵略が、今後も新日本を盛り上げることは間違いないでしょう。