恐らく、この一言に多くのプロレス関係者が疑問を持ったことでしょう。
プロレスはコロナに屈せず強行突破
19日、政府は専門家による新型コロナウイルス対策に対する新提言を発表。
注目の大規模的なイベント開催については、下記2点のポイントを挙げています。
▪専門家会議としては、引き続き、全国的な大規模イベントについては、慎重な対応が求められると思う。
▪感染リスクへの対応が整わない場合は、「中止」や「延期」を。
また、大規模イベント等を通して集団感染が起こると全国的な感染拡大に繋がると懸念しており、主催者がどうしても開催する必要があると判断する際には十分注意して欲しいと述べています。
この専門家会議による政府の発表により各競技団体は再開時期を再検討していると報じた上で、プロレス界は独自路線を貫くと表現したのは東京スポーツ紙です。
『慎重な姿勢のプロスポーツ界と強行路線のプロレス界の決断は果たして――』
引用:東スポWEB
この強行突破や強行路線という表現に疑問はあるものの、プロレスにおける主な事業が興行である以上、政府の言う『主催者がどうしても開催する必要があるもの』が興行であり、開催しなければ収入を得るとこができません。
飲食店や商業施設が営業を続けることと、プロレスが大会を開催することにそんなに大きな差があるのでしょうか?
例えば、都内の某百貨店の食料品売り場はどうでしょう。
営業時間は短縮しているものの入場制限は行っておらず、入り口でのアルコール消毒の有無はお客様任せ。
夕方には人込みでごった返しており、感染予防対策が完璧かと言われれば決してそうは見えません。
では、通常興行を再開した各プロレス団体の対応はどうなっているのか?
徹底したウイルス感染防止対策を考え、細心の注意を払い通常興行を再開しています。
【お願い】DDTプロレスでは新型コロナウイルス感染防止の更なる強化を図るべく、全興行にて対策を講じてまいります。
・入場の際に全てのお客様に非接触型検温器を使用し、検温します。
・入場の際にスタッフがお客様の手指消毒をおこないます。ご理解とご協力の程、宜しくお願い致します。#ddtpro pic.twitter.com/tmFwEYd9RD
— DDT ProWrestling (@ddtpro) March 21, 2020
今回の三連休から通常興行を再開したプロレス団体は多く、明日には後楽園ホールで全日本プロレスが「後楽園史上最大の三冠戦」と謳って開催を予定しています。
全日本にとっては三冠連続防衛の新記録更新がかかった大事な一戦です。
通常ならば満員の動員が確実な三冠戦ですが、新型ウイルス感染を懸念し満員札止めは難しいでしょう。
それでも開催しなければ、団体存続の危機に陥る可能性もあります。
後楽園ホール大会で新型ウイルスの感染者が生まれなければ、プロレス界においてひとつの指標になるでしょう。
1000人規模の大会でイベントを実施する見本になるかもしれません。
興行を自粛し続けるには限界があります。
では、さらに大きな会場でのイベント開催はどうなのか?
本日(3/22)さいたまスーパーアリーナで行われる「K-1 WORLD GP」は、1万人規模のイベントと言われています。
このビッグイベントに関し国と県は名指しで自粛を要請していますが、主催者側は開催を明言しました。
さいたまスーパーアリーナで22日開催予定の「K―1」に、国と県が自粛を求めていますが、主催者側は「マスク配布など対策講じる」と開催する意向を示しています。https://t.co/7WaZmZS7zp
— 毎日新聞 (@mainichi) March 21, 2020
名指しで開催自粛を要請されても中止にできない背景は、企業倒産を意味するのかもしれません。
埼玉県市長は今回のビッグイベントをノーマークだったと発言し、さらには開催は危険と発言しています。
県として危険なイベントという認識なら、自粛を要請ではなく中止を要請すべきでしょう。
恐らくもう後戻りはできない状況なのでしょうから、新型ウイルス感染者が生まれないことを祈るばかりです。
来週3月31日には、新日本プロレスが両国国技館でビッグマッチの開始を予定しています。
過去実績から考えると1万規模のイベントです。
今のところ中止は発表していませんが、今回ばかりは自粛した方が良いでしょう。
プロレスより知名度があるだろうK-1が、1万人規模のビッグイベント開催で批判の的に晒されています。
結果的に新型ウイルス感染者が生まれなくとも、社会的信用は失ってしまうかもしれません。
新日本が両国国技館大会を開催に踏み切れば、都知事から「ノーマーク」と言われる可能性もあるでしょう。
残念ながら今回ばかりは開催中止が妥当かもしれません。
恐らく、2~3日以内には両国国技館大会中止が発表されるでしょう。
いくら国内シェアNo.1の新日本と言えども、大会を自粛し続けるには限界があります。
今は事業存続に向け、知恵を絞るしかないのかもしれません。