感動的なフィナーレで幕を閉じたG1クライマックス翌日、一夜明け会見で飯伏幸太に“東京ドーム・IWGPヘビー級&IWGPインターコンチネンタルダブル王座挑戦権利証”が渡されました。
来年の東京ドーム大会で、飯伏はIWGPヘビーとインターコンチネンタルの両方のベルトに挑戦することが決定したということです。
「2つのベルトを“内藤哲也から”獲りたい。これは必ず成し遂げたいです」
『G1』2連覇!権利証を手にした飯伏幸太が野望を語る!
「いつでも何回闘っても負ける気はしない」
“次期挑戦者”ジェイを一蹴!10.19一夜明けオンライン会見
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来年の東京ドーム大会は、今年に引き続き2日連続で行われることも決定しています。
権利証保持者が初日に二冠戦に臨むのか、2日間かけてIWGPヘビーとインターコンチに挑戦するのかは分かりません。
ただ、今年の日程を考えるとビッグマッチは11・7大阪大会と12・11日本武道館大会で終わりでしょう。
来年のダブルドームが終わるまで、二冠のベルトを別々にするのは難しいんだと思います。
この会見の数時間後には11・7「POWER STRUGGLE」大阪大会の対戦カードが発表になりました。
もうご覧になった方も多いと思いますが、この対戦カードを見た時の私の第一印象は“違和感”です。
【11月7日(土)大阪の全カードが決定!】
メインは内藤哲也vs EVILの“二冠戦”!
セミでは飯伏幸太とジェイ・ホワイトが“東京ドーム・ダブル王座挑戦権利証争奪戦”!
第4試合の“IWGP USヘビー級王座挑戦権利証争奪戦”でKENTAと棚橋弘至が激突!https://t.co/sl5DqIojeB#njpw #njpst pic.twitter.com/iLPE4BZtkq
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じっくり見ると、その違和感の正体がいくつも見えてきました。
▪︎全6試合、全てシングルマッチ
▪︎ジュニアの選手が全くいない
▪︎前哨戦シリーズのカードが決まっていない中での発表(10月19日現在)
G1クライマックスシリーズ同様、大会中の試合数上限を6試合に設定したビッグマッチ。
今の状況を考えたら仕方のないことでしょうが、少し寂しい気もします。
多くの選手が出場することができず、ジュニアの選手の出場に関しては全くの皆無です。
これを否定するつもりはありませんが、6試合連続のシングルマッチは濃密な大会になるでしょう。
違和感の正体はもう一つあります。
第4試合からメインイベントまで、バレットクラブの中心人物が対戦カードに組み込まれているということです。
EVILが入るまでのバレットクラブの序列は、実質昨年加入したKENTAよりジェイ・ホワイトの方が上でしょう。
そのジェイがセミファイナルで試合をし、メインにはEVILが二冠戦に挑みます。
つまり、飯伏とジェイのダブル王座挑戦権利証争奪戦の結果が出た後、EVILの試合があるということです。
一体これが何を意味するのか?
過去、挑戦権利証争奪戦においてG1覇者は誰一人負けたことがありません。
挑戦権利証が移動しなかったのは、過酷なリーグ戦の頂点にたった優勝者の維持でしょう。
もし負けてしまったら、G1優勝者の権威はなくなり多くのファンを失望させることになります。
権利証争奪戦は、G1優勝決定戦以上に絶対負けられない闘いです。
今回挑戦権利証争奪戦に挑むジェイですが、勿論負けるつもりはないしょう。
飯伏に勝つための“策”も用意してくると思います。
しかし、もし負ければジェイの手元には何も残らず、黙ってEVILの二冠戦をの行方を傍観するしかありません。
何も手にすることができなかったジェイは、本当に黙ってEVILの二冠戦の行方を見守ることができるのか?
無冠の自分と2つのベルトを抱えるEVILを想像したら、これほど屈辱的な事はないでしょう。
黙って見ていられるはずがありません。
6試合中、3試合はバレットクラブのメンバーが出る試合です。
この日はメンバーの殆どが集結する可能性もあるでしょう。
翌週には「WORLD TAG LEAGUE」(以下WTL)も控えています。
チェーズ・オーエンズやG.O.Dも会場にくるかもしれません。
もし権利証争奪戦に負けることを想定した場合、ジェイはバレットクラブのメンバーに対し事前にこうお願いするのではないでしょうか?
『EVILは信用できない。二冠戦前に追放しよう』
全員が賛同するとは限りませんが、EVILの加入を快く思わないメンバーもいるはずです。
タマ・トンガは2度WTL優勝をEVILに阻まれています。
受け入れろという方が無理があるでしょう。
これは最近タマ・トンガがSNSで発信したメッセージです。
Can’t we all just get along #BulletClub https://t.co/N1bELZkeQ3
— Tama “The Good Bad Guy” Tonga (@Tama_Tonga) October 19, 2020
『Can’t we all just get along(みんな仲良くできない)』
あくまで妄想の域を出ませんが、ジェイのプライドを考えたら二冠戦前にEVILを襲撃しディック東郷を拉致する展開になりかねません。
バレットクラブのメンバーを引き連れて入場も、試合開始前にまさかの襲撃に遭い、東郷は連れて行かれ独りになってしまうEVIL。
介入無しに勝てるものなら勝ってみろと言わんばかりに、独り取り残されてしまうのか…
もしジェイが挑戦権利証争奪戦に負けるようなことがあれば、二冠戦の前にEVILの追放劇が行われる可能性は十分あり得るでしょう。
「POWER STRUGGLE」とは、直訳すると“権力争い”という意味です。
突然、無所属になってしまったEVILに対し、元パレハである内藤哲也はどんな気持ちで闘うのか。
今年3度目となる内藤とEVILとの二冠戦。
EVILにとって試練の二冠戦になるかもしれません。