グレート・オーカーンと永田裕志が語った“5年”というキーワード

永田裕志、グレート・オーカーン【撮影:koba】
“独り言考察”




Pocket

ビュー30周年イヤーに、地元東金でグレート・オーカーンと初の一騎打ちに臨む永田裕志。

プロレス人生30年は辛いことばかりだったと語った永田は、ファンの応援を背に今最も勢いのある選手、グレート・オーカーンと闘います。

そもそも、なぜ永田はデビュー30周年記念大会という重要な大会の相手に、オーカーンを選んだのか。

実はメディアのインタビューで『今後期待する“若手”は?』という質問に対し、オーカーンの名前を挙げていました。

『これから強くなる選手は沢山いますけど、僕自身はグレート・オーカーンという選手が非常に有望株だと思います

 

永田からご指名を受けたオーカーンは東金大会でのシングルマッチを前に、前日の群馬大会のバックステージで『これまでで一番辛い思いをさせる』と挑発しています。

『今宵は永田について語ってやる。煽りVTR見たぞ。いいよ、やりにこい!

貴様の辛いことしかなかったしょっぱい30年を、 たっっっっっった1年ちょいしか新日本プロレスにいない余にぶつけてこい。 これまでで1番辛い思いをさせてやる

だってそうだろ?アマチュアレスリングで下だと勘違いしていたヤツに逆に指導されるんだからな。じゃがわからんぞ? 血を流す永田がよ~く似合ってたからな、 イスや旗で頭カチ割って、 レスリングに付き合わんかもしれぬぞ? それでも、 そんな悪者の余をブルージャスティスは教育的指導をしてくれるんだろ?楽しみだなぁ。本当に!』

引用:新日本プロレス

 

煽りVTRでもアマチュアレスリングを教えると永田に対し挑発したオーカーン。

一方で永田はオーカーンを評価しており、煽りVTRの中で闘いたかった理由について語っています。

『本来、新日本プロレスの伝統であったストロングスタイルの闘い方をしっかり持っている。思いっきり堂々と闘ってみたいと思ったのが、今回このカードを希望した理由』

 

永田とオーカーンが語った“5年”というキーワード

 

群馬大会のバックステージで永田との一騎打ちを楽しみと語ったオーカーンは、意味深な“5年”というキーワードを出しました。

『ファレ&チェーズ、ヒクレオ、拳王、そし
てグレート・ムタより! 貴様を処刑できるのが実は1番の楽しみだったんだよ。

5年。 30年のうちの5年は短いか?長いか?… 男子三日会わざれば刮目してみよ!! 答えは明日

引用:新日本プロレス

 

約2年前にイギリスで誕生したグレート・オーカーン。

新日本プロレスのリングに登場し1年足らずのキャリアですが、2年前より以前の記憶はないと言います。

30年の内の5年』の「30年」は永田のレスラーキャリア。

一方で5年とは何の期間を差しているのか?

 

『男子、三日会わざれば刮目して見よ』とは日本の慣用句ですが、元を辿ればオーカーンが大好きな三国志の語源であり、呂蒙(りょもう)と孫権のエピソードです。

呂蒙は学問をしたことが無く、字もかけず教養も無かったとのことですが、孫権の勧めで勉強し数年後には別人のように学を手に入れたといいます。

オーカーンも5年前、孫権の様な人物と出会い、プロレスを学んだということなのか…

 

メディアのインタビューや煽りVTRでオーカーンと闘いたい理由を答えた永田は、5年前にプロレス界入りした“ある選手”を高く評価しています。

『2016年にプロレス入りして17年にデビューしてですね、早5年以上経つのかな。その中で物凄い潜在能力が出てきてる。これからの選手として、まだまだ本人の才能というかそういうモノを出せる部分がたくさん隠されててですねぇ、それが成長する上でどんどん出てきてるとおもうのですね、あの選手はホントにいいと思います』

引用:WWS channel

 

2016年にはあるヤングライオンが新日本プロレスに入団しており、翌年の2017年にはデビューを果たしています。

そのヤングライオンを指導していたという永田は、当時シングルマッチで対戦した時、興味深いことを語っていました。

 

100の力を出すことなく、そのヤングライオンに勝利したと語った永田裕志。

100の力を出しても勝てなくなる日までどれくらいかかるのかと語った永田が、5年後の本日、グレート・オーカーンと闘います。

5年は短いか、長いか。

『男子、三日会わざれば刮目して見よ』を、東金大会で体感することになるのでしょう。

 

この三国志のエピソードが語源の慣用句は、本来の意味だけではなく、呂蒙と孫権の美談も重要な意味があります。

孫権は呂蒙に「キッカケ」を与え、呂蒙は変わるために努力をしたのも、孫権が呂蒙の将来を期待し、そして呂蒙が孫権の言葉を素直に受け入れたからです。

永田が知るオーカーンは実は呂蒙なのか…

 

もしかしたら、本日の東金大会の試合後、オーカーンに5年前の記憶が蘇るかもしれません。

オーカーンの失われた記憶を取り戻す意味でも、永田のデビュー30周年記念大会は重要な大会になりそうです。

しかし、本大会はNJPW WORLDもサムライTVも後日配信。

これはオーカーンの記憶が蘇る瞬間を生配信で見せないための陰謀なのか…