新日本プロレスの23年度売上高が歴代2位になった2つの要因

メルセデス・モネ、MAO、エル・デスペラード【撮影:Koba】
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日本プロレスの親会社であるブジロードが、「中期経営計画」を発表しました。

この「中期経営計画」にはブシロードとグループ全体の経営計画が記載されており、当然新日本プロレスについても情報がまとめてあります。

新日本プロレスの近年の実績を踏まえ、今後に向けた中期的な計画が示されており、非常に興味深い内容があったので幾つか取り上げてみたいと思います。

 

緩やかに増える来場者数も売上高は歴代2位

 

コロナ禍の影響を一番受けた大会の来場者数ですが、19年度対比で23年度は65%まで回復しました。

一時は年間20万人を割る来場者数でしたが、23年度は年間30万人に迫る勢いで、確実に右肩上がりで増えています。

なお、年度別の来場者数はご覧の通りになります。

FY19FY20FY21FY22FY23
44.3万人31.7万人17.9万人22.0万人29.1万人

※FYとは事業年度のこと。例えばFY19は18年7月から19年6月(のはず)

 

この数字だけ見るとまだまだコロナ禍前の規模には遠いと思ってしまいがちですが、売上高は歴代2位を記録したそうです

これは興行売上が減った分、コンテンツの充実に舵を切り、結果として「興行売上=コンテンツ売上」に近いバランスまでコンテンツ分野を伸ばしています。

具体的に言うと「新日本プロレスワールド」の会員数PPVが好調なのだそうです。

 

新日本プロレスが公式に発表している会員数は2022年の段階で約11万でした。

その1年後、海外メディアの報道によるとメルセデス・モネ参戦の効果により、会員数は約4万人増えたと言われています。

 

また、コロナ禍以降、新日本プロレスは特別な興行でPPV配信を行っており、これが確実に売上増に繋がっているということでしょう。

利益率が高いだろうPPV配信は、今後の新日本のコンテンツ売上の核となりそうです。

 

一方で売上高に対する営業利益の割合は低く、次年度での改善は急務と言えます。

スターダムの営業利益と比べると明らかです。

売上高営業利益
NJPW52.9億円2.3億円
STARDOM15.3億円2.5億円

 

前回の記事でも触れましたが、今後も他団体とのコラボ興行を続ける以上、PPVの売上は予測しやすいでしょう。

それに比べ「新日本プロレスワールド」の会員数を増やすのは容易ではなく、やはり来場者数の増加がなければ健全な経営を続けるのは難しいと思われます。

来年の東京ドーム大会の一般発売も始まっていますが、昨年の動員をどれだけ越えられるかは重要な指標となりそうです。