一度は中止とアナウンスされたものの、大復活を成し遂げた今年のベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(以下BOSJ)。
1リーグの総当たり戦になったことで、出場選手は他の出場選手全員と対戦するという近年では起こらなかったシチュエーションになりました。
不幸中の幸いとも言える特別仕様のBOSJです。
全部で45つある公式戦で、個人的に最も楽しみにしていた試合が3つあります。
1つ目は2年振りのBOSJとなった高橋ヒロムとエル・デスペラードの公式戦。
2人のライバル関係は説明不要なほどファンに認知されており、後楽園ホール大会の前売りチケットも事前に完売。
シリーズ前にIWGPジュニアタッグでも闘っていた両者でしたが、BOSJの公式戦でもヒロムが完敗に終わります。
鬼気迫る攻防を制したデスペラードは、実現しますれば初の快挙となるBOSJ優勝を宣言しました。
日本武道館のセミかメインで、デスペラードのシングルマッチが実現するかどうか注目です。
2つ目の試合は、初対決となった同門対決のヒロム vs BUSHIの一戦。
特別なシチュエーションで闘いたいと語っていたBUSHI。
今まで一度も実現しなかったロスインゴ対決ですが、終始ヒロムとの対戦を楽しんでいるようにも見えました。
ベルト戦線では先を行くヒロムに、BUSHIもいい刺激を貰ったことでしょう。
初対決は敗戦したものの、口から出できた言葉は『お前、最高だよ』という賛辞でした。
楽しみにしていた3つ目試合は、昨日の後楽園ホール大会で行われたデスペラードとDOUKIの兄弟分対決。
日本でもメキシコ時代でずっと一緒だったという2人ですが、DOUKIが新日本に上がるキッカケとなったのは2019年3月31日のタカタイチハウス出場でしょう。
この大会でデスマッチのカリスマこと葛西純とのシングルマッチが組まれたDOUKIでしたが、試合に敗れた後も暴行を続けます。
そんなDOUKIを救ったのが兄貴分のデスペラードです。
結果、約1ヶ月後に行われたタカタイチマニアでデスペラードと葛西純のシングルマッチが決定。
この試合で顎を骨折したデスペラードは、同月行われたBOSJ欠場となり代打で出場したのがDOUKIです。
欠場により2年振りのBOSJ出場となったデスペラードと、自力で出場権を掴んだDOUKI。
葛西純との試合で、デスペラードがDOUKIを助けなかったら実現しなかったかもしれない兄弟分対決。
初のシングルマッチにエモーショナルを感じたファンは、私だけではなかったでしょう。
エプロンでの断崖式モンキーフリップは、信頼関係がある2人だから成立する技です。
.@DoukiPerros ”monkey flip”
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— njpwworld (@njpwworld) November 29, 2020
試合後、お互い悔しいと語ったデスペラードとDOUKI。
次はもっと注目される舞台で闘いたいという現れなのか…
混戦のBOSJは王者らしい横綱相撲でBUSHIを下した石森太二と、耐えに耐えて辛勝した高橋ヒロムが勝点10でトップに踊りでました。
開幕の敗戦以来、5連勝と絶対的強さを誇る石森と次戦大阪大会で闘うのは、兄弟分対決を制したデスペラードです。
現在の勝点差は2、次デスペラードが勝てば石森に並びます。
しかし、石森に負けるようなことがあればリーグ戦1位突破の可能性は消滅するでしょう。
デスペラードにとっての天王山は、次戦の石森戦になるはずです。
優勝を宣言したデスペラードにとって絶対負けられない試合。
佳境を迎えるBOSJでデスペラードがどんな闘いを魅せるのか。
BOSJはリーグ終盤を迎え、ますます面白くなりそうです。