ここまで開幕戦から全勝をキープしているケニー・オメガと、1敗を守っているSANADAとの一戦。
SANADAが勝てば勝点で並ぶことができ、逆にケニーが勝てば勝点4差になる状況。
すなわち…
SANADAにとって絶対負けられない闘い
しかし、試合が始まってみればSANADAに焦りはなく、むしろ余裕すら感じられました。
前の試合で勝った飯伏戦が自信に繋がったのか、昨年のG1で負けたケニーへの準備が万端だということなのか…
この試合、ケニーが珍しい攻めをみせます。
それは…
『 膝攻め 』
基本真っ向勝負のケニーが、珍しくSANADAの機動力を奪いに膝を攻め立てました。
相手のストロングポイントを消すために関節を攻めるのは、プロレスにおいて常套手段。
しかも、試合中盤にはニー・バットでSANADAの左肩へのダメージも蓄積させました。
SANADAのタイガースープレックのクラッチが外れてしまったのも、これが理由でしょう。
勿論、こういう攻めにはSANADAの余裕を崩したかったという意味合いもあります。
それ以上に苦戦が予想される一戦で、少しでも試合を有利に運びたかったのでしょう。
それだけケニーがSANADAに脅威を感じていたということ。
この日のSANADAの粘りは、十分進化と呼べるのではないでしょうか。
ケニーのあらゆる攻撃に耐え、それでも立ち上がる姿にトップレスラーの風格が漂っていました。
しかし…
それでもSANADAはケニーに勝てなかった
正直、今日はSANADAの日になると自信を持っていましたし、SANADAの目力に勝利の予感しかありませんでした。
でも何かが足りなかった。
強いて言えば、経験の差がでたのかもしれません。
いや、それ以上にケニーの膝攻めがこの試合を左右したんだと思っています。
試合終盤、ケニーの片翼の天使に対し、SANADAがリバース・フランケンシュタイナーで切り返したシーンを覚えていますでしょうか?
頭から叩きつけられながらも、見事着地したケニーに驚きの表情を隠せなかったSANADA。
すかさず宙返り式のスカルエンドを狙いますが、堪えたケニーが強引に片翼の天使に切り返し、そのまま3カウントを奪いました。
なぜケニーは、リバース・フランケンシュタイナーを着地できたのか?
それは…
足に力が入らず首へのクラッチが不十分で、旋回の勢いが弱くなってしまったから
あくまで個人的な見解です。
しかし、ケニーの序盤の膝攻めがなかったら、あのリバース・フランケンシュタイナーは綺麗に決まり、試合展開も変わっていたかもしれません。
この結果、ケニーは負けなしの5連勝。
誰がこの男を止めるのか?
それとも全勝のまま、優勝決定戦へ進むのか?
残す相手は、ザック・セイバーJr. 、石井智宏、矢野通、飯伏幸太。
そして、勝ち点2差のまま内藤哲也が追走している状況も忘れてはいけません…