冷遇されるグレート・オーカーンと“奇跡”を宿している理由

グレート・オーカーン【撮影:koba】
真夏の祭典『 G1 CLIMAX 』




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の浜松大会で10大会目となり、前半戦終了となったG1クライマックス。

どの試合も注目でしたが、絶体絶命の2敗対決として注目されていたのは石井智宏 vs グレート・オーカーン戦でしょう。

3敗目を喫すれば優勝決定戦に進める可能性は限りなく0%となります。

共にブロック1位突破できる実力を持っているだけに、G1クライマックス前半戦でのその可能性を消滅させるわけにはいきません。

絶対負けられないシチュエーションで生き残ったのは、ユナイテッド・エンパイアのグレート・オーカーンでした。

 

勝敗を分けたのは冷遇への反骨精神

 

パンケーキの一件で一躍時の人となったグレート・オーカーン。

G1クライマックス開幕前は『(強過ぎるから)負けるのが目標』と語ったオーカーンですが、競合ひしめくBブロックで2連敗スタート。

絶対負けられない3戦目でしたが、ファンの期待値は石井優勢でオーカーンの支持率は4割ほどでした。

 

結果、下馬評を覆した原動力はなんだったのか?

恐らく、冷遇された今夏のG1クライマックスにおける反骨精神だったのではないでしょうか。

石井戦後のバックステージで、その冷遇の実態を語りました。

『メインが1個もない。2連敗したかもしれねぇ。期待して見てるヤツなんかいねーかもしれねぇ!だったら、遊びはここまでだ』

 

バックステージで語った通り、オーカーンが今夏のG1でメインイベントを飾る試合はありません

出場28選手中、メインに試合が組まれた選手は17人。

最多5回の棚橋弘至、次いで4回の内藤哲也と人気選手が並ぶ中で、オーカーンのメインがないのは異例とも言えるでしょう。

所属するBブロックで初戦が一番遅かったのもオーカーンです。(7・26後楽園ホール大会)

G1初戦で新しいコスチュームを帝国民に披露したかっただろうにも関わらず、あろうことか粉まみれ。

グレート・オーカーン【撮影:koba】

 

対戦相手にも馬鹿にされるオーカーンの冷遇ぶりですが、極め付けはリーグ最終戦が日本武道館大会ではないということでしょう

オーカーンのリーグ戦は8・14長野大会が最後であり、リーグ1位突破が決まる8・16日本武道館大会は指をくわえて見ていることしかできません

G1クライマックス公式戦一覧及び星取表

 

この冷遇っぷりでリーグ戦を1位突破できたならば、まさしく大逆転とも奇跡とも言えるでしょう。

棚橋、内藤と比べても実力・人気共に遜色ないオーカーンですが、なぜここまで冷遇されるのか?

もしかしたら、新日本プロレスに試されているということなのか。

最も期待されないシチュエーションを作り上げられ、それでもリーグを突破できれば、これ程までのシンデレラストーリーはないでしょう

見た目野獣のオーカーンが今夏歩む茨の道の先には、“逆転の内藤哲也”以上の大逆転を試されているのかもしれません

 

現在のオーカーンの成績は1勝2敗、次負ければほぼ脱落決定です。

重要な次戦の対戦相手は現在3連勝のIWGP世界ヘビー級王者のジェイ・ホワイト。

次オーカーンに勝てば、リーグ1位突破にリーチがかかります。

逆にここでジェイの連勝を止めれば、一気にオーカーン待望論が浮上するでしょう。

ジェイとの一戦は毎年何が起こる大阪大会です。

 

オーカーンにとって絶体絶命の状況は続きますが、これほどまでの冷遇を乗り越えられるのは選ばれた人間しか不可能でしょう。

全ては次戦のジェイ戦にかかっています。

野球で例えるなら、9回裏、2アウトフルカウント、サッカーで例えるなら後半ロスタイム5分で0-2で負けている状況です。

“奇跡”と書いて“オーカーン”と読む日は訪れるのか…

 

余談になりますが、『奇跡』という字の画数と『岡倫之』の画数は同じ21画

もしオーカーンが岡倫之ならば、奇跡は味方についているかもしれません。