G1初出場を熱望するデビッド・フィンレーのNJPW愛

デビッド・フィンレー【撮影:koba】
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、AEWデビューを果たし前AEW世界王者のハングマン・ペイジと闘ったデビッド・フィンレー。

 

陽気な外国人レスラーのイメージが強いフィンレーですが、一方でなかなかチャンスに恵まれない印象があります。

2015年に新日本プロレス初参戦を果たしたフィンレーが、来日7年目にしてG1クライマックス初出場を熱望しました。

『今夜はハングマンが良いレスラーだったが、俺は絶対的なベストになるまで諦めない。

すべてのチャンスが欲しいし、すべての戦いが欲しい。

新日本プロレス、俺をG1に出してくれ』

 

フィンレーが熱い想いを伝えてくれただけでも感無量ですが、この言葉以上にフィンレーの苦悩を今一度振り返りたいと思います。

フィンレーと言えば、野毛道場でヤングライオン時代を過ごした外国人レスラーです。

同期はあのジェイ・ホワイト、ヤングライオンの先輩はSHOとYOH。

外国人でありながら日本の道場システムで鍛錬する日々は、想像を絶する苦労の毎日だったことでしょう。

家族にも友人にも恋人とも会えず、言葉が伝わらない世界で、道場という特殊な環境で、毎日練習に明け暮れる日々。

 

あれから数年経ち、昨年はアメリカ大会で同期のジェイとNEVER無差別級王座を懸けて闘いました。

当時のインタビューではジェイとの決戦を前にして、同期、SHO、YOHに感謝を述べています。

『(ジェイと)実は、日本よりもっと前から知り合いだったんだ。キャリアのスタート直後、二人とも同じ時期にイギリスにいたので、道場の前から面識があったんだよ。でも、道場で親しくなって、そこからすべてが始まったんだ。

Twitterでメッセージを送って「怖い話を聞いたけど、実際“道場”はどんなところなんですか?」と聞いたら、彼は基本的に怖い話を肯定してくれよ(笑)。そして、ヤングライオンとして日本で活動するためのノウハウを教えてくれたんだ。彼は、俺にとって「日本での生き方」の師匠のようなもんだよ。

俺たちはまだ若くて、20代前半だから大人になりかけだった。SHOとYOHは素晴らしい人たちで、僕らに日本語を少し教えてくれたし、僕らも彼らに英語を少し教えた。いい時代だったよ。洗濯や家事のすべてが大変でしたが、友達がいて助けてくれたので、とても助かったよ。

(ジェイとは)友好的ではあったね。今の上村と辻、あるいはLA道場でもそうだけど、彼らは結束は固い。でも、自分が一番だということを示したいと思っているんだ。切磋琢磨していたんだよ、当時は』

引用:NJPW JAPAN PRO-WRESTING OFFICIAL WEBSITE

 

ジェイとのライバル関係は詳しく説明するほどでもないでしょう。

これまで数々のベルトを戴冠してきたジェイですが、キャリア一番の舞台と言えばマディソン・スクエア・ガーデンのメインイベントでオカダカズチカと闘ったIWGPヘビー級選手権です。

 

もしかしたらあまり知られていないかもしれませんが、このマディソン・スクエア・ガーデン大会への出場を熱望していたフィンレー。

当時、ジュース・ロビンソンと一緒に出演したNJPW WORLD特別番組「bar MSG」で、聖地出場への想いを語っていました。

『(マディソン・スクエア大会のチケットが)即完売だったって伝えたら、感激してたよ。いつも俺の成功を願ってくれてるんだ。でも母の方が興奮気味だった。俺が父と同じ舞台で闘うのを見れるのが嬉しいって。すごく楽しみにしている。家族みんなが観に来る予定だ。もちろん妻も

引用:Bar MSG

 

出場を熱望していたMSG大会も、不運な怪我により出場することはできませんでした。

 

なかなかチャンスに恵まれなかったフィンレーも、昨年は同期のジェイを破り、NEW JAPAN CUPベスト4まで辿り着いています。

実力は申し分ないフィンレーですが、意外にもまだG1クライマックスに出場を果たしていません。

体調は万全でも今夏のG1にエントリーできるかは不透明です。

恐らく本人も危機感を感じたのでしょう。

G1に出場したいとという心からの声は、悲痛な叫びでもありました。

 

コロナ禍の影響で海外を拠点に闘ってきたフィンレーですが、心にはいつも“NJPW”にあります。

昨年、新日本のインタビューに答えたフィンレーは、今後についてこう答えました。

『世界のどこにいるのかによるだろうね。本当にいろいろなことに左右されると思うけど、日本であろうと、STRONGであろうと、IMPACTであろうと、どこに出てもNJPWの旗を掲げるつもりだよ

引用:NJPW JAPAN PRO-WRESTING OFFICIAL WEBSITE

 

パンデミックも終息に向かい新規外国人の入国も可能になった日本。

人気、実力共に申し分ないフィンレーでも、G1初出場は保証されていません。

それでも苦労人のフィンレーが、念願のG1出場を果たすことを切に願いたいと思います。