1・29後楽園ホール大会で行われた、最初で最後のスペシャルシングルマッチ。
棚橋弘至 vs KUSHIDA
新日本プロレス所属でラストマッチとなったこの試合は、お互い勝負に拘ったシングルマッチになりました。
IWGP現王者に勝ったという手土産に、世界に羽ばたくことができるのか。
それともチャンピオンの意地を見せつけるのか。
何より、お互いどんな思いで闘うのか…
試合はご覧の通り、棚橋の徹底した足攻めでKUSHIDAの機動力を奪います。
KUSHIDAも負けじと棚橋の腕を攻め、ホバーボードを狙いました。
それでもドラゴンスクリューで巻き返すと、テキサスクローバーホールドでKUSHIDAからギブアップを狙います。
足攻めからの足関節はセオリー通りの攻めですが、なぜハイフライフローに拘らなかったのか?
初めてのお客様でも技の迫力が伝わり易いハイフライフローに拘りを見せる棚橋が、この日選んだフィニッシュホールドはテキサスクローバー。
結果、KUSHIDAから見事ギブアップを奪いました。
棚橋の徹底した足攻めをした試合で思い出すのが、2017年11月に飯伏幸太と闘ったインターコンチの防衛戦。
この日も序盤から徹底した足攻めで、飯伏の良さを消しました。
しかし、フィニッシュホールドはハイフライフロー。
この時の意味合いとは違います。
テキサスクローバーで勝利を奪った試合で印象深いのは、同じく2017年6月に行われたインターコンチネンタル選手権の内藤哲也戦。
試合序盤は内藤の腕攻めに苦しんだ棚橋でしたが、ドラゴンスクリューで打開しての逆転勝利を果たしました。
しかし、ドラゴンスクリューで状況を打開しましたが、足攻めしてに徹していた印象はありません。
一度のハイフライフロー失敗から、テキサスクローバーによるギブアップ勝ちに作戦変更した理由は何だったのでしょう。
答えがでない観戦の帰り道、タイミング良く同じプロレスブロガーの『NJPW FAN』の川野さんに遭遇。
テキサスクローバーによる勝利の意味を聞くと、その理由を熱く語ってくれました。
詳細は今日アップした記事に記載されています。
川野さんの記事を読みたい方は、こちらからご覧ください。
恐らく彼の答えが、一番的を得ていることでしょう。
しかし、折角なので私も自分なりの理由を考えてみました。
なぜ、棚橋弘至は徹底した足攻めから、テキサスクローバーをフィニッシュホールドに選んだのか?
それは…
これから進む道の厳しさや難しさを、昨夜のプロレスで表現したのではないでしょうか
8年掛けて築き上げたファンとの絆、会社との絆、レスラーとの絆…
何一つ不満がないというKUSHIDAにとっ、て居心地の良い場所以外の何物でもありません。
しかし、これから進む道はゼロからスタートを切る茨の道。
思い通りにならないことも、力でねじ伏せられることも沢山あることでしょう。
この日闘ったKUSHIDAが、棚橋とのラストマッチを振り返りこう答えました。
『棚橋さんは強かったです。
今まで闘ったレスラーで一番強かったです。
何も通用しなかったっす。空っぽです』
引用:新日本プロレス
そう、これから進む道には今まで存在しなかった道や、何も通用しない状況も生まれることでしょう。
ヘビー級のチャンピオンが、ジュニアでも最軽量の選手にテキサスクローバーを掛ける…
どう足掻いても突破口のない状況です。
これから進む道はそんな不条理もあるだろうという、棚橋からKUSHIDAへのメッセージだったのかもしれません。
https://twitter.com/KUSHIDA_0904/status/1090269652003901441