3年前に海野翔太が蒔いた“内藤哲也へ挑戦”という種

海野翔太、内藤哲也【撮影:koba】
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1・5大阪大会で華々しく凱旋帰国を果たした海野翔太。

2019年9月に旅立ち、コロナ禍で十分に練習できない日々もあったかもしれませんが、約3年間の修行の成果を発揮する場は11・20有明アリーナ大会「Historic Xover」に決まりました。

相手は武者修行時代、2度シングルマッチで敗れているウィル・オスプレイ。

3度目の正直でオスプレイ越えを狙います。

 

大阪大会でオスプレイの持つIWGP USヘビーに挑戦表明した海野ですが、タイトル奪取後の防衛戦の相手に内藤哲也を指名しました。

若手時代の19年には当時内藤が保持していたIWGPインターコンチネンタル王座の挑戦者候補として、名前を挙げられたことがあった

当時は挑戦者がいないなら僕に挑戦させてもいいと言われてましたけど、ナメんなと。逆に俺が王者になって指名したら、自分が変わったということが証明できるのかなと。だから(ワールド)タッグリーグ(22日、後楽園で開幕)でも優勝して、IWGPタッグのベルトを取ってください。その時は僕もパートナーを連れて、そこに挑戦するので」とまで言い切った。

引用:東スポWEB

 

インタビューの中でオスプレイが勝っても内藤が勝ってもUSヘビーに挑戦する予定だったと語った海野翔太。

オスプレイに負け東京ドーム大会のメインイベントへの出場がほぼ不可能になった内藤に対し、東京ドームのメインで闘いたいと呼びかけました。

『オスプレイに負けて、東京ドームのメインをあきらめてるんですか?

そんなことないはずです。今でもあがいてると思います。

僕がUSを取ったら、何とかして東京ドームのメインでやりましょう』

引用:東スポWEB

 

3年前に海野翔太が口にした内藤哲也への挑戦表明

 

2019年にインターコンチネンタル王座の防衛戦の候補として名前を挙げられたと語った海野ですが、実は最初にキッカケを作ったのは海野の方でした。

海野『「NEW JAPAN CUP」 1回戦で敗退してから、いろいろ考え直したけど、 ヘコんでる場合じゃないから。 むしろ、今からがビッグチャンス。 いろんな先輩と当たる、絶好のチャンス。 今日は内藤さんと試合したけど、 内藤さんと試合する以上、 インターコンチ (IWGPIC王座) を意識して闘うよ。 絶対、 チャンスは自分でつかみにいく。 絶対待たない。目の前に内藤さんがいるんだったら全力で倒しにいって、 インターコンチを獲りにいく……

引用:新日本プロレス

 

NEW JAPAN CUPの一回戦で棚橋弘至に負けた海野は、タッグマッチで内藤と対戦した後、上記のコメントをバックステージで口にしています。

このコメントを読んだ内藤は、翌日の大会でこよ海野の発言を拾い王座戦を実現させてみろと挑発していました。

海野翔太【撮影:koba】

内藤『昨日、海野がコメントしてたね。 「内藤と闘う以上は、インターコンチネンタル王座を意識して闘う」って。あれれ?ちょっと注目されたから、いい気になってんの?
でもさ、非常にいいコメントだよ。 なんか、 新日本プロレスの若手、 ヤングライオン、 なんかそういう匂いがプンプンするコメント、 俺は嫌いじゃないぜ。 でも、それだけのことを口にしたんなら、俺を、そして新日本プロレスを振り向かせてみろよ。 俺とのインターコンチネンタル王座戦を実現させてみろよ。 言ったんだろ?な?言うだけでいいのは、デビューしたてのヤングライオンだよ。 海野、 お前はそれより一歩抜けたんだろ?一歩、 二歩、抜けたんだろ?
だったら言うだけじゃなくて、 実現させてみろよ。その時を楽しみにしてるぜ
。 いやあ、いい遊び相手、 見つかったかな……』
引用:新日本プロレス

 

その後も内藤は海野の名前を挙げ、海野も内藤と闘いたい意志を表明し続けています。

内藤『このIWGPインターコンチネンタル王座の今後の防衛ロードについて。 次の防衛戦の相手は、「NEW JAPAN CUP」 1回戦で対戦した飯伏幸太、もしくは、コメントでインターコンチネンタル王座の名前を出している海野翔太、いまのところ候補は、この2人かな?とはいえ、やはり第1コンテンダーは飯伏でしょう。 「NEW JAPAN CUP」1回戦で、俺は彼に負けてるしね』

海野『いろんな先輩の名前を出して噛みついてるけど、いま1番倒したい相手は、 内藤哲也。 コケにされたまんまで、負けて悔しい思いして、 そのまんまで絶対終わらせないから。 内藤のいないロス・インゴに負けても、 悔しさしかないよ。 内藤さんには相手されてないって? だったら、こっちから引き寄せてやるよ。 何度だって、チャンスをつかみにいく。 でも今日の負けは素直に受け入れて、 また明日からぶつかっていきます』

引用:新日本プロレス

 

月日が経ち、挑戦したいベルトの色は変わっても、内藤哲也への挑戦を目標としていた海野。

3年前は挑戦者に選ばれなかった海野ですが、打倒内藤を忘れられずにいたのでしょう。

海野はオスプレイに勝った場合、何とかして東京ドームのメインで闘いたいたいと語っています。

 

オスプレイに負けた内藤が来年のドームのメインイベントで闘うためには、海野がUSヘビーを奪取し、メインイベントがUSヘビーで組まれるウルトラCが必要です。

いずれにしても自力でのマジック点灯は不可能ですが、他力本願というのが内藤哲也らしさとも言えるでしょう。

終えたはずの目標は僅かながら再び可能性の火が燈りました。

これもまた運命なのでしょう。

内藤哲也の東京ドーム大会メインイベントへの道は、諦めない限り可能性はゼロではありません。

 

メディアのインタビューで新たな可能性が生まれた、海野の【初防衛戦の相手“内藤哲也”】構想。

海野がメディアに話さなければ生まれたかった可能性ですが、元を辿ればヤングライオン時代の発言がすべての始まりでした。

トップレスラーに比べれば負けることばかりの期間かもしれませんが、その一挙手一投足が未来の種になる可能性があります。

ヤングライオン時代に蒔いた種がどんな実を膨らませ、開花するのかどうか。

改めて点と点が線に繋がった瞬間でした。