史上もっとも豪華なメンバー言われ、非常に期待値の高い今年のG1クライマックス29。
【『G1 CLIMAX 29』出場メンバーが決定!】
・Aブロックには、オカダ・カズチカ、棚橋弘至、飯伏幸太が集結!
ウィル・オスプレイ、KENTAが注目の初エントリー!https://t.co/dvc4bol5e6#g129 #njpw pic.twitter.com/tmaXoc5v0v— 新日本プロレスリング株式会社 (@njpw1972) 2019年6月16日
そんな期待値とは裏腹に、批判的な意見が多く飛び交っていることも事実です。
批判の多くは選手選考であり、特に鈴木みのるの落選に落胆しているファンは数多くします。
しかも、ザック・セイバーJr.と闘うYOSHI-HASHIには『G1出場枠争奪戦』と言う過去例のない権利が与えられました。
多くのファンは納得できない気持ちを晴らすべく、みのるが選出されない理由を探しています。
もう一つ、選手選考で賛否両論意見が分かれる“コト”があります。
その“コト”とは…
ジュニアの選手がG1に選出された“コト”
俺を選んでくれた新日本に感謝だな🙏
今年の夏は最高に熱くなりそうだ…🔥#g129#njpw https://t.co/VOhitfFxMK
— 鷹木 信悟(TAKAGI SHINGO) (@Takagi__Shingo) 2019年6月16日
遡れば2013年に当時ジュニアヘビーで活躍していた飯伏幸太が、G1クライマックスに初選出されています。
結果4勝5敗で負け越しましたが、同ブロックだった内藤哲也に勝利し中邑真輔との試合は東スポ主催の『プロレス大賞』年間ベストバウトにも選ばれました。
ちなみに翌年の2014年もG1に選出されていましたが、直前のタイトルマッチで脳震盪を起こし敢え無く欠場した過去があります。
そもそも、なぜジュニアの選手がG1に選出されてはいけないのか?
恐らくこの件で納得できないファンの答えは、ヘビーの選手はジュニアに負けるべきではないと思っているのでしょう。
SNSでは“ヘビーの選手の格が落ちる”という意見もありました。
無差別級を宣言しヘビーの選手と闘いたいと訴えた鷹木信吾は、ドミニオンで小島聡とシングルマッチを行います。
この試合に勝った鷹木はG1出場をアピール。
結果的に、鷹木がG1にエントリーされ小島は選外となりました。
個人的に小島聡がG1にエントリーされなかった理由は、鷹木に負けたからではないと思っています。
その鷹木に関しては、ジュニアヘビー級に属するヘビー級レスラーと言えるのかもしれません。
「ヘビーがジュニアに負けた」
というご意見を見て、いろいろと思う。
負けた当事者が言うのは恥ずかしいかもしれないけど、鷹木信悟を階級で語るのはあまりにも失礼。
そして、当事者だからこそ言えるのは、彼の持つパワーやテクニックは一級品だった。
改めて、試合できて良かったと思う。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2019年6月18日
そして、ウィル・オスプレイのG1エントリーは満を持しての選出だと思っています。
昨年3月の『旗揚げ記念日』大会では、ジュニア王者としてヘビー級王者のオカダカズチカとシングルマッチを行いました。
真っ向勝負でヘビー級チャンピオンをあと一歩のところまで追い詰めましたが、結果はオカダの勝利。
この一戦でヘビー級の頂点の高さ、ヘビー級の階級差を実感したのかもしれません。
ヘビーとジュニアで体重差がある以上、純粋な腕力では力負けしてしまうでしょう。
今年、NEVER無差別級王者として出場したNEW JAPAN CUP1回戦は、超ヘビー級のバッドラック・ファレと対戦。
終盤、ファレのグラネードをキックアウトしたオスプレイが、電光石火のウラカンラナで勝利しました。
2回戦ではランス・アーチャーと対戦し、ブラックアウトを凌いだオスプレイがトップコーナーを利用したストームブレイカーで2戦連続ヘビー級の選手から3カウントを奪取。
いずれもヘビー級の選手の大技を返しての勝利でしたが、この大技を返すことができたのはオスプレイの体重が軽かったからでしょう。
どちらの技も高所から投げ落とされる技で、ヘビー級のレスラーがくらえば一溜まりのない技です。
前進バネのオスプレイだから、ダメージを吸収できたんだと思います。
ファレ戦の勝利も、アーチャー戦の勝利も、最後は頭を使い賢く勝利しました。
つまり…
ジュニアの選手がヘビー級の選手を力で凌駕した訳ではないということ
オスプレイ戦の様な駆け引きを楽しむのも、ヘビーとジュニアの試合の醍醐味なんだと思います。
奇しくもG1ではこの3人が同ブロックにエントリーされました。
— ᵂⁱˡˡ ᴼˢᵖʳᵉᵃʸ • ウィル・オスプレイ (@WillOspreay) 2019年6月16日
ファレとアーチャーにとってはジュニア選手に敗北した鬱憤を晴らすチャンスでしょうし、オスプレイも真っ向勝負で闘えば結果を残すことができません。
1つの結果は次の試合での“背景”となり、結果的に濃厚な物語になると思っています。
この“背景”があるからこそ、プロレスが魅力的に感じるのでしょう。
オスプレイと鷹木にはジュニアが久しぶりにG1に出場したという“背景”を、G1でジュニアの選手が躍動した“背景”に変えてくれると信じています。