大阪で迎えたG1CLIMAX天王山は、想像を絶する大熱戦となりました。
メインイベント
内藤哲也 vs 飯伏幸太
序盤は内藤が飯伏の左膝を攻め、なかなかペースを握らせません。
セミファイナルでケニー・オメガが石井智宏に負けたこともあって、確実に飯伏にダメージを蓄積させる作戦でしょう。
しかし、試合中盤に内藤が思わぬ行動にでます。
飯伏のマスキュラーボム(変型パイルドライバー)を前方回転で切り返し、掟破りのマスキュラーボムを飯伏にくらわせました。
そして、不敵な笑みを浮かべた内藤は、何を想ったのか?
飯伏が最初にこの技を内藤に放ったのは、2015年のニュージャパンカップ準決勝。
この時も飯伏はこの技を掛ける瞬間、不敵な笑みを浮かべていました。
まさにあの時のデジャヴ。
この技を出して以降、内藤は膝への集中攻撃を止めました。
変型の足四の字を出したのだから、ショート・レッグ・シザース(変型キーロック)も繰り出すものだと思いましたが…
なぜでしょう?
試合を決めるため?
それもあるでしょう。
でもそれ以上に、飯伏へのメッセージが込められていたのではないでしょうか。
『俺らにしかできない試合をしようぜ』
先日のブログで、飯伏と内藤はまだ“本来の良さ”を出し切れていと考察しました。
内藤戦を除けばこのG1の飯伏のベストバウトは、激闘を繰り広げた石井戦。
この勝利で意識は変わったのでしょうが、まだまだ“飯伏らしさ”が足りてない気がしていました。
そんな飯伏らしさのスイッチを押したのが、内藤の掟破りの変型パイルドライバーであり、内藤の秘めた想いだったのではないでしょうか。
ここからスイッチの入った二人の攻防は、“らしさ”全開でした。
内藤が高角度のグロリアとロープを使った垂直落下のネックブリーカーを決めれば、飯伏も負けじと攻め立てます。
トープ越しのスワンダイブ式のジャーマンは高角度でマットに突き刺さり、さらに内藤のデスティーノは垂直落下式リバースDDTで返しました。
あとはカミゴェで勝負あり。
この勝利で内藤と並んだ飯伏は、自力で決勝に進める条件を得ました。
現在のBブロックの勝点は…
ケニー 勝点12
飯伏 勝点10
内藤 勝点10
SANADA 勝点8
ザック・セイバーJr. 勝点8
ケニーが負けたことにより、SANADA、ザックにも僅かながら決勝進出の可能性が残されました。
そして、崖っぷちに立たされたのは内藤哲也。
ただし、次戦の相手がケニーは矢野通、飯伏はタマ・トンガと何が起きても不思議じゃない状況です。
できればこの日のケニー対石井戦の考察も書きたかったのですが、正直間に合いそうにありません。
恐らく私と交流のあるブロガーさんである『ホーホケキョ。海外の反応』さん、『デヴォン式パイルドライバー』さん、『プロレス統計』さん辺りが、セミファイナルの考察をしてくれることでしょう。
https://blog.with2.net/link/?1918556
いろんな方の考察を聞くのも、プロレスの醍醐味ではないでしょうか。
昨日のBブロックで起きた大逆転の余韻も冷めぬまま、今夜も大阪でAブロックの公式戦が行われます。
過去最高のG1にするべく、上位陣から勝点を奪うのは誰になるのか?
ダークネスな夜に、カナディアンベアが宙を舞う夢を見そうです。
これもまたデジャヴになることを期待して…