新日本プロレスのABEMA中継復活は何を意味するのか?

東京ドーム大会【撮影:koba】
“独り言考察”




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日本プロレスから意外なニュースが飛び込みました。

4月13日から新日本プロレスのライブ中継がABEMAで復活するというニュースです。

 

ABEMAで配信される大会は?

 

ABEMAと言えばセイバーエージェントが運営するライブストリーミング形式のインターネットテレビサービスであり、子会社であるサイバーファイトのDDTプロレスリングやプロレスリング・ノアの大会も配信しています。

つまり、4月からは新日本とDDT、NOAHの中継がABEMAにて無料で視聴することができるということです

なお、月1回のライブ配信をベースにABEMAビデオでは過去の試合も配信予定とのこと。

『生中継が決定した大会は、4月13日(火)に後楽園ホールにて開催される「Road to レスリングどんたく2021」を皮切りに、5月10日(月)の「Road to WRESTLE GRAND SLAM」や6月1日(火)の「Road to DOMINION」で、今後も熱いカードの前哨戦がそろう全12大会を、年間を通じて続々と生中継!

また4月13日(火)より、「ABEMAビデオ」にて、約30年に渡り一戦で活躍してきた獣神サンダー・ライガー氏の引退試合が行われた「WRESTLE KINGDOM 14」や、大会連覇を狙う飯伏幸太選手とSANADA選手による優勝決定戦が大きな話題となった「G1 CLIMAX 30」ほか、2020年に開催されたビッグマッチ10大会の配信も決定いたしました』

引用:新日本プロレス

 

直近で配信される大会を見る限り、ビッグマッチなどではなくシリーズ前哨戦の後楽園ホール大会が主になるでしょう。

そうなると実況や解説はABEMA専用の方になるかもしれません。

 

ABEMAで新日本プロレスが放送されることによる3者のメリット

 

ここからが本題です。

今回の新日本プロレスのABEMA復帰がどちらから提案されたのかは分かりませんが、3者にとってメリットがあるから成立したんだと思います

3者とは新日本プロレスABEMA、そしてDDTやNOAHを運営するサイバーファイトです。

 

ABEMA側は今回の新日本の中継復活に対し、プロレス中継の強化を宣言しています。

『「ABEMA」ではサービス開始以来、「格闘チャンネル」においてプロレスや総合格闘技などの大会中継を積極的に行い、すべての格闘ファンの皆さまへ、プロレスの面白さや魅力を伝えてまいりました。(中略)「ABEMA」では、今後もさらなる団体と業界の発展を目指し、様々なかたちでの格闘技の中継や番組配信を行ってまいります。ぜひ、ご期待ください』

引用:サイバーエージェント

 

国内最大規模のプロレス団体の配信によるシャワー効果も期待しているのでしょう。

このコメントを見る限り、ABEMA側が最も積極的に新日本の大会配信を望んでいたのかもしれません。

ABEMAの格闘チャンネルにおいて、プロレス中継は大きな武器になると判断されました。

 

新日本プロレス側にとってはABEMA視聴者層で最も多いと言われる10代、20代にリーチできることが最大のメリットです。

有料動画サービス加入が難しい世代にとって、新日本を見る方法は公式のYouTubeチャンネルかテレビ朝日が放送するワールドプロレスリングだけ。

月1回のライブ配信や過去の大会の配信をするということであれば、既存のNJPW WORLD※ の会員離脱には繋がらないと考えられます。(※新日本プロレスの大会を有料配信するライブ&オンデマンドサービス)

今回のABEMAの配信復活は、新規ファン獲得に繋がることでしょう。

 

では、DDTやNOAHは今回のABEMA新日本参入をどう捉えているのか?

NOAHの関係者や選手の発言を見る限り、好意的に捉えていると思われます。

 

サイバーファイトの武田取締役は新日本プロレス公式アカウントのABEMA復活ツイートをリツイートし、拳王は間接的に勝負できるとNOAHにとってもメリットがあることを強調しました。

新日本の中継目的でABEMAを見たファンがNOAHやDDTの中継を見る可能性もあり、新たなファン獲得にも繋がるでしょう。

新日本がシリーズ前哨戦の配信に比べ、ビッグマッチの配信がメインのNOAHは、比べて見て欲しいというのが本音かもしれません。

 

ABEMAが新日本プロレス配信再開で目指すもの

 

3者にとってメリットのある新日本のABEMA放送復活ですが、ABEMA格闘チャンネルの充実だけが目的ではないでしょう。

DDTとNOAHが経営統合※ し業界1位を目指すと宣言、新日本プロレスはライバルと公言したのは昨年のことです。(※昨年7月にサイバーファイト設立

新規ファンを増やす為だけではなく他の目的もあるのではないでしょうか?

恐らく、ドリームカードである『オカダカズチカ vs 清宮海斗』の実現です

 

オカダは2018年にIWGPヘビーの最多連続防衛記録を更新。

先日は東京オリンピックの聖火ランナーも務め、名実ともに新日本プロレスの顔です。

 

一方、NOAHの未来と言える存在の清宮ですが、昨年のNOAH-TVマッチでオカダを連想される発言を口にしました。

『それと、これは俺の頼みというか…“レインメーカー”をこの体で体感したい!』

 

最近交流がなかった両団体ですが、ABEMA経由で新しい試みがあるかもしれません。

例えばABEMAプレミアム限定マッチやABEMAプレゼンツの新日本・サイバーファイト合同興行など、ABEMA側から両団体に提案する可能性もあるでしょう。

今回の新日本プロレスABEMA復活は、禁断の扉を開くオプションになり得ると思っています。

遠くない将来、オカダ vs 清宮が実現することを期待するばかりです。