先日の北海道大会で発表された今夏のG1クライマックスのエントリー選手18枠。
この18枠に選ばれた面子より、選外となり「出場者決定トーナメント」にまわることになった選手達の名に驚いた方も多かったことでしょう。
G1に選出されて当然と思っていた棚橋弘至、石井智宏、KENTA、タイチ等が予選会とも言える「出場者決定トーナメント」にエントリーしました。
このトーナメントに出場する12人の内、G1本戦に進出できる選手はたったの2人。
負けたら終わりのトーナメントは、残酷過ぎるシチュエーションとなります。
【「G1 CLIMAX 34」出場者決定トーナメント1回戦の組み合わせが決定!】
6月22日(土)福島でYOSHI-HASHIvsチェーズ・オーエンズ、カラム・ニューマンvs高橋裕二郎!
6月23日(日)神栖で矢野通vsボルチン・オレッグ、小島聡vsTJP!https://t.co/ATkFLJ39uZ#njSOUL #G1CLIMAX34 pic.twitter.com/b9g3EsG01z
— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) June 17, 2024
G1本戦に選ばれず「出場者決定トーナメント」にエントリーとなった選手は、どんな気持ちでいるのか。
ファン心理としては最も気になるところです。
このG1エントリー選手発表に即座に反応したタイチの一言が胸に刺さります。
『戦力外通告か』
そう思っても無理はないでしょう。
18枠の選考基準、18枠から選外となった理由は公式に発表となっていません。
一方で今までも明確な選考基準を発表してこなかった以上、後出しでも今回だけ発表する可能性は低いと思われます。
本戦18枠からまさかの選外となった石井智宏は、6.18青森大会のバックステージで選外の感想を『そりゃそうだ』と認めた上でまだ終わりじゃないと口にしました。
石井『ま、そりゃそうだな。(「G1」では)毎年負け越して、「NEW JAPAN CUP」に負けて、アメリカで連敗し、(6.15札幌で)北宮に負けて。そりゃそうだ。でも、まだ終わりじゃねぇんだよ。逆に、おいしいシチュエーションだ。トーナメントを勝ち上がって、敗者復活から勝ち上がって、かき回してやるよ。見とけ』 引用:新日本プロレス |
一方で今年のシングル戦線での活躍を期待していたYOSHI-HASHIも、本戦からの選外は衝撃でした。
タッグ戦線でどの選手よりも盛り上げ結果を出し、シングルのベルト初戴冠を期待されていた選手です。
なにより盟友のオカダカズチカが新日本を去り、今年は結果を出しその活躍を海外へ届けたいと思っていたことでしょう。
どの選手よりも紆余曲折あるレスラー人生を歩んだYOSHI-HASHIが、本戦18枠から漏れどう思ったのか、第一声何を言うのかは気になっていました。
6.18青森大会で本戦18枠に選ばれた後藤洋央紀とタッグを組んで出場したYOSHI-HASHI。
後藤が『来年、2年後にはもう、出られないかもしれない。これが最後になるかもしれない』と弱気な発言をすると、YOSHI-HASHIは第一声このように述べました。
YOSHI-HASHI『まあ、ごっちゃんはそう言ってるかもしれないけど、俺はそんなことないと思ってるし。そんなことで可能性を自分で潰すような人間じゃないと俺は思ってる。今年の「NEW JAPAN CUP」準優勝。シングルでも実績は残してる。周りでは誰が出られて誰が出られないとか言ってるかもしれないけど、ないだけの実力を「NEW JAPAN CUP」でみんな見たと思う』 引用:新日本プロレス |
本戦18枠から漏れ、悔しい想いがあるはずなのに、第一声はパートナーの本戦出場を正当化する理由を述べています。
自分の気持ちではなく、本戦に選ばれたパートナーを気遣うコメントが第一声とは…
人間が出来過ぎているとしか言いようがありません。
しかも、後藤を労う発言の後に口にしたコメントは、「出場者決定トーナメント」にまわされても仕方ないという謙虚な言葉でした。
YOSHI-HASHI『でも俺自身は、6人タッグでは(連続)最多防衛してて、タッグも実績は作ってるけど、シングルでは実績がないんで(予選)トーナメントに回されても仕方ないかもしれない。 けど、予選から勝ち上がっていくだけの力を俺は持ってると思ってる。トーナメントを勝ち抜けば本戦にいけるわけだから、(「G1」優勝の)可能性がまったくなくなったわけじゃない。いまさらトーナメントに回されたことゴチャゴチャ言っても仕方ない。言ったからって現状は変わらないんだから。それよりも必ずトーナメント勝ち抜いて、本戦出場してみせる。まずはそこ』 引用:新日本プロレス |
事実を受け入れ、前を向くYOSHI-HASHI。
「出場者決定トーナメント」を勝ち抜く力はあると口にし、必ず本戦に出場してみせると豪語しました。
石井が言う通り選外になったことが『逆においしいシチュエーション』ならば、トーナメントから本戦に出場しリーグ戦を勝ち抜けば、これ程までのシンデレラストーリーはありません。
本戦に出場するには仲間やライバルに勝つ必要がありますが、YOSHI-HASHIだから魅せられる“物事を変える力”に期待しています。