両国国技館で行われたIWGPヘビー級選手権は、最後までどちらが勝つのか分からず手に汗握る試合展開でした。
この試合をベストバウトに上がるファンも多いと思いますが、もっとも評価された試合は別にあったと思っています。
それが…
IWGPジュニアヘビー級選手権
ウィル・オスプレイ vs マーティ・スカル
昨年一度やってるカードだし、正直そこまで鮮度を感じないかなって思ってました。
試合が始まるまでは。
結果、自分の考えが完全に浅はかだったことに気づきます。
相手の良さを消し首を徹底的に攻撃するスカルに対し、後手後手に回っても闘志剥き出しでくらいつくオスプレイの試合は、今年のベストバウトと言っても過言ではありません。
途中、エプロンサイドでのスパニッシュフライで頭を負傷するアクシデントがありましたが、劣勢を跳ね返したオスプレイが相性の悪いスカルから3カウントを奪いました。
この日試合がないKUSHIDAが解説席に入っていたことから、この試合の勝者に挑戦表明するんだろうと期待していました。
しかし、壮絶過ぎる試合内容にKUSHIDA自ら手を上げる勇気はありません。
逆にオスプレイの方から、次のチャレンジャーにKUSHIDAを指名。
この瞬間、オスプレイがとても律儀な男だということに気付きました。
なぜ、オスプレイはKUSHIDAにチャンスを与えたのか?
1・4東京ドームでのタイトルマッチは、4WAYで行われました。
どんな決着だろうと4WAYの敗戦に納得できる選手はいません。
ヒロムのリマッチを承諾し、ロサンゼルス大会で襲撃したスカルと対戦。
そして、次の対戦相手にKUSHIDAを指名しました。
つまり…
全員に一対一のチャンスを与えた
本当のチャンピオンを証明するための1WAYであり、相手にも同様のチャンスを与えたオスプレイは、やっぱり律儀な男です。
ジュニアはヘビーに比べ、シングルのベルトが1つしかありません。
当然タイトルマッチ挑戦のチャンスも少なくなります。
折角得たチャンスも、4WAY。
一対一の対決なら負けない自信を持っています。
この4人なら誰しもがそうでしょう。
そして、ジュニアに対する愛も強いです。
4・1両国大会で、ジュニアの選手がどんなコメントをしたか、知っていますでしょうか?
KUSHIDA『最近いろんな選手がヘビー級に行くといいだして、その口実に“ 俺はジュニアの枠にとどまらないんだ ”とかジュニアをヘビー級の踏み台としか考えてないアレ、むかつくんすよね。
オレは階級の壁をぶっ壊したい。階級を、じゃない。その壁を、その壁をジュニアとして必ずぶっ壊す!』
引用:新日本プロレス
スカル『今日は、“ジュニアヘビー級”について、モノ申したい。
というのも、最近はジュニアヘビー級の選手が、ヘビー級に階級を上げてこそ、強さを証明するという流れが多くあるけど、それっておかしいんじゃないか?
(中略)
ウィル・オスプレイも含め、いまはジュニアヘビーの選手が体重を増やし、階級を上げて、それで自分の強さを示したいというような流れがある。
自分は、それはどうかと思うんだ。
自分は、ジュニアヘビー級に誇りを持っているし、ジュニアヘビー級こそが世界最高のディヴィジョンだと思っている。』
引用:新日本プロレス
ヘビーはヘビーでしかできない闘いがあるように、ジュニアにはジュニアにしかできない闘いがあるんです。
だから…
ジュニアの選手がジュニアプライドを背負った闘いに刮目して欲しい
その為にも、ジュニアの地位を上げる大会が、もうひとつくらい必要だと思うのですが…